150,000部発行
2012年2月10日
通巻第185号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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特別寄稿 『体制維新ー大阪都』(文藝新書)を読んで
やすかね法律事務所 伊藤 安兼
 昨年11月27日大阪市長選挙で大阪知事を辞任して知事・市長のダブル選挙を仕掛けた橋下大阪市長が誕生しました。この選挙で橋下市長の狙いは、大阪都構想という、大阪府(都)が国際的な都市間競争に勝てる広域行政を担当し、住民直結の基礎自治体は、人口20〜30万人(中核都市並みの特別自治区)程度とすることです。
 大阪市の発展を阻害する二重行政
 ところが、人口260万人の大阪市(京都府や広島県に匹敵する)では、地域の実情に応じた住民サービスはできない(例えば、大阪市が一つの教育委員会で525校全てには対応できない。京都・広島では20以上の教育委員会が対応する)。
 また、大阪市が一兆円も投じたベイエリアが負の遺産となり、全国で二番目に面積の小さいところに知事と市長がいて、体育館も図書館も大学も二つあり、水道事業なども大阪府と競合して統合の話しがつかず、この二重行政が大阪を中心とした関西圏の発展を阻害しています。
 日本を引っ張るエンジン
 そこで、大阪都の中に市町村の外に大阪市、堺市などから東京都と同じように特別区を作り、市町村と特別区が基礎自治体となり公選の首長が住民サービスを担当する。大阪都は国政的な都市間競争で勝ち抜き、東京と並び日本を引っ張るエンジンになろうとの構想です。因みに東京は世界に名前が通っていますが、大阪はソウルなどと比べても知名度は低いし、フランスは人口が日本のほぼ半分ですから、日本にはパリが二つあってもおかしくないはずです。
 国家の運営の基本
 ところで、現在先進国はどこも膨大な財政赤字に悩まされています。国家運営の基本は、主権国家として外国からの侵略に備え、国内秩序の維持を図り、さらに民生の安定、要するに国民生活が満足できるためにあります。そこで国家は税金を徴収し、公務員制度を維持して国家の運営をしているのです。
 公務員で税金がなくなる
 今、国家公務員は約四百万人いますが一人一千万円として40兆円になります。そうしますと税収が大体40兆円ですから、国防から国内秩序、国民生活などを健全に維持するなら、公務員制度を変えなければ、国防も福祉も運営は出来ないのです。
 江戸から明治へ
 わが国は、黒船来襲から明治になりましたが、諸藩は、政府が借金の肩代わりをするというので、版籍を奉還し、その後武士という身分制度もなくなりました。代わりに、列強との不平等条約改定のため、公務員制度を作って国の運営を始め、それから150年経過しました。今、正にこの公務員制度という国家の体制を変革しなければ、今の危機的状況を変えることは出来ません。しかし、政治家は、当選目的でお金のかかる政策しか言わず、公務員・議員を削減し、政治家・官僚の役割を考える、などという国家体制に関心が薄い(理解不能?)のです。
 小選挙区の政治家では体制変革は出来ない
 民主党は、衆議院選挙において小選挙区を五区減らし、比例代表を80議席減らして、投票の価値の不平等を「是正」しようとしています。しかし、国会議員が狭い小選挙区で選出される今の制度では国際基準で考えられる政治家が出現しません。
 衆議院は全国を定数3の百選挙区にすれば、死票を減らし、公平で有能な政治家を選出できます。共産党など完全な比例代表を主張していますが、三百分の一の得票があれば、オウム真理教なども国会議員を送り出すこととなります。
 関西から「下りもの」
 70年の万博以来、業界団体、金融、文化などが東京に一極集中し、以後大阪は衰退の一途をたどっています。歴史的に良いことも悪いことも大阪から始まるといわれますが、東日本も今回の大震災から、大阪の衰退を他人事には思えません。大阪市長選、橋下市長の大阪都構想から我が国の政治体制の変革を考えろ、という国民の声が大きくなりそうな平成24年です。是非ご一読下さい。面白い本です。

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主張 わが国の最大の問題点はデフレである
稲毛新聞論説委員 入 野 守 雄
 わが国はなぜ22年間もハイパーデフレを続けているのか。世界中でこんなにデフレを続けているのは日本だけだ。これはデフレを脱却する経済政策を取らず、逆のデフレを拡大させる政策を取り続けているからだ。デフレとは通貨量が生産量より減少し、国民の所得が減り、商品が売れ残り、物価が下落する現象である。逆に供給能力が不足して、モノ不足となり、物価が高騰するのがインフレである。この間を調整するのが財務省、政治家の役割だが、19世紀遺物のマルクス教で洗脳され、現代経済学が理解できず、調整できない。
 戦後の昭和21年は設備が焼失。鉄道、道路、港湾は破壊され、供給能力が全滅で年間3・6倍のインフレになった。国は公共投資で水力発電、インフラ整備と設備復旧に円を増刷して、信用の創造で、供給力が拡大し、インフレを止めた。40数年間は年平均3%の物価上昇で完全雇用が達成され、10〜20倍に物価は上がったが、国民は裕福になった。その後の22年間はハイパーデフレで、1ドル200円が76〜77円の極めて異常な事態だ。デフレ脱却、円高是正で国債を日銀が引き受ける政策はハイパーインフレになると愚者は阻止する。ハイパーインフレとは物価が1年間に100倍以上になることだ。最近の例が80年代までのブラジルだ。ソ連(ロシア)のように国営企業ばかりで、労働意欲なく、不効率で、ラテン気質の生活謳歌で、需要に供給が追いつかず、モノ不足の極端なインフレに見舞われた。ブラジル政府は構造改革で国営企業の民営化、開国して安価な外国品を入れ、外資を入れ、供給力の増大、効率化を図り、インフレが抑えられ繁栄している。
 わが国は供給力と労働力(契約社員2千万人)が余っていて、極端な需要不足のデフレである。
 しかし、さらに供給力を拡大させる構造改革、平成の開国でデフレを拡大させる。アジアの成長を取り入れで、海外の低価格品の、これ以上の流入は国内の生産を縮小させ、失業者を増やす。低価格品はデフレの輸入でさらなる円高をもたらす。
 120円が4年間で35%、1〜2年後には50%の円高で60円台になる。5%の関税がゼロになっても、輸出は困難になり、さらなる失業者が発生する。増税は需要を減らし間違いなくデフレを拡大させる。
 1997年に財政再建で消費税を3%から5%に上げたが、国の税収は減った。2001年、構造改革なくして景気回復なしの政策で、配偶者特別控除、老人控除廃止の増税、後期高齢者制度の保険料アップなどで消費は冷え込み税収は激減した。
 税の減収は人口減少が原因と日本総研、藻谷浩介は強調してマスコミ、証券会社は賛成する。少子高齢化の原因は、デフレと男女共同参画法で、一億総唯物論である。
 国土地理院の人口動態では1989年の人口は1億2233万人で、2011年の人口は1億2623万人となり、22年間に390万人(3・2%)増加した。韓国は同期間18・4%増。北朝鮮は33・7%も伸びているが、経済は壊滅状態である。
 台風、地震、山岳地帯が70%のわが国は、公共工事で国土を守る必要がある。900年前の奥州藤原清衡は、平泉を中心として500キロの道路網、港を整備し、京都より経済発展した。日本は1950年の8360万人が、2050年に1億1千万人と、国連は発表している。韓国は2035万人が5645万人。北朝鮮は972万人が3719万人。妬み・嫉みの連中は2050年に日本の人口は6〜8千万人という。これらの連中は日本を半島より下位に置きたいようである。

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