130,000部発行
2019年12月6日
通巻第279号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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論壇 受験生を混乱させるな
成田市 上田 真弓
 来年度から大学入試で実施予定だった英語民間検定試験が受付直前になって延期となった。受験生は混乱しているに違いない。しかし制度があやふやなまま実施されるよりは良かった。
 民間6団体のうちのどれかの試験を受けるという方法は公平なのか、2回まで受けられるが費用や会場の場所の問題で1回しか受けない人は不利になるなどの格差が生じ、民間試験の日程や会場が決まっていない準備不足など問題だらけだった。
 萩生田文部科学大臣が「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」と発言して批判されたことが延期の理由かは分からないが、受験生を混乱させないためにも実施を見送ったことは正解だ。私は千葉県の高校入試で、学校群制度という訳の分からない入学試験が導入されて被害を受けた犠牲者だ。
 中学3年生の私は自分が希望する高校に行けないという理解不能な制度に翻弄された。
 受験生には寝耳に水、青天の霹靂だった。
 公立高校の入学試験を受けて一定の点数以上を取れば、地域の学校群のいずれかの高校に振り分けられるというのだ。
 千葉県全体の公立高校が対象ではなく、千葉市・船橋市・習志野市・八千代市・市川市など東京寄りで高校の数が多い地域が三つの学校群に分けられ、八千代市に住んでいた私は第2学校群のどれかの高校に行かされることになった。 公立高校のレベルの差をなくすのが目的だったようだ。希望する高校を受験して成績上位20%に入れば入学できるというおかしな制度もくっついていたが、難しい高校は更にハードルが高くなり、たとえ上位20%で入学できても80%は成績に関係なく入学してくるのだから、難しい高校のレベルが下がるのは目に見えていた。
 私はこの学校群制度に納得がいかず、ずっと行くと決めていた船橋高校への進学を諦め、五年間の国立の木更津工業高等専門学校(高専)の電気工学科を受験して入学したが、国語や社会が好きな文系の人間なので非常に苦労した。
 念のため学校群の外の佐倉高校を受験して合格していたので、佐倉高校に行けばよかったと後悔したが、高校は船橋高校しか考えていなかったのだ。
 学校群制度は三年で廃止になった。この制度さえなければ私の人生は違っていただろうと思うと悔しくてたまらない。この愚かな制度で私たちを実験台にした責任者に謝ってほしい。
 高校に行っていたらどんな人生になっていたかは分からないが、いまだに消えないこの悔しさに苦しむことはなかった。
 受験生を混乱させ、すぐに中止・変更するような入学試験制度は絶対に導入してはならない。

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