130,000部発行
2018年10月5日
通巻第265号
年間郵送購読料3,000円
発行責任者/佐藤 正成
発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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論壇 NHKテレビ「日本人のおなまえっ!」
成田市 上田 真弓
私は14年前に「成田地名・歴史研究会」を発足してサークル活動していることもあり、NHKテレビの「日本人のおなまえっ!」を楽しく見ている。
人名は地名と関係していることが多いので、この番組は非常に興味深い。
毎回大変勉強になるが、7月5日放送の出牛(でうし)という珍しい名字の由来には納得がいかなかったので、指摘しておきたい。埼玉県秩父郡の出牛(じゅうし)という地名が元で、地元の人がいくつかの説を紹介していた。
そこは川が大きく曲がっている場所で、川が氾濫して土砂が押し寄せる、その土砂を押し出す力が牛のようだ、またその災害で心憂し(こころうし)の思いから出牛という地名になったという説や、ヤマトタケルが川を渡る時に牛に乗ったという説など、漢字の説明が紹介されていた。
しかし、なぜ地名は「じゅうし」と読むのか、肝心な説明がなかった。地名は元々の呼び方が重要で、漢字はあとから音が同じものを当てることがよくある。漢字だけで由来を考えると間違えることが多い。
また、「でうし」はデウス(神)からきていると話す地元の人がいて、近くに隠れキリシタンの里がある、珍しい家型の墓に彫られた格子状の穴が十字架に見える、中に入っていたのはマリア像だろう等の説があったが、根拠がない空想だと思う。
家型の墓には格子状だけではなく、他の形が彫られた墓も映っていた。
中に入っていたという小さな像がいつ入れられたのか分からず、それは仏像かもしれないし、亡くなった人をかたどった人形かもしれない。
キリシタンであることを隠さなければならないのに、珍しい名字を名乗ったり、珍しい形の墓を作ったり、墓の正面に穴を彫って中に像を入れたりしたら、逆に目立ってしまう。家型の墓は成田市内にもいくつかあり、正面に空いた穴のまわりに鳥居の形が彫られているものが多い。
以上の理由から隠れキリシタン説には無理がある。単に出牛(でうし)がデウスに似ているというだけで、何か結びつくものはないかと無理やり考えているようだ。元々の地名の呼び方が「じゅうし」なら、デウス説はありえない。
私がこの説を否定したいのは、このような発想で考えると日本中の墓や石碑などに隠れキリシタン説が生まれかねないからだ。
番組ではあれもこれもといろんな説を紹介するのではなく、もう少し信憑性の高い説にしぼって放送してほしかった。地名の呼び方「じゅうし」の調査もお願いしたいものだ。
ともあれ、地名を調べるといろいろなことが分かってきておもしろい。
皆さんも身近な地名の由来を調べてみてはいかがでしょうか。
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