130,000部発行
2020年2月7日
通巻第281号
年間郵送購読料3,000円
発行責任者/佐藤 正成
発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
想い出の人
李元総統の教え(4)
主張 入野守雄
怖がる保育園
随筆
短編小説
市民ガイド
今月の人
読者アンケート
読者の声
投稿はこちらへ
過去の記事検索
会社案内
購読申し込み
お問い合わせ
最新の千葉市のニュース・話題・オトクな情報満載の携帯サイトはこちらからどうぞ!
熊谷市長の決断、IR誘致見送りの不可解
相手にされない中国企業、500ドットコムと面会した事情
幕張メッセのIR予想図が夢幻になった
ノウハウのない500ドットコム
IR推進法が成立して、全国各地で誘致に名乗りを上げる自治体が相次いだ。どの自治体も地域の活性化と税収増を目論んでいるからだ。飛躍的売り上げを確保するためには、IRの中にカジノの存在が欠かせないという。
ところが日本にはカジノ事業に長けた企業グループは存在していないから、海外のカジノ資本の導入に期待するしかないのが実態だ。海外のカジノ資本にしてみれば、数百億の初期資本を投下することになるわけであるから、最大の収益を期待し、場所の選定をすることになる。
多くの外国人客を来日させるために大規模な国際空港があること、大都市近郊であることなどの必須の条件からすると、おのずと誘致場所は限られてくる。
IRを誘致する側の論理では誘致は実現できず、進出する側の論理で判断されるのははっきりしている。
【取材・今村敏昭】
税収増と活性化期待の推進派
VSギャンブル中毒・治安悪化の反対派
先進のカジノには誰でも入場できるわけではない。個人を特定して審査し、資格を得た者だけが入場できる仕組みだ。
来場者の動向は最新のITシステムですべてチェックされる。どのテーブルでいくら使って、いくら勝ったか負けたかを含め、進出事業者によってはトイレ休憩まで把握できるほどだ。だから、日本にある闇カジノをイメージしてIRのカジノを語るのは論外だろう。日本の反社会的勢力が入り込むすきはない。
「500ドットコム」はカジノ運営の先端技術を有してはいない。最近になってカジノに手を出した事業者に過ぎず、我が国の政府が想定する運営基準を超えるとは思えない事業者で、残念ながら日本のIRに参画する資格はない。
熊谷市長はお見通しのはずで、仲介した国会議員の手前、面談に応じるしかなかったのが市長の立場だったと推察するしかない。
他意なく面談した相手がのちに市の重要政策にかかわる問題を起こした場合、そこから一歩引く構えを見せるのは必要なことかもしれない。
しかしながら「国から示されたスケジュールでのIR誘致は行わない」という千葉市の見送り理由は「時期が来たら誘致を考える」とも受け取れることから、反対派からは中途半端だとの指摘が出ており、推進派からはなお誘致を期待する声が上がっている。
カジノがすべてではない
IR(統合型リゾート)とは、カジノのことではない。カジノを含む統合型リゾート全体をさす言葉だ。
単なるカジノや、カジノ中心の施設のことはIRとは言わないことからも容易にわかることだ。
ところが、大手マスコミはこぞってカジノを強調して報道するから、国民の多くは勢い、「IR誘致=カジノ誘致」と認識させられてしまっている。
反対運動は根強い。沖縄が断念し、北海道が断念し、先月になって千葉市も誘致の見送りを発表したが、それに続いて北九州市も誘致断念を発表した。
現在も誘致に前向きなのは大阪と横浜くらいであって、反対派の勢いが強い横浜と、推進派が優位に立っている大阪の違いがあるくらいだ。
あれだけ強い反対があるのに断念しない横浜には、よほど成功への強い見通しがあってのことと考えられよう。IRの成功にはカジノは二の次だ。国際会議場や魅力ある施設、多くのビジネスチャンスに近隣の観光地の存在などが欠かせない。だから、カジノ第一ではない。そしてIR単体で考えるのではなく、周辺地域全体で考えていかなければならない。
だから、横浜・東京・千葉を一体化して考え、全体の底上げを図るべきなのに、「カジノ」だけに目が行くから横浜か東京か千葉かの不毛な論争に陥ってしまう。
推進派・反対派の盲点
IR誘致に成功すれば、巨額の税収増と多くの雇用創出につながることは明白であり、誘致はそのために行われている。
しかしながら、例えばシンガポールのマリナベイサンズでさえ、ホテル地下の商店街にシャッターが下りている店舗があることは知らされていない。
地域経済が活性化されるのなら、IR本体に稼働していない店舗があることの原因を突き詰めなければならない。成果を見つめるあまり、何かを見落としているかもしれないからだ。ギャンブル中毒や治安の悪化を強調するなら、海外のできるだけ多くのIRの実態を調べて、どこででもIRあるところは必ず悲惨な事態を招いていると説明しなければなるまい。
また、ギャンブルがだめだからカジノがだめだというのなら、宝くじや競輪くじなどがネットやスマホで簡単に購入できるようになったことの方に強烈に反対すべきではないか。
未成年の購入を法律で禁止しても、現実には子供でも購入が可能になるのであって、カジノよりもはるかに問題だからだ。
「宝くじ」の半分は税金
掛け金総額のどのくらいが払い戻しに充てられるかを表す「還元率」は、その数値が小さいほど胴元がもうかることになる。日本に存在するかけ事の中で最も還元率が小さいのが、実は庶民に最も身近な「宝くじ」だ。「1等7億円、前後賞を入れると10億円」といったCMで、射幸心をあおられてつい、お金を使ってしまう。その還元率は当せん金付証票法」という法律で「当せん金付証票の当せん金品の金額又は価格の総額は、その発売総額の五割に相当する額をこえてはならない」と決められ、半分は地方自治体の公共事業に当てられている。一番抵抗を感じない宝くじは一番のぼったくりである。
次いで公営競技である競輪・競馬・オートレース等の還元率が75%程度で、パチンコは80%から85%である。かけ事の中で最も悪く思われているカジノの還元率は98%に及び、ゲームの種類によっては100%を超えることがあるという。
掛け金のほとんどが払い戻しに充てられていることになるから、カジノが最も良心的なようであるが、それだけ還元率が高いからかえってはまってしまうのだという見方もある。 推進派も反対派も、一歩下がってその主張理由をもう一度見直してみてはどうだろう。同一意見の人々の輪の中にいると、それが絶対であるかのような思い込みに陥ってしまいがちだからだ。カジノ解禁は大きな政策転換なのだから、冷静な議論が必要であることだけは間違いがない。
姓も名も変えた、生活保護不正受給の男
詐欺被害の女性が怒りの提訴
本紙12月号で既報の、生活保護悪質不正受給の男が中央区内の女性から1400万円をだましとった事件で、この女性が今月3日までに全額の返還を求めて千葉地方裁判所に訴えを起こしたことがわかった。
男はこの女性から多額の資金を引き出しながらも、収入があったことを区役所に申告せずに生活保護を不正に受け続け、この女性から返済を求め千葉市に相談したことから不正受給が発覚した。
男は女性と千葉市からの追及を逃れるため県内他市に転居したが、転居先の市役所と警察署に虚偽のDV被害を申告するなどして住民票を取れないようにし、女性が男の居場所を突き止められないように工作していた。ところが、本紙の取材で男が姓も名も変えて、誕生日が同じの「別人」になっていたという仰天事実が浮上した。
家庭裁判所の許可がない限り名前の変更はできないが、裁判所の許可のハードルが高い中で、得度して僧籍を得れば名前の変更の許可がもらえることは知られている。
この男は僧籍を得たものとみられ、戸籍上の下の名前を変えた後に養子縁組して苗字も変え、誕生日だけが同じの「別人」になることに成功した。しかも県内他市に転居する直前に分籍して本籍まで変更してから転居する周到さだ。
この男は「最初の本名」「変更した名前」「養子縁組後の苗字」と、三つの本名とそれぞれの名義の銀行口座を所持しているものとみられ、差し押さえからも逃れられるよう、準備している。県警も事情を把握しており、内偵を始めた模様だ。一方、千葉市も調査を始めており、転居先の他市も情報を得たことから対応をとることになる見込みだ。
警察や千葉市の対応はこれからだが、女性は、「きちんと情報を提供しているのに、千葉市や警察が不正受給者を野放しにしていることが許せない。税金をだまし取っているわけなんだから!」と怒っており、民事だけではなく刑事事件としても男の責任を追及するために、刑事告訴するつもりだと語った。
民事訴訟の第一回口頭弁論は4月に開かれる見通しだという。
養育里親制度の説明会
子どもたちと「家庭」をつなぐNPO法人キーアセット
日時・2月9日(日)13:00〜14:00 場所・千葉市生涯学習センター
日時・3月8日(日)13:30〜14:30 場所・鎌取コミュニティセンター
キーアセットのスタッフの皆さん
養育里親とは、さまざまな理由で家族と離れて暮らさなくてはならない子どもたちをある一定期間(数週間〜数年間)、温かく家庭に迎えて養育してくださる方のことです。養育里親制度とは、必要な子どもたちが、養育里親家庭で健やかに育つことを保障する子どものための制度です。
現在、千葉市では、その約3分の2の子どもたちが、乳児院や児童養護施設などで暮らしています。そのなかには、家庭や地域で育まれることの必要な子どもたちがいます。
子どもたちが、それぞれのニーズに合った最善の環境で育つためにはまだまだ養育里親が足りません。
千葉市から委託を受けて里親支援機関(フォスタリング機関)事業を実施しているNPO法人キーアセットでは、養育里親になり、愛情をもって子どもを育んでくださる方を募集しています。家族の元を離れなければならない子どもに特別な事情がない場合、慣れ親しんだ地域に養育里親がいれば、同じ地域に住み、今まで生活してきた環境や知っている人たちに囲まれて育つことが可能となります。
キーアセットとは
キーアセットの「キー」は鍵で「アセット」資産の意味。未来への大切な資産である子どもたちが健やかに育つ鍵となる働きをしていきたいという思いが込められています。
地域一体となって子どもたちを育んでいくことの大切さを啓発し、養育里親の普及をめざします。お問い合わせ頂き、養育里親を考えようとしてくださっている方と一緒にその生き方を選ぶことを考えていきます。養育里親として登録し、子どもとの生活を始めた後もその家庭に寄り添い、その家庭の強みを生かした養育が行っていけるよう、子どもが健やかに育っていくことができるようにサポートしていく包括的な里親養育支援をおこなっているのが、「NPO法人キーアセット・千葉」です。
自分の家庭で養育里親として育てたいと思っている人のために、来る2月9日(日)13時〜14時(千葉市生涯学習センター)と3月8日(日)13時30分〜14時30分(鎌取コミュニティセンター)で、養育里親制度説明会を開催します。説明会では、養育里親や制度について実際の里親さんの体験談VTR等も交えてお話します。養育里親について考えておられる方、子どものために何かしたいと思われておられる方等、気軽に話を聞きにいらして下さい。
●主催・NPO法人キーアセット・千葉オフィス
※お問い合わせは電話043・215・7802
■がんこ職人おすすめのお茶
■手作りひな人形はいかが?
■樽酒、甘酒、パン無料配布
■論壇 明智光秀
■「稲毛新聞」をお気に入りに登録する