130,000部発行
2020年2月7日
通巻第281号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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論壇 明智光秀
成田市 上田 真弓
 大阪の会社に勤めていた若い頃、休日にドライブに出かけて帰る途中、日が暮れて暗くなってきた京都市内を走っていると、トイレに行きたくなった。
 当時はコンビニの数も少なく、どこかにトイレはないかと注意しながら運転していると、前方のお寺の塀に「御手洗い」と書かれた灯りを見つけ、門の中に車を入れて止め、トイレに駆け込んだ。
 トイレから出て、何というお寺かなと門に書かれている文字を見ると、本能寺と書かれているので「えっ、あの有名な本能寺?」と驚いた。
 境内をよく見ると、織田信長の墓があった。信長が明智光秀に攻められて最期を遂げた本能寺の変では信長の遺体は見つかっていないので、この墓は供養塔だろう。
 信長と共に燃えた本能寺は少し離れた所にあったそうで、ここは後に再建された本能寺とのこと。「敵は本能寺にあり!」と言って光秀が軍勢の進路を変える場面がドラマなどで有名だが、私はその後、京都のお寺巡りなどで近くを歩く時や車で近くを走る時、「トイレは本能寺にあり!」と言って何度かトイレを使わせていただいた。
 吉川英治の『新書太閤記』を読んだのは27歳の時で、明智光秀が優れた武将、素晴らしい人物として描かれていた。
 主君を殺した裏切者として批判的に描かるのが普通なので驚いて興味を持ち、ゆかりの地を訪ねた。
 光秀が「時は今 雨がしたしる さつきかな」と信長を討つ決意を詠んだ愛宕神社には、結構きつい登りの愛宕山を二時間ほど歩いた。この愛宕神社は火除けの神として有名だ。
 光秀と羽柴秀吉が戦った山崎の合戦は天王山の麓で繰り広げられた。私は6年間この近くに住んでいたので、天気のよい日に天王山に登ると、秀吉軍が松の木に旗印を掲げたという場所からは、桂川・木津川・宇治川が合流して淀川となる雄大な景色が眺められた。
 敗れた光秀は琵琶湖の畔の坂本城へ逃れる途中、小栗栖の竹やぶで落ち武者狩りの農民に襲われて最期を遂げた。
 そこに光秀の塚があるというので行ってみたが、インターネットもカーナビもなかった時なので、探すのに少し苦労した。
 その供養塔であろう塚は田んぼの隅にひっそりと建っていた。坂本にある西教寺には明智光秀の妻と一族の墓があるので行ってみた。訪ねた所はどこも静かで、光秀が好きでやってきたというような人とは出会わなかった。
 それ以来三十数年、光秀がドラマの主人公となり、裏切者の悪いイメージが一新されることを願ってきた。今年のNHK大河ドラマは、ついに光秀が主人公の「麒麟がくる」だ。
 ドラマを見ることに期待している。

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