155,000部発行
2007年3月8日
通巻第126号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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世直し対談シリーズ(教育問題を考える)
田沼隆志氏が語る教育再生論(対談)
今、教育再生が大きく取り上げられ、教育環境がこのままでよいか問われている。教育再生論を駅頭で毎日訴えている若き田沼隆志氏に佐藤主幹が聞いた。

人と人とが信じあえる社会を創りたい
 主幹・まず、田沼さんの経歴と政治家を志した理由を聞かせてください。
 田沼・私が生れてすぐ、私の家族は稲毛に引っ越してきてマンションを買いました。当時まだ豊かな自然が残っていた稲毛を、父も母も大変に気に入ったそうです。以来ずっと私は稲毛に育ち、園生幼稚園・小中台小学校・小中台中学校と進み、高校は県立千葉東高校、大学だけが東京で東京大学経済学部を卒業しました。稲毛への愛情は誰にも負けないつもりです。大学卒業後、アンダーセン・コンサルティング(現・アクセンチュア)に7年間勤めました。日本および世界で最大の経営コンサルティング会社です。私はその中でも特に厳しい職務である戦略立案部門におりました。激務の連続でしたが、おかげで日本を代表する企業や官公庁の改革といった大きなプロジェクトにたずさわることができ、貴重な経験を得ることができました。私が政治家を志したのは、歴史を勉強し、先人の努力を肌で感じるようになったためです。直接のきっかけは、鹿児島の知覧で、特攻隊として飛び立った若者たちの実物の遺書を読んだことでした。死を前にした彼らの真情、国や家族を深く愛し、そのゆくすえを思う心に私は涙し、深い衝撃と感銘を受けました。同時に、私という人間が両親をはじめ多くの方々に支えられて今日まで生きてきたこと、そしてそのことに私がいかに無自覚であったかを知り、大変恥ずかしく思いました。いつか時期がきたら、この稲毛という街から私が受けた恩を返したい、そしていつか日本のために働きたい、そう決心しました。そして昨夏、もう日本がどんどんおかしくなるのを放っておけない、私には政治家として果たすべき義務があると感じ、退職して政治家を決意しました。
 主幹・現行の教育委員会制度をどう思いますか。

 教育制度が疲労
 田沼・現行の教育委員会制度は、戦後60年を経過し、さまざまな制度疲労が生じています。常態化している深刻ないじめ問題や、学級崩壊、学力低下、教員の質の低下などの問題に、まったく対処できていません。問題の本質は、現行の教育委員会の権限の曖昧さと裏腹の無責任体質です。教育委員会には予算権がなく、特に市町村教育委員会には教員の採用権もありません。これでは荒廃する教育現場に対する積極的介入と「特色ある学校作り」など期待できないのは当然です。その改革は国政に働きかけるよりありません。県政の立場から指導・監督するという形で、教育委員会の活動に関して改革できる余地は大いにあります。制度をつくるのは法律ですが、それを運用するのは生身の人間です。何事も改革を国まかせにするのではなく、県政における義務と責任を十全に果たした上でなければならないと思っております。
 主幹・教育の再生といわれますが、学校、家庭、地域社会などの教育環境も大事だと思います。現在、一番に問われなければならない問題は何でしょうか。

 家風の再生が大事
 田沼・おっしゃる通り、教育とは学校における授業だけを指すのではなく、広い意味では教育環境そのものが教育であると言ってもいいぐらいです。中でも、子供にとって家庭が最も教育力のあることは、論ずるまでもないことです。私は教育再生の三本柱は(1)実感にこだわった歴史教育(2)学校の教育力強化(3)家風の再生、であると考えています。中でもこの「家風」の再生こそが小学生までの子供の教育環境にとっては最も重要なポイントであると考えます。家風とは、躾を含めた「家庭の教育力」のことです。まずは良い姿勢と笑顔の挨拶、早寝早起き朝ごはん≠ニ掃除の徹底=Bこのような基本的な習慣、日本人らしい折り目正しさと礼節の美しさを大事にする家風こそ、自立心と公共心を養う最大の教育になります。また、人をいじめることの卑しさ、誇り高くあることの大切さ、命を大切にすること、あなたが死ぬことを悲しむ人がいるのだということを家庭で教えられなければならないと思います。教育を学校まかせにするのではなく、家庭で教えるべきことをきちんと家庭で教える親の責任感、親の誇りも、子供たちの心に写るはずです。また、こうした習慣作りには地域全体での取組みが欠かせません。私はいつも「絆」という言葉で呼んでいるんですが、この家庭・地域・学校の取り組みの連携、すなわち「絆」が、教育の再生には絶対不可欠です。今の日本の教育環境において、最も深刻な問題は、この「絆」が失われてしまったことです。家庭だけでも、地域だけでも、学校だけでも、単独の取組みでは教育再生の効果は決して上がりません。ならば、その三者を結ぶ「絆」を生み出す役割を、政治が果たせないかだろうか。それが県政に挑戦する最大の動機です。
 主幹・田沼さんは街頭で歌っていますが、歌と政治についての考えは?
 田沼・私の政治への想いを訴えるときに、演説だけでなく歌に想いを込めて歌っています。歌には真情がこもっていなければ、聴く人の心には届きません。政治家も同じだと思います。どんなに言葉が美しくても、心がこもっていなければ、その政治家の言葉には意味がないし、人々の心には届かない。そんなことを考えながら心をこめて、歌っています。

 感性を高める歌心
 主幹・日本伝統の童謡には自然を描写した素晴らしい詩がたくさんあります。流行歌をどう思いますか。
 田沼・歌は、人々の耳を楽しませるだけではなく、心に沁みこんでいくべきものです。心を込めて歌わなければ、本当には人の心を動かせない。歌の美しさに感動することは、歌心に感銘することであり、他人の気持ちに共感できるということです。歌が情操教育になるゆえんです。さらに自ら歌うことにより、そうした感覚を自らの体で感覚することも、他者を思いやる想像力と感性を育てる上で、大きな効果があると思います。付け加えれば、歴史教育も本来そのように教えられなければならないと考えております。おっしゃる通り、日本伝統の童謡には素晴らしいものがたくさんあります。私も大好きです。その多くは日本の原風景であるさまざまな自然――我々人間も含めた自然や、故郷や老いた両親、あたたかで細やかな人間関係などを歌っており、懐かしさと優しさが日本人の心を打ちます。最近の流行り歌には確かに、そういう心の感じられない、残念なものもあります。しかし古典につまらない歌が少ないのは、長い年月の間に淘汰されてきたからであり、最近の流行り歌の中でもそのいくつかは残っていくものがあると思います。個人的には、最近「千の風になって」という歌に深い感銘を覚え、街頭でも歌っています。亡くなった方々は、実は私たちの周りにいるんだ、という感覚――すなわち、風の中に、光の中に、雪の中に、星の中に、朝の鳥の歌声の中にも、亡き人の存在を感じるという感覚は、原詩は英語だそうですが、私たち日本人の感性の深い部分を揺さぶるものです。先ほどお話した通り、歴史上の多くの亡くなられた方のおかげで今があると強く感じるようになったからです。目には見えなくても私たちの周りには亡き人がいるということを、あたたかく感じられる社会を創りたい、それが私の願いです。
 主幹・県政に挑戦すると聞いていますが、稲毛区は長年、自民党と民主党が独占しています。組織や地盤のない田沼さんは大変厳しいと思いますが…。
 田沼・私にとって勝つことは手段であり目的ではないということに尽きます。単に選挙に勝つことだけを目的と考えるならば、二大政党のどちらかに所属していたほうがいいに決まっています。ましてや定員2の議席に、現職の自民党と民主党の議員がいらっしゃる選挙区ではね。しかし、それで本当に改革がやれるでしょうか。できたなら、もっと稲毛は変わってきたのではないでしょうか。私が当選してやりたいと思っている改革は、既存の組織や地盤といったしがらみ≠ノしばられていてはできないことです。そうした既存の組織や地盤の応援で当選したとしても、それが本当に稲毛や千葉のみなさんの為になるとは私には思えません。むしろ、稲毛と千葉を本当に良くしていきたいと思っているみなさんと、新しい組織や地盤というものをつくっていきたい。
 主幹・教育以外にどんな政策を掲げられますか?

 政務調査費の公開
 田沼・私のスキルを生かすという意味では、行財政改革です。たとえば、千葉県議会議員の政務調査費が公開されていないという事実を、多くの方は知らないと思います。議会がオープンかつクリーンでなくて、どうして行政をチェックできるのか理解に苦しみます。これが民間の企業で働く、普通の会社員の感覚ではないでしょうか。田沼が県会議員となったあかつきには、行財政に対して徹底したチェックを行うと確約します。
 主幹・長時間ありがとうございました。

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主張 情報公開制度を活用し監視を厳しく
あかひげ(仮名)
昨年10月鶴岡千葉市長が夫人同伴で姉妹都市のスイスのモントルー市を公式訪問する記事が報道された。三須議長、市職員3名、1週間の日程で、総費用は約727万円とのこと。
 ちなみに、関係機関の千葉市国際交流協会主催の青少年交流事業では3姉妹都市(ノースバンクーバ、ヒューストン、モントルー)で高校生、中学生それぞれ5名ほどの受入2回、派遣2回の合計費用は400万円弱。これに比べると、今回の市長達の訪問は大名旅行だ。千葉市は7つの姉妹都市に、市長、助役、議会幹部達で過去20回ほどこうした訪問をしているが、姉妹都市締結では最も古い姉妹都市南米パラグアイのアスンシオン市は観光がないのか一度も訪問していない。
 また、市民オンブズ千葉が鶴岡市長に対して市長夫人の公費負担の返還、費用明細の公開及び旅行者全員による報告会開催要望したが、市議会では自民、公明、新政五月会等の多数派の反対で否決された。
 朝日新聞によると、こうした姉妹都市の市長夫人同伴訪問しているのは14政令指定都市の内、横浜、名古屋、京都、大阪、堺、神戸、広島、北九州の8市はこうした事例はない。札幌、仙台、さいたま、川崎、静岡、福岡の各市では自費で、千葉、静岡と福岡のみ公費負担になっている。
 この姉妹都市の所管は千葉市国際交流協会。年間予算約1億円のうち、千葉市から毎年約7500万円の補助金が支給されている。職員は常勤役員1人、非常勤役員17人、職員12人(常勤7人内3人が市の派遣職員、非常勤5人)で、人件費が6千万円以上である。
事業支出はわず1200万円で無駄な人件費が支払われていることは明白だ。
 我々市民は安全安心と健康で快適な生活を期待して千葉市や議会に行政を全面的に委託しているが、こうした市長のモラル、外郭団体のずさんな経営、持たれ合いの大会派の市会議員のモラル等は我々市民の感覚と大きくかけ離れている。
 特に前述の公費による市長の夫人同伴旅行は今後断じて許してはいけない。市民も、マスコミも反対しているにも拘わらず、強引に実行して、出張報告は大会派議員を巻き込んで蓋≠するのは論外である。
 こうした問題は我々市民にも大いに問題がある。
 我々市民に出来ることは当面行政に厳しい目(監視、監査)を向けることです。
身近な方法として情報公開制度≠ェあり、誰でも利用することが出来る。千葉市はこの利用件数も残念ながら政令市政都市の中では一番最低だ。
 千葉市中央コミュニティセンター2階の市政情報室に行けば、各種情報がいつでも閲覧出来るし、インターネットでも閲覧出きるものもある。しかし、これらの公開されている部分は基本情報であり、核心部分は結構隠れていて、公表されていないのが実情だ。
 情報公開制度で要求すれば市長、議員、担当部署に必ず情報が伝わる。この制度を積極的に活用して行政の責任者たる市長、議員の言動に厳しく目を光らせることが大事である。市民の監視の目を強くしていけば徐々に行政の格差が解消されるはず。

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2月の倒産情報
負債総額20億円
 東京商工リサーチ千葉支店がまとめた2月度の県内の企業倒産情報によると、件数は30件で負債総額は20億5千700万円。先月より17件増加し負債金額は前月より59・1%減となった。
 今年の1月から2月までの負債総額は70億8千900万円で、前年比同期と比較すると18・9%の11億3千万円増となっている。

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