130,000部発行
2020年6月5日
通巻第285号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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想い出の人
 今は亡き箱田潤吉氏は財団法人千葉東法人会第五支部連合長を務めていた頃に知り合い、いろいろ相談に乗ってくれた人である。稲毛駅前で衣料品雑貨「マルサン」を営んで町内の顔役でもあった▼小生が地域発展のために稲毛新聞を発行したいと一番初めに相談を持ちかけた人である。箱田氏は快く承諾し、地域の商店主や町内会長や実力者を紹介してくれて稲毛新聞を平成8年9月に無事に創刊号を発行することができた▼創刊号では稲毛駅前に夕刻に集まる「ムクドリ」公害について取り上げたほか、花火大会の会場を稲毛海岸から千葉港に移転したことなどの不合理さを取り上げたところ大きな反響を呼んだ。千葉市はムクドリ対策で樹木の伐採などを行い静かな稲毛に戻すことが出き市民から感謝された▼昭和38年に小中台土地区画整理事業をスタートしたが、着手してから実に40年の歳月が経っても終了しないので理事長を務めていた箱田氏にいろいろ聞いてみた。終了できない理由は一角の地主が道路整備に反対しているからだと答えた▼ついでに区画整理内のKさんの落花生畑の一角70坪はどうしてA氏に売却したのかを尋ねた。当時、箱田氏はA氏の後援会長をしていたので、便宜を払い坪5万円でA氏に分譲したと答えた。本来であれば減歩した土地は公募で売却すべきであるが当時、箱田氏はA氏とのマンション建設で境界線を巡り紛争状態にあり、A氏への恨みを暴露することにしたと答えた。(正)

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連載シリーズ(8) 台湾李登輝元総統の教え
稲毛新聞主幹 佐藤 正成
 2011年3月11日、東日本大震災が発生した時に、台湾は日本をを大変心配してくれて、国を挙げて義捐金250億円という大金を贈ってくれた。この莫大な義捐金は世界一の額面だが、李登輝氏の指揮で勧められた。同時に、李登輝氏は福島原発事故について、川本和男博士の「トリウム原発」を採用すべきであると主張している。李登輝氏の著書「日本へ贈る言葉」の中で、トリウム原発はウランより埋蔵量が多く、発電効率が高く、核廃棄物が少なく、メルトダウンも起こらない。さらに、プルトニウムを生成しないので核兵器の開発抑制になると述べている。

日本はトリウム原発を採用すべき
 李登輝氏は、日本は「トリウム原発を開発せよと提言した理由は、日本の川本和男博士(1927年2月13日生、2011年12月14日没)は、2006年に「核拡散防止への実効ある提言」という論文を発表し佐藤栄作賞(最優秀賞)を受賞しているが、この優れたトリウム原発に関心を示さず、第3世代の原発エネルギーに頼ったままであると批判している。そもそもこの第3世代のエネルギーは軽水炉原発のことで、原子力平和利用という名目で原原子力発電に多く採用されている。
 しかし、原発は放射性物質としてプルトニウムやウランを生成する。これらの物質は核兵器開発に必要不可欠だ。核保有国は原発から生成されるが、この物質がないと核兵器を作れない。現在、核を保有している国は米、仏、英、露、中国であるが、このほかインド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルも保有している。しかし、核保有として批准しているのは米、英、露、中国の五大国であり、国連の常任理事国になっている。国連決議はこのこの五大国の決議で左右される。日本は国連に対しての2018年の統計では米国に次いで二番目に多く拠出しているが、発言力をもてない。なぜなら国連憲章には敵国条項(第53条、第107条)があり、日本は敵国と明示されているからである。
 この不当な条項を削除するという案も一時出されたこともがあるが、ロシアなどの反対で現存しているのだ。ロシアが反対する理由は北方領土を日本に返さないという理由づけになっているからだ。
 日本は世界唯一の被爆国だが、国連の常任理事国にもなれない。
 広島に投下された原爆はウラン型であり、長崎に投下された原爆はプルトニウム型と言われる。広島では一瞬のうちに14万人が犠牲者をだし、長崎では7万4千人の死者を出している。
 このように恐ろしい核兵器を廃絶すべきと「核拡散防止条約」が批准されたが、ウランやプルトニウムが原子力発電により、核兵器の原料がどんどん生成されているのだ。
 東日本大震災で福島原発事故が発生し、放射性物質が拡散され、その除去、事故後の処理は未だに未解決のままである。
 李登輝氏は川本和男博士が主張する「第4世代のトリウム原発」が未来の原発であるとし、これを採用すべきと強く主張するのは、ウランやプルトニウムなどの核兵器の原料が生成ができないので、核拡散防止に大いに役立つというのである。
 さらに、李登輝氏は「トリウム原発」は小型化でき、現状の三百万とか四百万キロワット原発とは違い、千キロワットから数万キロワット単位の小型溶融塩原子炉が作れる。例えば東京都庁の屋上に据えれば、福島から送電するより、効率よく東京圏の電力が賄えると述べている。
 トリウム原発は日本の学者が提唱した理論であり、なぜ日本はこの優れた理論を採用しないのか不思議だとも語っている。
 また、本紙読者の藤本豊氏は福島原発直後の2011年5月号で「トリウム原発を採用すべき」と投稿している。
 米国はトリウム原発は理想だが核兵器に役立たないとのことで開発を中止した経緯がある。

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主張 国家(政府)が借金すれば国民の預金が増える
稲毛新聞論説委員 入野守雄
 財政の赤字は国民の黒字と従来から筆者は稲毛新聞で主張してきたが、殆どの人達は間違いと思っている。だから借金はしない方が良いと、骨の髄まで染み込んでいる。 確かに個人が個人から借金すれば返済しなければならない。人には寿命があって返さなければ子や孫に借金が残るからである。しかし国家は子会社の日銀があるから円を発行して返済できる。
 東大を優秀な成績で卒業した財務官僚が借金を消費税で返せと主張するのは、消費増税で利益を得るのと日銀が発行する円で返済すればインフレになるとの反日本人だからである。
 安倍首相は福祉のための消費増税と説明したが大ウソ。増税分は大企業の法人税減税と年収1憶円以上の所得税減税に使った。しかし、4000万人の年金は減らし、所得が減った国民の減税はしない。
 安倍首相は富裕層が裕福になる政策を実施するが、国民が裕福になる政策はしない。
 国債発行すれば年金支給年齢65歳を75歳に引き上げる必要なし。
 年金保険料を納めている現役世代に年金が払えないと無知のメディアに煽らせる。
 相続税は既に大幅に上げ、地価は半値に下がったのに固定資産税は下げない。借金して地方交付税を増やせば解決。
 インフレならば借金できない。
 財務省キャリアは8千万円の退職金を手にし、独立行政法人に収まり更に退職金を手に入れ、天下り批判をかわして法人税を半額にした大企業、マスコミ等に天下り1億円近い所得を獲得する。 更に私立大学にまで天下り若者達を無能にし、いや不能状態にする。不能状態の無職と非正規の若者を生み出した。小泉政権下で非正規が爆発的に発生した。
 安倍首相は新型コロナで108兆円の経済対策と大風呂敷を広げたが、事実は30兆円程度。
 公明党が10万円給付を実行しないなら、次の選挙で自民党を応援しないと安倍首相に迫ったので10万円給付を渋々決めた。しかし、給付すると財務省と自民党がウソを付いていたのが、バレる、から渋る。公明党は、財政赤字は国民の黒字と知っているようだ。
 10万円給付は借金だから財政赤字、しかし国民の預金は増える。
 10万円給付で政府は予算を増やした。増やした30兆円の財源は?今年の税金は来年3月に決まる。だから安倍首相は日銀から借金した。
 政治家は常に財源を税金と言う。財源は国債発行の借金、日銀からの借金で財務省も筆者の追及で借金を認めた。
 借金はインフレなれば止め、増税して消費抑制、デフレで増税は無知。
 政府は30兆円借金で30兆円の赤字。国民は30兆円の給付を受け30兆円の黒字。国民は30兆円の現金を受け取り、又は銀行に振り込まれるので銀行預金が増える。
 借金でケインズは1929年の世界大恐慌を抑えた。借金を否定したのが民主党ルーズベルト大統領で、世界経済は縮小し第二次世界大戦となった。戦後のインフレは工場が米空軍の空襲で消滅し、商品が生産不能だったからだ。

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短編小説 モノレールストーリー
空のむこうに  作・吉成 庸子
 明男は大学四年生、その日は学校帰りに数人の仲間と千葉の街へ出てきた。
 お茶を飲んだ後、中央公園へ行った。空は晴れ上がり夏の香りをふくんだ風もさわやか。
 女の同級生順子が、空のかなたを走って行くモノレールを見て「ああ、いいなあ、私モノレール大好き。日本てスゴイなあ、あんな素晴らしいもの作るんだもの」と言った。彼女は順子という名だが韓国人だ。
 順子と書いては発音が違うのだが、皆順子ちゃんと呼んでいる。小柄だが目のクルクルッと丸い可愛い娘だった。
 明男は彼女に「モノレール乗った事あるの?」と聞いた。「私乗った事一度もないのよ、乗ってみたいと思ってるんだけど」と順子が言った。「じゃ、僕が連れて行ってあげる、今度の日曜日の午後行こう」「嬉しい、きっとね」と彼女が明男の目の前に小指を差し出した。「じゃ、げんまん」明男も小指をからめた。明男の家は成田の奥にある農家だった。
 明男は嫁に行った姉がいる長男だ。大学へ行きたいと言った時、父ちゃんが「お前は農業やるんだから、大学へ行かんでもいい」とうるさく言った。
 結局お金のかからない国立大学へなら行かしてくれる事になった。明男は頑張って合格できた。すると父ちゃんは満更でもないらしく「俺の息子が国立大学に入れるなんて不思議な話だ」なんてうれしそうに話している。
 順子は韓国の済州島から留学生として日本に来ている。
 日本語が上手だし明るい性格なので皆から好かれている。
 約束の日二人はモノレールに乗った。順子は「スゴイスゴイ」と千葉の街々を見下ろして大喜びだった。それから二人は急速に仲良くなっていった。
 明男にとっては初めてのガールフレンドだった。順子は「私の両親は勤め人だけど、私農業大好きなの。土をいじるってステキだわ、一度明男君の家行ってみたい」と言った。
 「俺ん家で良かったらいつでも」明男はさっそく自分の家へ連れていった。
 父ちゃんも母ちゃんもいきなり女の子を連れて来たのでビックリ、でも母ちゃんはいそいそ田舎料理を作りだして「晩飯ゆっくり食べて行って下さいね」とすすめる。
 「畑を見たい」と順子が言ったので、父ちゃんは相好を崩して案内する。明男も行くのだが、順子は人参やキャベツの作り方等くわしく質問する。父ちゃんは上機嫌でふだんよりずっとしゃべった。
 晩御飯はにぎやかだった。母ちゃんの料理を順子が「おいしい、おいしい」とほめるので、母ちゃんも大喜び。順子が帰ったあとも「いい娘さんだねえ」とほめちぎっていた。
 明男と順子は急速に仲が良くなっていった。夏休みになると順子が「私の国へ是非明男を招待したい。済州島はきれいな所よ」と誘った。 「ぜひ行きたいな。順子の生まれた国行きたい」二人はその十日後済州島へ向かった。
 順子の両親は温かく明男を迎えてくれる。二泊だったが楽しい旅だつた。帰る前日の夕方、順子の案内で景色の良い丘に行った。風が涼しく頬に心地良かった。
 沈みゆく太陽を二人寄り添って眺めているうちに、明男の胸いっぱいに順子への思いがつのった。
「順子、僕と結婚してくれないか、幸せにするから」とプロポーズした。「ハイ」と順子は力強く返事をした。自然に二人のくちびるがかさなっていた。
 明男にとっても順子にとっても生まれて初めてのくちづけなのだ。帰国後卒業したら「順子と結婚したい」と父ちゃん母ちゃんに話した。二人は聞いた瞬間は喜んだが、順子が韓国人だと知ると二人は驚いたし反対した。
 「だめだ日本人じゃない人間に、この家を継がせるわけにはいかない。明男この話はあきらめろ」と言った。
 母ちゃんも「いい娘だけどこれだけはねえ」とせつなさそうに言った。明男は熱心に毎日両親に頼み込んだ。
 そしてOKが出た。卒業後、二人は結婚した。結婚式は成田山新勝寺で白無垢姿の順子に父ちゃんも母ちゃんも目を細めていた。披露宴は成田のホテル、ウエルコ。社長が済州島出身者だ。料金以上に料理も会場も盛大にしてくれたので披露宴は盛り上がった。
 父ちゃん、母ちゃん、親戚も盛り上がった。順子の両親は来ていないが一週間後、向こうで披露宴はする予定になっている。全部が落ち着いたら二人でモノレールに乗りたいと明男は思うのだった。

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市民ガイド
アクアリンクちば再開
台風被害復旧工事・大規模改修工事のため休業していたアクアリンク千葉が6月1日から営業再開。▼問い合わせ・Tel204-7283 FAX204-7283教室日程、申し込み方法などはHP(「アクアリンクちばスケート教室」で検索)

大田軍中将顕彰会
▼日時6月13日(土)10時〜12時30分▼会場・長柄町商工会館2階会議室(桜谷687)◇内容・黙祷。大田家の戦後・残された家族の昭和史ビデオ「昭和48年沖縄返還後放送45分(NHK)鑑賞。ビデオ、写真による旧沖縄海軍司令部壕の説明。沖縄決戦の史実と大田中将、映画「静かなる時の流れに」概略説明▼費用・500円(開場使用料、資料費)◇希望者のみ・昼食後移動13時30分〜15時まで、第6回大田実海軍中将顕彰蔡に合流参加。終了後、笠森観音へ拝観(同行者のみ拝観無料)歴史的説明あり。問い合わせ・太田實海軍中将顕彰会代表・相馬康夫・お問い合わせはTel090-7009-3314

市民会館おひるま寄席
▼日時・6月18日(木)13時30分〜15時30分★出演者 三遊亭遊雀(落語家)新宿カウボーイ(タレント)前売り券(全席自由)2,500円(就学前のお子様は入場不可)前売り券販売=市民会館、文化センター、市男女共同参画センター、若葉文化ホール、美浜文化ホール▼問い合わせ・市民会館 Tel224-2431 FAX224-2439

尾崎亜美 コンサート
▼日時・6月20日(土)16時開演(15時30分開場)▼会場・青葉の森公園芸術文化ホール・全席指定SS席5,500円、S席5,000円A席4,500円♪予定曲・マイ・ピュア・レディ、オリビアを聴きながら、天使のウインク、Smileほか★小原礼(ベース)★是永巧一(ギター)▼問い合わせ・青葉の森公園芸術文化ホール(千葉市中央区青葉町977-1)Tel043-266-3511

ギャラリー古島
この度の緊急事態宣言の延長と社会状況を考慮して6月25日(木)まで展覧会の開催を中止いたします
「夏のくらし-涼雅粋展-」6月26日(金)〜7月8日(水)「藍染展-壺草苑の手しごと」7月17日(金)〜7月27日(月)「生田宏司 銅版画展」7月31日(金)〜8月9日(日)▼問い合わせ・ギャラリー古島Tel043-243-3313(中央区春日2-25-11古島ビル2F)JR西千葉駅西友側徒歩2分
新型コロナウイルスの影響で、催しが中止・延期となる場合があります。

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今月の人
結婚相談所「リボンスクエア」 
代 表 貴嶋美知子 (50歳) 
出会い・交際・結婚までを親身にサポート
 千葉市花見川区検見川町で生まれ育った貴嶋さんは、共立女子大学を卒業後、ホテルのフロント業務を経験し、その後は当時、政治家だった父親、臼井日出男氏(元防衛庁長官・元法務大臣)の秘書を約8年間努めた。陳情の他にも支援者から娘・息子の結婚相手探しの相談も多く、少しでも出会いの助けになればと婚活パーティーを開催し喜ばれたという。だが、カップルになっても結婚までは進まないケースばかりで「どうしたら結婚まで行くのか?」と研究したことが結婚相談所の開業につながった。
 「人柄がよくても第一印象で選んでもらえなかったり、交際まで進んでもプロポーズできなかったり…。出会い・交際・結婚とすべての段階でのアドバイスが必要だと感じました」。2012年に結婚相談所リボンスクエアを設立し仲人士の資格を取得。これまで学んだことを会員にアウトプットすると半年後には最初の1組が成婚した。「本当にうれしくて今でもお二人の写真を飾ってあります。たまにお子さんの顔を見せに来てくれるんです」と笑顔。
 貴嶋さんは根っからの世話好きで、私服やスーツ選び、美容室にも同行するなど、一人ひとりに寄り添ったサポートが好評だという。「その方の魅力を最大限に引き出すのも私の仕事。よいプロフィール写真ができると自信が出て中身もよくなるんですよ」。全国のネットワークからピッタリな結婚相手を紹介するだけでなく、身だしなみ、マナー、相手への気遣いなど細かいアドバイスも欠かさない。また、会員と本気で向き合う貴嶋さんだからこそ、時にはぶつかることも。「相手から好かれるには、自分を変える覚悟が必要です。選ばれない原因を改善するために言いづらいことでもきちんと伝えます。口喧嘩になっても最後は納得し自分を変えてくれた人もいて、その方が結婚したときは喜びもひとしおでした」。現在、リボンスクエアの会員は約50名。親身になってサポートを続けてきた努力が実り、2019年には12組の成婚を達成し結婚相談所連盟から成婚優秀賞として表彰された。「結婚がすべてではないが、幸せになる選択肢の一つとして考えてほしい」と貴嶋さん。「結婚相手に巡り会えず一人で悩んでいる方、自分はダメだとあきらめないで一緒にがんばりましょう」と呼びかけた。◇結婚相談所リボンスクエア
◇電話043-375-3758
http://ribbonsquare.net
【取材・真田はる代】

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随筆 どっちがバカかしら
 五月の連休が終わったら急に夏めいて来た。
 でも、コロナウイルスのおかげで世の中は暗い。心も弾まない。でも、コロナに関係なく花々は美しく咲いている。
 儀ちゃんは櫻の花が大好きだった。予科練から特攻隊員として若き日を過ごした彼にとって櫻は大切な心の花だったのかも知れない。多分無理して買ったのだろう。
 一番早く咲く川奈櫻、吉野櫻、しだれ櫻、八重櫻と四本の櫻がある。初めは細く小さな木だったが、現在ではかなり大きな木になっている。儀ちゃんは生きている頃、肥料をやったり、虫よけをかけたり実にこまめに面倒を見ていた。そして、休日は庭の手入れが終わると、たいてい夕方一風呂浴びてから縁側に腰かけビールを一杯やりながら「実にきれいだ。心が洗われるなぁ」と言っていた。櫻だけじゃない。ぼたんもつつじも水仙もその他のサルビアや矢車草等みんな儀ちゃんがケイヨーD2へ行って買って来ては植えたものだ。私は咲いた花を眺めるのは大好きだけど、どうも土いじりは苦手。「何の役にも立たない女というのはお母さんみたいな人のことだねぇ。こんな役立たずの人間俺は初めて会ったよ。」彼はため息をつきながら言う。
 「あ〜ら、じゃあお父さん幸せじゃない。珍種を女房に出来てさ」「何言ってる。俺は日夜悩んでいるんだぞ」「何言ってんのよ。結婚してくれってせまってきたのはお父さんの方じゃない」「だから悩んでいるんだよ。俺の人生目標通り進んでいた。その中でお母さんと結婚したのだけが間違いだった」「それはお気の毒にねぇ。何十年も経ってしまったんだもの、今さら別れるのもねぇ。まあビールでも飲んでうさをはらしてね」私は儀ちゃんのグラスに並々とビールを注いでやったっけ。それから、十日くらいたった時、裏の方で猫の鳴き声がしたので行ってみると物置の近くで産んだのだろうか、子猫を六匹連れたメス猫の一団がいた。目はあいていて立っているが何とも可愛い。
 牛乳をお皿に入れて置いてやると夢中で飲んでいる。儀ちゃんが帰って来たので早速報告すると「そりゃ大変だ。そのうち猫屋敷になっちまう。早く追い出さなきゃ。まさかエサなんかやってないな!」と恐い顔になって言う。
「牛乳、少しやった」と私は答えた。「ついてこい」儀ちゃんは着替えもせずに庭に出る。仕方なくついていった。それから二人で子猫はつまみ上げ、親猫は抱き上げて、家から少し離れた空き地に運んだ。
 「可哀想だが我が家じゃ生き物は飼えない。お母さんが面倒を見るならいいが、お母さんには無理なのはわかってるからな。仕方ないさ」「う〜ん、でも何だか可哀想」私はくちびるを尖らせた。
 翌日、そっと空き地へ行ってみたら猫は一匹もいなかった。ホッとした気持ちで家に帰った。それから数か月後、急にいろんな猫が我が家に遊びに来るようになった。初めは良かったが、そのうち玄関の柱で爪は磨くし、池の金魚はすくうし、芝生は荒らす。とうとう我慢できなくなった儀ちゃんは二股になった枝にゴムを取り付け、パチンコなる物を作った。小石を打って猫をやっつけるのだそうだ。「あんた、猫番くらいできるだろう」私に猫が入ってきたら報せろと言うのだ。猫が入って来ると私は「お父さん、猫がきたよぉ」と大声を上げる。「ようし」勇んでやって来て、小石を玉にしてパチンコを使うが、まぬけな猫は一匹もいなかった。100対0だった。

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新連載・櫻井俊雄物語(1)
千葉の近代史を創った男の話 武田 弥太郎
 千葉市が政令指定都市になるよりはるか前、津田沼から千葉は複線で総武線各駅停車と両国始発の総武本線の列車が同じ線路を走っていたころから、千葉の街づくりに明け暮れていた男がいる。
 国鉄千葉駅が今の東千葉駅や市民会館あたりにあって、中央公園が京成千葉駅だった千葉市中心部は、千葉駅が現在地に移転したことで劇的な変化を遂げることとなった。
 当時の国鉄千葉駅から京成千葉駅を抜けて県庁に至る通り、今の栄町通と千葉銀座通りの衰退は著しい。千葉市が大きな変革期を迎えたとき、ビルや店舗の建設・出店が相次ぐ中、多くの設計・施工を手掛けていまの千葉市の街並みを創っていった男が健在だ。
 有名量販店、大学、大規模小売店舗、有名焼肉チェーン店、複数の珈琲ショップ、そして、大型のホテルや幕張メッセに至るまで、数多くの店舗やショールームなどの設計・施工に尽力した。地域に溶け込めるデザインであることが絶対条件だという。
 そうでないと、どんなに優れたものでも、まわりから浮き上がった独りよがりの建物になるからと、男は笑う。そのくせ、多くの人から「展装なくして千葉は語れない」と言われるまでになったことを、この男は意に介していないところに大物の片りんをうかがわせる。
 学校も作った。病院も作った。些細なことですぐに退学処分にする当時の公立高校が許せなかったから、受け入れる高校を開校した。誰もが知る大恩人に対する当時の大病院の対応が信じられないずさんさだったから、その人のために病院を用意した。ところがこの男、人知れず困難に直面し、大金を投じているのに、証拠を残さず、役職すら引き受けないから、時間の経過とともに当初メンバーがいなくなると、事情を知らない新人らに学校も病院もとってかわられてしまった。それでも、「別に名誉や権力が欲しくてやったわけではない。こんなこともあるさ」と、さして気にしていないというから驚きだ。
 最近では千葉市内の高齢者福祉施設の再建に取り組み、成果を上げ始めていたところ、横領の濡れ衣を着せられ、こころよく思わない集団から排斥されたこともあった。
 数多くの功績を上げながらも、損してばかりいるようにも見えるが、けっしてふさわしい評価や対価を求めない良さは、この男の持ち味なのかもしれない。
 この男の来し方を、シリーズでお届けしたいと思っている。(つづく)

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