130,000部発行
2017年6月2日
通巻第249号
年間郵送購読料3,000円
発行責任者/佐藤 正成
発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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熊谷市長三選果たす
共産党推薦の大野隆候補を大差で破る
市長選、史上第二位の低投票率
支持者に祝福を受ける熊谷俊人氏
5月28日投開票の千葉市長選挙で共産党が推薦する候補を大差で破り三選を果たした熊谷市長。新たな任期中には東京オリンピックを迎えたり、海辺の開発や、千葉駅建替え、ワンストップサービスの導入など、明るい話題が多い中、千葉市本来の政策課題の中には解決に道筋がついていないものも多い。初当選当時、31歳最年少政令市長も39歳となったが、37歳だった横浜市長が引退したので最年少政令市長である。今後の課題を追ってみた。
熊谷市長、三期目の課題
28日夜8時、開票がまだ始まってもいないのに熊谷選挙事務所に当確の知らせが届いた。出口調査等で当選確実と見られていたからであろう。
開票結果は予想通り、熊谷俊人氏182081票、大野隆氏41870票の大差で現職の熊谷氏が当選したが、投票率は29・07%(前回31・35%)で史上第二位の低投票率だった。
熊谷市政に明るい話題が多い。だが、触れられない課題も山積している。とかく行政は市民運動を煙たがるが、熊谷市長を戴く本市も例外ではない。制度上、認可や許可を出さなければならない場合はあり、いかに住民の反対があっても粛々と進めなければならないこともある。これが関係者には血の通ってない行政に感じられるところである。
熊谷市長が初当選後最初の議会答弁で、「結論は変わらなくても途中の説明過程を丁寧にすることで納得感に大きな差が出る」と発言している。この考え方を、思い出してほしいし、職員にも浸透させる必要がある。
市と直接の利害がない人々は人気だけで投票行動を決めるが、困難を抱えている人に思いを致してほしい。熊谷市長肝いりで招へいした幹部職員のうち、何名が今も在籍しているのだろうか。失敗を明らかにしない姿勢はいただけない。
本年1月4日からスタートした区役所の窓口改革。転入転出の際の手続が一つの窓口でできるとの触れ込みであったが、一般の市民にはすこぶる評判が悪い。とにかく待ち時間が長くなった。市民センターに行けば5分かからないものが区役所では1時間かかることもざらだからだ。
窓口を利用する市民の立場に立ったことなく、「ワンストップ」のいいイメージだけで考えを進めるからこのようなことになる。 中心市街地の衰退に歯止めがかからない。選挙では支援する姿勢を見せてはいたが、具体策が示されたことはないし、千葉駅再開発に間に合うようにすべきではなかったか。
パルコ跡地の上層階がマンションでは、親子三代夏祭りが騒音だと苦情は来ても、地域への経済的波及効果は期待できまい。こういう調整をするのが市長の役割ではないか。
熊谷市長の実績には目を見張るものがあることは事実だ。そのうえで、イメージと思いだけで進めてきた施策を、市民目線で見直してほしい。「青年熊谷の目」ではなく、「おっさん、おばさんの目」で見直してほしい。そうすれば、一層評価が上がるものと感じる。【武田弥太郎】
施設の更新に250億円か
千葉都市モノレール、隠された大赤字
懸垂型では世界最長を誇る千葉都市モノレール
熊谷市長が初当選後すぐに打ち出したモノレールの青葉延伸凍結。これで、176億円の支出をカットしたのは正解だった。その後モノレール会社は単年度黒字化してはいるが、軌道部分を市に移管し、モノレール会社は市に軌道の使用料を払うこととし、軌道の維持にかかるその経費を市に転嫁したことで生み出された「偽装黒字」といってもいい。そのモノレール、新たに巨額の支出が見込まれている。
軌道を支える橋脚のさびはそのままになっているが、軌道の更新時期は近づいてきている。
安全確保のために施設の更新は欠かせないが、駅舎を含む施設の更新のため、今後約15年間におよそ222億円の支出が見込まれている。これは全額市の負担だ。
モノレール会社が直接負担する車両の更新時期も迫っており、このままでは会社の運営に重大な影響が及ぶことから、今後10年間に市はモノレール会社に約35億円を補てんする方向で検討を進めている。
予定どおり延伸していったら、一体どうなっていたのだろうかと、空恐ろしくなる浪費だ。
帳簿操作で偽装黒字
市に転嫁された軌道を含む設備の維持費を盛り込んでモノレール事業全体の収支を見直すと、黒字ではない。市は黒字化したとは言っているが、実態は大赤字だ。その上この先巨額の支出が発生することがはっきりしている。その実態を市民に知らせるべきではないだろうか。「黒字化した」と発表すれば、ほとんどの市民がそう信じるはずだし、モノレールの経営は安定してきているのだと誤解するのではないだろうか。市がモノレール会社に資金援助しようと、軌道を市に移管して維持費を直接市が負担しようと、税金が使われることに変わりはない。だまし討ちの帳簿操作は、いただけない。
イベントの工夫も
モノレールの車両を使ってのイベントが工夫されている。中央公園のイルミネーションを楽しむため、上空で一時停止してみたり、車内でお酒を楽しむ企画があったり、集客や千葉市のモノレールのアピールに腐心している。
一つのイベントでの収益は小さくても、様々な企画を打ち出していくことは重要だ。
年に一度か二度ではなく、休日が来るたびにイベント列車が走るといい。2両編成ではイベントに参加できる市民の数は限られるから、人気のあるイベント列車の数を増やし、市民の目がもっとモノレールに向くようにできないか。思案・工夫のしどころだ。
経営改善には非常に厳しいものがあるが、様々な創意工夫は欠かせない。多くの市民が、ことあるごとにモノレールを利用してくれるよう願うばかりである。
注目される毘沙門堂訴訟
大手マスコミも聞き取り調査開始
稲毛駅西口商店街通りに宗教法人毘沙門堂が建設中の納骨堂をめぐる一連の騒動、テレビ東京の報道を契機に波紋が広がり、NHKなども取材を始めている。
休眠状態の宗教法人を利用して墓地ビジネスを展開
する例が全国で見られることから、その実態追及の動きが出てきたからだ。
決して安くはない墓地購入だが、運営基盤がぜい弱で実態が不透明だと、墓地の維持が困難になり、利用者に不測の損害が発生することも予測されることから、今回の裁判とはケースが異なるものの、大手マスコミも原告側への取材を始めたところである。
今回の訴訟で原告側は、納骨堂許可に至る市の手続の取消を求めており、毘沙門堂の実態が不透明であること、毘沙門堂の許可申請に不正があること、許可の要件とされる地域住民の同意がないことなどが争われる見込みだ。
「書類上は適正であるから審査を進めるしかなく、不正な書類かどうかや宗教法人の実態調査の権限はない」とする市の判断の是非も問われている。行政手続上は関係法令に則り、地域住民の反対が大きくても許可を出さざるを得ない市の立場があるにしても、建設に納得しない近隣住民が多数存在する以上、市民が指摘する問題点について毘沙門堂に問い合わせて市民に回答したり、不安解消や実態説明などにもっと市が尽力してもおかしくはないだろう。むしろ、その調整役は市にしかできないことを自覚して、市の責務を果たしてはどうだろうか。
そこに努力があったなら、裁判沙汰にはならなかったのではないだろうか。市民にとっては冷たい市の対応であり、残念以外の何物でもない。
納骨堂自体は必要な施設であるが、市が機械的対応にとどまらず、地域住民の求めに応じ、より具体的説明をする努力をしてほしかった。
「お役所仕事」の典型的パターンを見せつけられたことが残念でならない。市がそういった調査をすることは禁じられているわけではないのだから、今からでも調整に乗り出してはどうか。住民の心配が解消し、納骨堂が地域に受け入れられればそれにこしたことはないし、それこそ熊谷市長の選挙公約、「誰も置き去りにしない社会」そのものであるといえよう。
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