130,000部発行
2020年2月7日
通巻第281号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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想い出の人
 新潮社の記者だった今は亡き国安綸さんにはいろいろお世話になった。銀座のクラブのママさんたちに人気があり、「週刊新潮」に特徴あるママさんを時々紹介していた▼千葉ロッテがボビーバレンタイン監督だった2005年に阪神と日本シリーズを戦い日本一になった頃、国安さんは千葉ロッテの二軍監督をしていた古賀英彦氏のことを書いた「二軍監督」という著書を出版し、小生に届けてくれた▼古賀二軍監督はイースタンリーグで千葉ロッテを2004年と2005年に連続優勝させた名将である。華やかな一軍と違い二軍はあまり話題にはならなかった。まして二軍監督の功績など表に出ないが、その監督のエピソードや努力などを記録した本である▼国安さんは小生が撮影した交通事故の生々しい写真を「FOCUS」という写真週刊誌に取り上げてくれて5万円の謝礼をしてくれた。また、本紙の特ダネ「5千万円宝くじ当たり券紛失事件」についてもどこのマスコミより一番最初に「週刊新潮」で取り上げて謝礼もしてくれた▼共同通信は稲毛新聞「宝くじ事件」を記事を引用して全国に配信して全国紙から地方紙に大々的に報道したが、共同通信からの謝礼はなかった▼その後、テレビ朝日の古舘伊知郎氏の司会による「そんなに私が悪いのか」という番組の収録で本紙に何回も取材に来たが放送された番組のビデオをくれただけで謝礼は一切なかった。小さな稲毛新聞でも評価してくれた国安さんに感謝したい。(正)

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連載シリーズ(4) 台湾李登輝元総統の教え
稲毛新聞主幹 佐藤 正成

台湾の李登輝元総統
 李登輝氏は、総統であった時、台湾大地震に見舞われた。この時、日本の軍隊生活の体験を生かして災害救助に当たったことを紹介し、指導者というのは現場を直視し、様々な指揮を迅速・的確にすることが大切だと教えてくれた。合わせて、阪神・淡路大震災や東日本大震災の時の民主党政権時の総理大臣の対応のまずさを指摘した。

指導者は現場を知ることが重要!
 1999年9月27日、真夜中の午前1時47分、台湾でマグニチュード7・3という台湾歴史上最大規模な大地震が発生した。
 総統の私は即座に軍隊に出動命令を出し、各市町村に救援作業のための指揮所を置くように指示。午前2時ごろには、行政院に対策本部が設置され、人命救助の優先や、電力供給の確保など9項目の対応策を決めた。どの部隊がどのような仕事ができるかその役割分担を午前6時頃までに構築。即座に台北からヘリで震源地に急行した。
 最優先させたのが死傷者の収容・救助、次いで被災者の収容でした。医療機関との協力はもちろんですが、軍に対しても全力を投入して被災者の救助、および交通、電気、通信の復旧にあたるよう要請した。軍隊には二つの仕事がある。一つは敵と戦うこと。もう一つは戦場の整理である。
 私は昭和20年3月10日、東京大空襲の翌朝、千葉の習志野の高射砲連隊から救援のために東京に駆けつけ、戦場整理の仕事に従事したことがあるが、軍隊に被災地の戦場整理をやらせれば最大の効果がある。被災現場を公務員に担当させても彼らを困らせるだけだ。
 台湾地震では4200人の死者を出したが死亡証明は警察が書くが、しかし警察もいない。軍隊には棺おけがなく、軍隊で使っている袋を利用し、火葬処理した。簡単に処理できたのは私が現場で指揮とったからである。
 現場に身を置き、自分自身の目で状況を把握し、「被災地にどのような支援が必要か」「救援活動のどの点を強化すべきか」を考え、国軍の動員については参謀長から直接命令を出させ、行政上の問題は総統府の秘書長(官房長官)に処理させた。危機に当たっては、そういう現場主義こそ指導者には必要だ。
 救援活動が一段落すると仕事の問題がある。生きている人間に与えるものは道路の整備、破壊された家の片付けなどの仕事がある。復旧作業に従事する人には日当を払って仕事をさせた。賃金は一日一千元(台湾)と決めた。
 指導者が中央に居座り、官僚から上がってくる報告や意見だけで判断してはいけない。現場で生の情報に接し、迅速に判断することが求められる。

 総理の指導資格
 東日本大震災の時、当時の菅直人首相はヘリで原子力発電所以外の被災地には降り立たず、他の被災した現場を見ようとはしなかった。しかも、幕僚長も官房長官も同行させていなかった。あの時、枝野幸男官房長官は官邸の広報マンとしてマスコミの対応に追われていた。
 官房長官の役割は行政上の処理を優先すべきで、広報担当者は別に立てるべきではなかったか。
 また、1995年に発生した阪神・淡路大震災では、当時の村山富市首相は丸二日も現地を視察せず、初期救援活動において各国からの救援を断り、自衛隊派遣は憲法違反だとして自衛隊の出動を見送りました。国民の命より自分たちの政治信条が大切だったのでしょうか。これではリーダーとしての指導資格がないと思う。

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主張 基軸通貨ドルと日本円の関係
稲毛新聞論説委員 入野守雄
 現在ドルは世界通貨の基軸通貨であり、世界各国の輸出入の決済はドルである。ドルと各国の通貨の価値を決めるのは為替市場である。  円は50年前1ドル360円で、現在109円のドル安円高である。50年間にドルの価値は下がり360円が100円台の円高になった。しかし、トランプ大統領は1ドル109円を円安と日本に文句を付ける。現実は借金大国でも世界最強の軍事力で、ドルは基軸通貨を維持している。   
 日本政府も野党もトランプ大統領の円安に反論出来ない。米国が作った憲法第9条が正義と洗脳されたからだ。 
 しかし、日本国は貿易経常黒字を50年以上も続けている世界一の債権大国(借金大国と逆)の金持ちであり、円はドルより信用があり円高になる。それなのに円の信用がなくなり財政破綻すると財務省は国民を騙している。だから日本テレビは円安と発言し、日本経済が破綻すると国民をたぶらかす。消費増税は必要ないのに財政再建の消費増税を後押しする。これは日本テレビだけでなく与野党の政治家、全ての新聞テレビ、経団連が財政破綻はあり得ないのに、財政が破綻すると主張し企業が賃金を上げぬからデフレになり、共産主義経済政策を肯定し国民をたぶらかす。  
 先進国の中で1997年の賃金を100とすると2017年の賃金は英国は187、米国は176、仏166、独155、日本は91である。20年間に我国の労働者だけ給料が減った。
 この間、大企業の利益準備金は世界一である。円安のウソと企業が賃金を上げないのがデフレの最大の原因である。大企業は毎年利益を上げ配当金を年間1兆円以上も払っている。ベースアップはこの間ゼロないし最高でも4千円である。儲かっていても企業はコストカットで正規社員を非正規にする。総労働人口6千3百万人の内2千5百万人が年収ゼロないし150万円以下の失業者と非正規社員である。自民党政権は国際競争力強化で法人税を30年間に半分に減税した。  
 その結果企業の内部留保金は4百兆円もある。現状認識が出来ないのが経済バカの与野党、マスコミ、労働組合である。我国は世界中にドルを貸している。1ドル3百円の円安の時、3千兆円貸せば1ドル百円の円高になると1千兆円になり、2千兆円の損害が出る。これもデフレの要因である。政府、与野党の政治家も大学教授もマスコミも円高を続けているのに、円の信用が無くなると論理的に矛盾した主張をする亡国の徒である。
 無職と非正規社員は増加し、結婚が出来ず少子高齢化となる。   
 50年前には年間2百万人以上も生まれたのに、現在は80万人台だ。テレビ東京に出演する外資系金融機関に勤めるエコノミストは少子高齢化だからデフレになると言う。これは明らかに間違いで、デフレだから結婚出来ず少子高齢化になる。だからデフレを続ける安倍政権下で非正規社員は増加した。 菅直人首相はTPPを平成の大改革と主張。その時野党の自民党はTPPに反対したが、安倍首相は政権を取ればTPP賛成で菅直人元首相と同じである。与野党とも属国根性丸出しである。
 米中露朝は核保有国。憲法第9条破棄して核武装も視野に入れる必要がある。

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短編小説 モノレールストーリー
老梅の詩  作・吉成 庸子
 二年前に他界してしまった母がそれは大切にしてきた老梅の黄色いつぼみがかすかにふくらみ始めた。
 澄子が住んでいるのは、千城台近くの4階建てのマンションだ。エレベーターがないので、三階の自分の部屋への出入りは荷物が多い時などちょっとつらいなと思ったりもするけど、2DKのこの住居は澄子にとってはほんとにくつろげるステキな住居だった。
 今年二十七歳になった澄子だがこの住居の他記憶にない。澄子は父もしらない。
 母の言葉によれば澄子が生まれる少し前に急に亡くなってしまったのだそうだ。
 だから兄妹もなく母親と二人っきりのくらしだったが一度も淋しくはなかった。
 一階に住んでいる子供のいない初老のご夫妻が親切な方で澄子の母が働いている間ずっと面倒をみてくれていた。女手一人の働きで澄子を大学まで卒業させるのに、母は昼も夜も働いていた。でも老夫婦はまるで自分の孫の様に澄子を可愛がってくれた。
 この夫婦がいなかったら澄子親子の暮らしはもっと大変だったろう。澄子の卒業を待つ様にしてこの夫婦は生まれ故郷の老人ホームへ越していかれた。
 「幸せになるんですよ」と、澄子に何度も言って。それから丁度一年が過ぎた頃、母が急に「お花見に行きましょう」と澄子を誘った。
 「だってまだ二月よ、櫻なんて咲いてないよ」澄子が驚いて言うと、「まあ、いいから一緒に行こう」と母は強引だった。
 電車を乗りつぎ訪れたその地は群馬県だろうか…?あたり一面黄色い梅の花が咲いていた。「老梅と言うのよ寒さに負けずしっかり咲いて見事でしょ」母の言葉に澄子は何度もうなずいた。
 帰りがけに母は売店で小さな老梅の鉢植えを買った。そしてベランダで育てていたのだった。その日千葉へ着いたら母が急にモノレールに乗ろうと言い出した。
 歩いたってそんなに遠くないのにと不思議な気がしている澄子に「たまには千葉の空から夜の街をみるのもいいでしょ」と母が笑顔をむける。
 たしかに暗い街の景色は、あちこちにネオンがまたたき、華やかで美しかった。
 突然澄子は、この景色ずっと前に観た事があると感じた。でもその時母の他にもう一人男の人がいた気がする。「お母さん、ずいぶん昔一度モノレールに乗ったよね?」澄子の問いに母は「覚えている。たった一度だけだけどね」としか言わなかった。
 母が病に倒れたのはそれから半年くらい後だった。一生懸命看病したけど母は天国へ旅立ってしまった。
 母の枕の下から一通の澄子宛の手紙が見つかった。
 そこには、母が愛した人には奥さんと子供さんがあった事、澄子をみごもった時その人は離婚して一緒に暮らそうと言ってくれたけれど、奥さんから「私達の家庭をこわさないで」と泣いて言われ、自分から身を引いたこと。「澄子を授かったことと一人の男性を愛し続けて私の一生は幸せでした。
 一回だけモノレールに澄子の父とは乗ったの。あの人がお父さんよ。老梅大切にしてね。お父さんの大好きな花なのです。」と書かれてあった。
 そして最後に、「澄子、あなたは良い人と幸せな家庭を作ってね」と書かれていた。

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市民ガイド
千葉県文書館 国立文書館所蔵資料展
「徳川家康と房総」本展では、国立文書館が所蔵する江戸幕府から引き継いだ蔵書や資料等と、千葉県文書館が所蔵する徳川家康関係の資料などを展示し、徳川家康の生涯と房総との関わりをご紹介します▼日時・2月5日(水)〜3月10日(火)9時〜17時*休館日・日曜、祝日、館内整理日(2月28日)▼開催場所・千葉県文書館展示室(千葉市中央区中央4-15-7Tel043-227-7551)

県立美術館
「近代洋画の先駆者浅井忠11」

佐倉出身の近代洋画の先駆者、浅井忠。彼の初期の傑作「春畝」(重要文化財)を含む、東京国立博物館所蔵の作品7点が千葉県立美術館にやってきます。本展では、浅井と関わりの深いバルビゾン派の作品や、画家自身のスケッチブック、写真等の豊富な資料とともに、初期からヨーロッパ時代までの彼の画業の一端を紹介します。
「瑛九、靉嘔、池田満寿夫」
瑛九、靉嘔、池田満寿夫の3人は戦後の前衛美術グループ「デモクラート美術家協会」において、同じ理念のもと制作を行った作家たちです。
「北詰コレクション」
メタルアートの世界W、金工作品とモチーフをテーマとして北詰コレクションを中心とした金工作品を展示します。

第7回和-楽しもう鑑賞と体験
▼日時・2月22日・13時開演▼会場・千葉市文化センターアートホール(入場体験無料)★第1部・お囃子の演奏・望月太左乃、他★第2部・箏と尺八の演奏・山ア忍、澤田颯太、佐藤鈴央★第3部・日本舞踊・吉村園十郎、藤間翆也、他★第4部・楽しもう体験と発表・お囃子・長唄三味線、箏、尺八、舞踊、落語(せんよう亭寿ぼら)津軽三味線(村松大)★第5部・津軽三味線の発表と演奏・村松大▼問い合わせ・Tel090-7201-6530伝統芸能に親しむ会事務局(中村)

自分が好きになる講座
「ぬくもりほっとらいん」では傾聴を学んで活動しながら悩みを解決し、自分自身の見方や人間関係が楽になったという仲間がたくさんいます。カウンセリングや傾聴に興味を持たれた方、どうぞお気軽にご参加ください。☆内容(1)自分が好きになった人の体験談(2)参加者ミニワーク(3)団体紹介・受け手になるまでの流れ。▼開催日時・3月4日(水)9時30分〜11時30分▼会場・千葉市生涯学習センター3階研修室1(千葉市中央区弁天3-7-7JR千葉駅北口より徒歩8分)*定員15名程度、参加費無料▼問合せ・070-4369-7269(NPO法人傾聴グループぬくもりほっとらいん事務局)

第39回青葉能
▼日時・令和2年2月22日(土)14時開演(13時30分開場)▼会場・青葉の森公園芸術文化ホール*全席指定SS席7,000円S席6,000円A席5,000円B席4,000円18歳以下全席2,000円引き★内容・解説 谷本健吾 観世流仕舞「遊行柳」「氷室」和泉流狂言「佐渡狐」観世流能「隅田川」▼問い合わせ・電話043-266-3511

第9回青葉の森落語まつり
円楽・菊之丞二人会〜今年の落語まつりは能舞台▼日時・2月16日(日)14時開演(13時30分開場)▼会場・青葉の森公園芸術文化ホール能舞台◆入場料(全席指定)SS席4,300円S席3,800円A席3,300円B席2,800円(すべて税込)▼未就学児のご入場はご遠慮下さい★出演・三遊亭円楽、古今亭菊之丞、宝井琴鶴▼問い合わせTel043-266-3511

西村悟 テノールリサイタル
〜あなたへ、歌の花束〜▼日時・2月22日(土)開場13時 開演13時30分▼会場・千葉市若葉文化ホール*全席指定3,500円★プログラム・イタリア歌曲♪日本歌曲♪カンツォーネ♪プッチーニ作曲オペラ「マノン・レスコー」より、“これほどまでに美しい女性”♪ジョルダーノ作曲オペラ「アンドレア・シェニエ」より“ある日青空を眺めて”他♪ピアノ北村晶子▼若葉の会事務局Tel080-3384-3866

一噌幸弘「能舞台ライブ」
▼日時・2月24日(月・祝)開演14時(開場13時30分)▼会場・青葉の森公園芸術文化ホール*全席自由前売3,000円・当日3,500円★出演ゲスト・藤原道山(尺八)・水谷川優子(チェロ)・山田路子(笛)・瀬尾高志(コントラバス)★演奏予定曲・鶴の巣籠(都山流本曲)絵馬より神楽(能楽古典)嘆き(ソッリマ)管弦楽組曲第2番よりポロネーズ、メヌエット、バディネリ(バッハ)盤渉舞コキリコ節、13.5拍子の舞(一噌幸弘)田楽幻想(一噌幸弘)▼問い合わせ・青葉の森公園芸術文化ホールTel043-266-3511

大正琴ふれあいコンサート
かれんな大正琴の音色を!!▼2月16日(日)13時〜15時▼会場・高洲コミュニティセンター3階第一ホール(入場無料)★出演・大正琴琴江会高洲同好会他★曲目・「通りゃんせ」「ある愛の詩」「アメイジング・グレース」ほか20曲*体験コーナー有り、飛び入り大歓迎▼問い合せ・Tel043-279-8803(和田)

ゆいの花音楽会
〜ママさんブラスのわ〜県内のママさんブラスバンド10団体が集まった音楽の祭典!ママ達の音楽を、パワーを、あなたに!▼日時2月15日(土)開場12時、第1部開演12時30分・第2部開演14時25分▼会場・千葉県文化会館大ホール*入場無料、申し込み不要・お子様連れ大歓迎!どなたでもご鑑賞頂けるファミリーコンサートです▼問い合わせ・Tel080-7159-6505

ギャラリー古島
「コグレモタロウ展」(陶芸)2月21日(金)〜2月26日(水)「平岩共代展」(ジュエリー・金工)3月6日(金)〜3月16日(月)*3月12日(木)休廊★ギャラリー古島 Tel043-243-3313(JR西千葉駅西友側徒歩2分)

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今月の人
大正琴 琴江会会主 江見房子さん (77歳)
ボランティア演奏年間100回以上
病院、老人ホーム、デイサービスセンター等への慰問

 稲毛新聞11月号に大正琴フェスティバルの案内があった。大正琴は大正元年(1912年)に一弦奏者の森田五郎がピアノの鍵盤の配列を応用しタイプライターの押しボタンを使って誰にでも簡単に演奏できる楽器として名古屋で考案したものである。低価格で軽量ですぐに楽しく弾けると言うことで一家に一台と爆発的に売れた年代があったが、昭和に入り戦時色が濃くなり姿を消した。
 昭和42年(1967年)、明治100年を契機にその哀愁を帯びた音色が再び脚光を浴びるようになってきている。
 そんな大正琴であるが、その大正琴の輪を広げたいとがんばっているのが大正琴琴江会会主の江見房子さんである。なんと今年喜寿とのこと、若くてとてもそのようには見えない。
 大正琴との出会いは43歳の時、当初はピアノ、クラシックからポピュラーへ、やがてエレクトーン、そして大正琴に。大正琴は趣味ではじめたのだがそのうちすっかりはまってしまい、今は生きがいになっているそうだ。昭和60年に大正琴琴江会が発足して今年で34年、アメリカニューヨークのカーネギーホールのエンジョイジャパン(平成8年)同じくアメリカのハワイで「祭りinハワイ」(平成12年)など数々のイべントに出演してきている。現在は大正琴を活かし、地域に密着したボランティア活動に積極的に取り組んでおり、平成15年には「千葉県レクリエーション協会」より功労者表彰、昨年は一般社団法人「日本善行会」より秋季善行表彰を受賞、また船橋市より市政功労賞を受けている。
 会は年間の2大イベントとして7月の「サマーコンサート」と12月の「フェスティバル」を彼女のもと40サークル200名の大所帯で開催している。また希望があれば病院、老人ホーム、デイサービスセンター、各地域での敬老会などどこでも駆けつけてくれるとのことだ。
 江見さんの大正琴の芸名?は房優for you.あなたのために。旧性濱遊から来ているそうで茶目っ気のある人である。
 現在は千葉市のいきいきプラザ・中央・幕張・真砂・高洲コミュニティ、幕張、幕張本郷・幕張西、打瀬公民館に大正琴のサークルがある。興味のある人はTelをしてみたらどうだろう。高齢化社会に向かう中、指先を使い頭を使う大正琴は音楽好きな方には生涯学習としてぴったりなのではないだろうか。【取材・川村文彦】
電話090-8118-7004(江見)

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随筆 立春の思い出

吉成 庸子さん
 立春と言う言葉が好きだ。やはり寒いよりは暖かい方が人間元気が出てくる様な気がする。儀ちゃんが生きていた頃の我が家の最大のイベントは節分だった。「福は内、鬼は外」大声をあげて豆をまくのは私の役目だった。私の実家は祖母両親揃って昔からのしきたりにはうるさい家だった。お盆も年末行事もお正月の習慣も毎年くるいなくやった。
 節分もその一つで豆をほうろくで沢山炒って豆まきをした。市原の奥の奥の七十戸ばかりの集落だったが、節分の夜は六時過ぎる頃どの家からも「福は内鬼は外」の声が聞こえてきたものだ。
 こだまになってはね返ってくる豆まきの声は幾重にも重なって聞こえてきて子供心にも情緒があっていいものだなあと…感じたものだった。
 豆まきが終わるとネギをいっぱい入れたすまし汁を一同で飲んだ。厄落としと言っていた。それから自分の年齢の数だけ豆を食べて子供は寝室に追い払われた。それでもいつもよりはずっと夜更かしできるので節分の夜は少し大人になった気分になったものだ。
 やがて大人になり、ずっとたって四十歳になった時私は吉成儀ちゃんと結婚、四街道へ住むことになった。
 儀ちゃんは七年前に妻に先立たれ二人の娘はすでに嫁いでいたので、一人暮らしだった。年齢も離れていたが特攻隊の生き残りであり、その後の人生は全て銀行のために捧げて生きると私に宣言した。仕方がない。
 自分で納得して結婚したんだもの。と私は自分に言い聞かせ出来るだけ儀ちゃんにしたがったが、自分の方が正しいと思うことは貫いた。
 節分の夜、豆を入れたますを持って現れ「福は内」と大声で豆をまいた後「鬼は外」と儀ちゃんに豆を投げつけたらホントに驚いて「お母さん、何のまねだ」と怒った。「だって今夜は節分でしょ。豆まきをしなきゃね」と私は答えてから更に大声をあげて豆を家中にまきまくった。
 儀ちゃんは鬼役だもの。遠慮なく手のひらいっぱいの豆を投げつけてやる。やめてくれ、やめなさいと怒鳴る儀ちゃんを無視して庭に出て、庭から外に向かってまいた。
 いつの間にか儀ちゃんが隣に来て「小さな声でやってくれ」と言った。ご近所に恥ずかしいのだろう。
 私は豆がなくなるまでやめなかった。「終わったよ」と言って応接間に戻ると、儀っちゃんが「ご苦労様」と言って一万円くれた。ビックリした。だってお小遣いなんて初めてもらったもの。「子供の頃思いだしたよ」と言う儀ちゃんの言葉がなんだかとても胸にしみた。「儀っちやん鬼」がいないので、今の節分の夜は張り合いがない。

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