130,000部発行
2019年11月8日
通巻第278号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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想い出の人
 我孫子の「春日や」酒店の店主中村国夫さんは地酒を広めた人である。大手酒造メーカーのほとんどは、本物の日本酒を製造できない。なぜなら日本酒は大量に生産できないというのが持論であった▼本物の日本酒は小さな酒蔵でしか製造できないと小生に教えてくれた人である。また、焼酎も同じで小さな酒蔵でしか生産できないという。それは日本酒も焼酎も醸造する際に一々手間と時間がかかる。大手酒造メーカーのように大量生産ができないからだというのである▼中村さんは酒は地酒に限るという信念で、日本国中を回り、優れた地酒を取り扱うようになり我孫子の「春日や」は地酒で一躍有名になった。それ以来、地方の小さな酒蔵から地酒を広めるには我孫子の「春日や」に頼めば売れるということになり、競って「春日や」に販売を依頼するようになった▼中村さんは本物の日本酒を楽しむ会(春日会)を結成、農大の小泉武夫先生などを招聘して定期的に勉強会を開催した。中村さんは日本酒ばかりでなく、健康によいとする食材、野草酵素や一番搾りのごま油も手掛けた▼キリンビールの一番搾りの名称はごま油から採った言葉だという。ごま油は別目でセサミンと言われ、サントリーが近々セサミンという商標で大々的に販売するという情報も教えてくれた。これも中村さんのヒントでサントリーが健康食品として製造に踏み切ったという▼今は亡き中村国夫さん、生前中は本当にお世話になり、心から感謝している。 (正)

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連載シリーズ(1) 台湾の李登輝元総統の教え
稲毛新聞主幹 佐藤 正成

2007年8月、李登輝氏と佐藤主幹(右)
 2007年8月、小生は台湾で開かれた「日本李登輝学校」の研修会に参加した。この時の模様は2007年9月と10月号で詳しく報道したが、あまりにも印象深いので再度、元李登輝台湾総統の教え方を取り上げる。
 小生は稲毛新聞を発行していると李登輝氏に伝えたところ、「私も稲毛の軍隊で仕事をしたことがある」と応えてくれた。急に近親感が湧いた。
 以下、李登輝氏が教えてくれた数々の教訓をまとめてみた。

後藤新平氏は偉大な指導者
 台湾の元李登輝総統は今年の1月で満96歳になられたが、今もなおご健在で活躍している。
 今から11年前に訪台した時は85歳だったと思うが元気溌剌で流暢な日本語で、こんなに日本を愛し思ってくれていることに対して心の底から感銘を受けた。
 日本人以上に日本人らしく、日本のことを本当に心配してくれている人だと感じたのである。
 2007年代に李登輝氏は日本を訪れ、後藤新平賞を受賞された。その時、奥の細道にあこがれ、秋田県を訪問し国際大学で講演をされた。東京では兄の眠る靖国神社に参拝もされた。
 後藤新平氏について李登輝氏は「彼は政治家でもなければ弁護士でもない、ただのお医者さんだった。しかし、台湾の復興と近代化を8年7ヶ月で成し遂げた人である。新渡戸稲造の武士道精神も素晴らしいが、後藤新平は偉大な指導力と高い精神文化を有した立派な指導者だった。今の日本にはそのような指導者がいない。日本は官僚とマスメディアに支配されている。とくに日本の官僚は日本の伝統文化を破壊している」と語った。
 さらに、李登輝氏は「日本の精神文化は他の国に見られない優れたものがある。自然との調和、生活環境とうまくマッチしている。残念ながら多くの日本人はこの優れた伝統文化に気付いていない。日本は仏教をはじめ様々な大陸文化を受け入れたが、それらの文化に流されることなく独自の文化を築いた。例えば漢字が中国から入ってきた。その文化に左右されることなく独自の「ひらがな」を作り上げた。鎌倉時代の武士道精神は日本の文化の特徴である。徳川時代にも鎖国政策の中にも江戸文化を形成した。日本の発展は優秀な才能を持っている指導者が存在したからである。この伝統精神は決して失うことはないと信じるが、この高い精神文化を忘れている。かつて日本は戦争して破れたことは無かった。第二次大戦で敗れた日本はいかにして復興させるかが大きな課題だった。その難局も克服し経済大国になったが、あまりにもアメリカ文化にとらわれすぎた。アメリカ文化は自由で開放的だが、それを受け入れ日本の社会秩序が乱れ、伝統の精神文化が失われてしまった。経済は発展したが生活様式はアメリカ式となり、文化や教育が荒廃して生命力、想像力を阻害してしまった。

 日本に期待している
 アメリカに追随している日本は、他国から見れば独立国家としての存在感が薄い。日本はアメリカは強い国と思い頼っているだろうが、アメリカは中東やイラクで失敗。6カ国協議で北朝鮮にも振り回されている。アメリカは決して強い国ではなくなった。
 アメリカはアジアに対する影響力も少なくなり、ロシアと中国がだんだん力をつけている。アメリカの力ではどうにもならない時代になった。誰がアジアの問題を解決するか。中国かロシアか。私は高い精神文化を持っている日本に期待している。多くのアジア諸国も日本のリーダーシップに期待している。 (つづく)

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主張 日本で初めてガン保険を売ったアフラック
稲毛新聞論説員 入野 守雄
 初めてガン保険を売ったのは日本の保険会社ではなく「アメリカン・ファミリーライフ・アッシュアランス・カンパニー」で通称アフラックである。
 アヒルのCMで有名なアフラックはアメリカの企業だが、利益の90%は日本で稼いでいるのだ。アフラックは米国保険会社の規模では20位ぐらいなのに、日本最大の「日本生命」が稼いだ利益の半分を稼いでいる。
 テレビコマーシャルで嵐の櫻井翔が反日左翼の音楽家坂本竜一との対話が頻繁に流れている。
 櫻井翔の父親はキャリア国家公務員であったが、退職後電通の役員に天下った。
 電通の何代か前の社長は韓国人で日本に韓国ドラマなどを普及し韓流ブームを起こし、韓国政府から勲章を貰っている。
 トルーマン大統領が日本に向けたポツダム宣言は朝鮮、中国、ソ連、米国に従えとの条件が付いていた。
 日本の保険会社はガン保険を扱えないので、アフラックが日本のガン保険市場でトップに君臨している。
 アメリカの意向によって日本は縛り付けられている。日本には国民皆保険制度があり、ガン治療は健康保険で賄われている。
 高額の治療費も健康保険で賄われる。従って国民皆保険制度のないアメリカはガン治療で一般の家庭が破産している。日本ではガン保険は必要ないのに、昭和49年(1974年)にアメリカは日本政府に構造改革・規制緩和政策を建前にアフラックの日本進出を要求したので、自民党政権がこの要求を呑んだ。
 さらに、アメリカは平成6年(1994)別の要求を突き付けた。 日本の保険会社のガン保険販売の禁止である。自社さ政権の社会党委員長村山富市首相はこの要求を呑んだ。
 しかも平成7年(2001)郵便局のかんぽ生命がガン保険を売り出そうとした時、アメリカの郵便局は公営であるのに、小泉首相に郵政民営化を命じて実質的にがん保険の取り扱いを禁止した。
 小泉親子はアメリカの手先であり、ピエロのようにブッシュ大統領の前でロック歌手プレスリーのモノマネを演じた小泉首相の姿は、世界中に配信され笑いものになった。
 小泉首相は役人天国を許すなで郵政民営化をアメリカの為に実行したのである。
 それで郵便、郵貯銀行、保険の三部門になり利益優先で約4割が非正規社員である。
 ノルマ達成で、かんぽ生命の不正が明るみに出た。今や経営が成り立たず、アフラックに買収される運命にある。アフラックは日本のガン保険市場を独占し、日本国民の財産を搾取する。
 小泉首相や安倍首相は規制緩和、構造改革すれば、国民は安い価格で商品が手に入ると喧伝している。
 安倍政権の経済成長戦略メンバーで小泉政権時の竹中平蔵金融大臣はデフレ大賛成で、非正規社員を救済すると言って派遣法を押し通し、人材派遣会社パソナの会長に収まり大儲けしている。日本古来の種を守る種子法を廃止して外資に儲けさせ、水道民営化を推進し外国に売りとばす安倍首相。経団連や野党議員も自分さえ良ければよいとする国民の事は二の次である。

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「きさってぃ」の自転車コーナー
韓国で開催されたアジア選手権に参加!
自転車競技トラック中距離選手
日本写真判定株式会社 中村 妃智

金メダルを獲得した男女日本選手
アジア選手権で日本は大活躍しました
 みなさんこんにちは。きさってぃーの自転車コーナーです。
 私は先日アジア選手権に出場するため、お隣の韓国へ行ってきました。
 自転車競技場があるのは韓国の金浦空港からバスで2〜3時間のところにあり、なんだかんだ長旅となりました。競技場は自転車競技場以外にも体育館などもあり、スポーツの総合施設の一角にあります。
 さて、アジア選手権の結果を見ていきましょう。
 金メダルは男子ケイリン、男女オムニアム、男子チームスプリント、男子チームパシュート、女子スクラッチが獲得しました!
 他にも女子ケイリンと男子マディソンで銀メダル、女子チームパシュートと男女スプリントで銅メダルを獲得するなどメダルラッシュとなりました!
 今回おこなわれたアジア選手権の結果と11月から始まるワールドカップ、そして2〜3月にかけて行われる世界選手権の総合結果でオリンピックに行けるかが決まります。
 いよいよオリンピック目前という感じになってきましたね。緊張感も高まります。
 肝心なきさってぃーの結果ですがチームパシュートは3位、マディソンは5位と少々やらかしてしまった結果となりました。
 大事な大会で何をしてるんだと…。
 11月に行くワールドカップで今回不完全燃焼だった分、挽回して思いっきり走ってきたいと思います。
 みなさん応援宜しくお願いします!
 帰国してからキムチ食べた?とよく聞かれました(笑)。
 現地ではオフィシャルの食事が基本となるのですが、今回は皆でサムギョプサルを食べに行ったりもしました。本場のサムギョプサルにキムチ、日本では見かけない納豆鍋のようなものも食べました。
 緊張の続く大会期間ですが美味しいものを食べるとやっぱり元気になれますね!

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市民ガイド
千葉県立美術館 令和元年度特別展
絵のみち・祈りのこころー日本画家後藤純男の全貌―本展は北海道空知郡上富良野町にある後藤純男美術館の全面協力のもとで、初期から晩年までの作品60点余と、スケッチや写真など関係資料で構成します。奈良・長谷寺に奉納された襖絵を期間限定で特別展示するとともに、東京・高幡不動尊金剛寺の襖絵も展示し画家の画業を過去最大規模で紹介します。▼会期・令和元年11月2日(土)〜令和2年1月19日(日)開催時間9時〜16時30分▼休館日・月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌日)年末年始(12月28日〜1月4日)▼入場料・一般1,000円(800円)高校・大学生500円(400円)*()内は20名以上の団体料金、中学生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と介護者1名は無料▼問い合わせ・千葉県立美術館)TEL043-242-8311

第78回歴史講座
演題・「令和の時代を迎えて」どのような心構えで生きるべきか▼日時・11月16日(土)午後2時〜▼会場・千葉市生涯学習センター(3階大研修室)▼講師・岡田幹彦氏(日本政策研究センター主任研究員)▼会費・千円(学生無料)▼主催・日本の心を育む会(歴史講座担当・金子一之)電話090-2532-4226

大正琴フェスティバル
日時・11月20日(水)午前11時半開演▼場所・船橋市勤労市民センター(JR船橋駅徒歩7分)▼内容・千葉市、船橋市近隣で活動している大正琴約45団体が演奏▼入場無料問い合わせは090-8118-7004(江見)

アフタヌーンコンサート
坂下忠弘(リリックバリトン)をむかえて千葉交響楽団メンバーらによるシューベルト作品を中心の演奏〈第1部・弦楽4重奏〉モーツァルト◇ディヴェルティメントK136より第1楽章、シューベルト◇アヴエ・マリア、シューベルト▼日時・11月30日(土)開演15時(開場 14時30分)▼会場・青葉の森公園芸術文化ホール*全自由席・前売り2,000円当日2,500円▼お問い合わせ・青葉の森公園芸術文化ホール事務局TEL043-266-3511

福田こうへいコンサート
ツアー2019〜一所懸命〜
▼日時・11月30日(土)【昼の部】13時30分開演【夜の部】18時開演▼会場・千葉県文化会館大ホール*全席指定S席6,600円A席5,000円(税込)▼問い合わせ・チケット販売・千葉県文化会館043-222-0201インターネット予約http://www.cbs.or.jp/千葉県東総文化会館、ちばテレビメディアネット、ぴあチケット、セブンイレブン▼主催・千葉県文化会館

第9回落語国際大会IN千葉
古典の日記念アマチュア落語コンテスト【予選大会】11月16日(土)13時開演(12時30分開場)会場・千葉県文化会館小ホール・大練習室・中練習室【決勝大会】11月17日(日)13時開演(12時30分開場)会場・千葉県文化会館小ホール▼問い合わせ・NPO法人フォーエヴァー内「落語国際大会IN千葉」運営委員会TEL043-239-5711 FAX043-312-5501

朗読アラカルト 神無月の夢
ちばの民話「ベロ出しチョンマ」、女流作家の作品などバラエティに富んだ朗読会。▼日時・11月24日(日)14時〜15時30分▼会場・KKDuo(千葉市中央区本千葉町1-11千葉中央ビル3F)京成千葉線「千葉中央駅」徒歩1分。定員25名(先着順・事前申し込み)参加費800円(ドリンク代含む)。

天満敦子 ヴァイオリンコンサート
〜名器ストラディヴァリウスの響き〜★日時・12月8日(日)開演14時(開場13時30分)★会場・青葉の森公園芸術文化ホール*全席指定3,500円【曲目】ツィゴネルワイゼン(サラサーテ)夢のあとに(フォーレ)望郷のバラード(ポルムベスク)雪の降る街を(中田喜直)他♪ピアノ勝呂真也▼主催・お問い合わせ・青葉の森公園芸術文化ホール(千葉市中央区青葉町977-1)Tel043-266-3511

プロムナードコンサート
今回は2台ピアノ・連弾とソプラノによるコンサート入場無料、予約不要、ホールで気軽に生演奏をお楽しみください。♪ピアノ・ジュリアーノ・アドルノ、平野裕樹子。♪ソプラノ・西川直美【演奏予定曲】春の声(ヨハンシュトラウス)ハンガリー舞曲第5番(ブラームス)剣の舞(ハチャトリアン)ねこ踏んじゃった、リベルタンゴ(ピアソラ)サウンドオブミュージックより(リチャード・ロジャース)他▼会場・青葉の森公園芸術文化ホール▼日時・11月30日(土)開演11時(開場10時30分)

ギャラリー古島
「上村勝子・優子凛のー衣展」11月8日(金)〜11月18日(月)*11月14日(木)休廊「クラフトで彩るありがとうの気持ち」11月25日(月)〜12月9日(月)*12月5日(木)休廊★ギャラリー古島 Tel043-243-3313 Fax043-241-3041(JR西千葉駅西友側徒歩2分)

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今月の人
市民オンブズ千葉 代表幹事
村越 啓雄さん (81歳)
税金の無駄遣いに目を光らせる
 千葉の市民オンブズはわが国でも最も厳しい姿勢で税金の使途に目を光らせているといえる。政務活動費の使途が適正だとする議員に対し議会事務局の職員が「議員さん、オンブズがウンとは言いませんよ」と、決め台詞を使うくらいだ。
 市民オンブズ千葉が平成13年から取り組んできた市や議員の無駄遣いは、住民監査請求や行政訴訟で不正支出と認められて、市に返還させられたり支出が差し止められたものが全部で52件。金額にして40億1千万円にものぼるという。その後の支出改善などの波及効果を合わせると100億円近いというから驚きだ。
 市長交際費、物品納入の談合、建設談合、海外視察、職員互助会への不適切会計処理、市有地や施設の無償貸与から有償貸与への切替、選挙の公費負担の見直しなど、ありとあらゆる分野の無駄遣いを指摘しており、議員以上の役割を果たしているとの評価さえ聞こえてくるくらいだ。
 その村越さんも、あの「号泣県議」には唖然としたといい、不正支出が露見して富山市議会で議員辞職が14名に及び、新たに選出された議長も2週間で辞職に追い込まれたことには呆れて言葉がなかったという。9月末には今年の「市民オンブズマン全国大会」が岐阜市で開催され、市民オンブズ千葉からも4名が参加した。様々な課題の情報交換を行ったほか、「自治会の適正運営」「カジノを含むIR問題」「情報公開」など、特定の課題に絞った分科会での議論もあったという。千葉市は開かれた議会の実現や、政務活動費の収支報告の透明度の確保にまだまだ課題が残されているという。村越さんは今年81歳になったことから、「そろそろ後継にバトンを渡したいが、やらなければならないことがたくさん残っているから」と、活動を続けている。 「オンブズの活動に関心がある方の入会を歓迎する」とのことだから、「議員にはならないけれど、税金の無駄遣いの監視には関心がある」という方は、一度連絡を取ってみてはどうだろう。村越啓雄携帯090-9367-3798。

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随筆 おでんの季節
 台風十五号、十九号で被害を受けた多くの方々に心からお見舞い申し上げます。
 十五号では、私の家も瓦が飛び、塀は倒れ、木は折れてビックリしてしまった。今まだブルーシートがかかっているがたくさんの方が修理を待っていらっしゃるので順番がきたらやっていただければいい、それで充分だと思っている。それにしても風と雨・自然の持つ恐ろしさをあらためて実感している。もう二度とこんな災害が日本はもちろん世界中でおきませんようにと祈るばかりだ。
 十月も終わりに近づき、めっきり寒くなった気がする。
 ああ、おでんのおいしい季節になったなあと思う。おでんは儀ちゃんの大好物だった。材料が揃えば煮るだけでいいので私もよく作った。
 できるだけたくさんの種類をと、ちくわこんぶ等々あれこれ買ってきて大きな鍋で煮込む。よく儀ちゃんに「あんたねえ、馬が食うわけじゃないんだぞ。こんなにたくさん作ってどうするのよ」と叱られる。 私は「大丈夫よ。なくなるまで何日か食べるから。それに煮込めば煮込むほどおいしくなると言うじゃない」と答えた。「あんたとは、どう努力しても波長が合わない。困ったもんだ」。 儀ちゃんはため息をついた。「お父さん、困ったもんだと近頃口ぐせになったネ」私がそう言うと、「何が原因で俺がそう言うのかわからないのか?」と儀ちゃんが私に聞く。
 「わかんないよ。お父さんが何で困ってるかなんてさあー」正直に私が言うと、彼は「実に困ったもんだ」と、頭を抱えたっけな。やがて、おでんは「俺がセブン・イレブンで買ってくるから作らなくていい」と言われた。だからそうなってしまい、私の買い出しや作る手間は省けるようになった。
 話は少し飛ぶけど、儀ちゃんはいつも辞表を胸に入れていた。
 自分が決断を下した仕事や、目標を、万が一あやまった時はいつでも儀ちゃんの表現では「腹を切る覚悟で仕事にのぞんでいる」と話していたが、辞表は常に胸に入っていた。「その時はその時だ。なあに、おでん屋の屋台引いたって、家族位たべさせられるから」と言っていた。
「お父さん、そうなったらお父さんにそんな事させないよ。私が小さなおでん屋さん開いて、お父さん一人くらい立派に養ってあげるから、安心して仕事に励んで」と私は力強く言った。心の中では、私ってなんていい女房なんだろうと、実感しながら…。でも儀ちゃんが即座に宣言した。
 「お母さん、あんたおでん屋だけはやめとけよ。あんなにまずくちゃ客がこないよ」だって。 この季節になるとその会話を思い出して一人笑ってしまう私だ。

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