155,000部発行
2007年2月8日
通巻第125号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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主張 園生町・田 沼 隆 志
教育再生待ったなし (3)
教育再生に不可欠な「絆」
身勝手な自己中心思想を改め、公共心と自立心を養う教育をもう一度取り戻すにはどうしたらいいか。
 第2の柱は、学校の教育力強化である。そもそも学校の本分であるはずの教育力の低下こそが、学校に対する信頼を失わせる契機となっている。授業が上手でなく、子供を統率できず、いつも疲れていて、やる気もないという先生では、信頼しろというほうが難しい。
 尊敬できる先生・信頼できる学校を取り戻すには、まず心・技両面での教師の研修制度を強化・整備すべきである。授業の技術力の向上はもちろん、先生としての使命感を再確認すべく、研修を定期的に行うことが不可欠だ。
 学習塾も含め、常に生存競争をしている民間企業ならば常識である従業員研修を、教育界でも拡充する。
このように教師みずから学び続ける気持ちを持つこと、そして本気で良い授業をつくろうとすることは、必ずや子供にもその真剣さが伝わり、心の教育につながると信じる。私自身、本当によい教育を受けられたと振り返られる先生は、みな真剣みあふれる方ばかりであった。厳しいか厳しくないかというような表面ではなく、知識や生徒に対し本気であるかどうかが、教育再生の重要な柱だと考える。もちろんそういった本気の教師≠後方支援する仕組みも必須だ。私の経営コンサルティングの経験では、企業の現場最前線を活性化するためには、不要不急な事務を削減し、現場に権限委譲する改革が必須であった。学校においても、教師が授業に集中できるよう事務を削減し、また教師が本音で生徒と向き合えるよう生徒指導の権限を守ることが、真の後方支援になると考える。
第3の柱は、家風の再生だ。家風とは躾を含めた「家庭の教育力」である。まずは良い姿勢と笑顔の挨拶、早寝早起き朝ごはん、掃除の徹底。このような基本的な習慣、日本人らしい折り目正しさと礼節の美しさを大事にする家風こそ、実は自立心と公共心を養う最大の教育となるはずである。子供にとって家庭が最も教育力のあることは、論ずるまでもない。今必要とされる心、すなわち人をいじめることの卑しさ、誇り高くあることの大切さ、命を大切にすること、あなたが死ぬことを悲しむ人がいるのだということも、家風の再生によって、子供に伝えられると私は信じる。学校の力にも限界がある。家庭で教えるべきことをきちんと家庭で教える、その親の責任感、親の誇りが子供の心に写る。また、こうした習慣作りには地域全体での取組みが欠かせない。この家庭・地域・学校の取り組みの連携、すなわち「絆」こそが、教育の再生には絶対不可欠である。
 家庭だけでも、地域だけでも、学校だけでも、単独の取組みでは決して効果は上がらない。その三者を結ぶ「絆」を生み出す、鎹(かすがい)としての役割を、私は政治に求めたい。
 学校の教育力向上、家庭の教育力向上、そして地域一体の取組み、それらが「絆」で一つに結ばれたとき、必ずや教育再生への道が開けると私は確信する。(終)

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