155,000部発行
2007年3月8日
通巻第126号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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星霜録
 1面の記事を書き終わった翌日、一般紙で「千葉市が互助会に対して1億円余を請求する」と報道した。本紙の取材中にこれはまずい≠ニ感じたせいか、異例の速さで記者発表した▼千葉市(大家)が中央コミュニティセンターの一部を市職員互助会(店子)にタダで貸していた余分なフロアを市や企業に又貸して家賃を何十年もタダ取りしていたというのだから呆れる。互助会は市民とは何の関係もない任意団体である。本来は、公有財産であるから互助会から家賃を取ってしかるべきである▼このような理不尽な市政を長年見過ごされてきたのは代々の助役が互助会理事長を務めていたことにも原因がある。監査委員にも当然責任はある。行政をチェックする筈の市会議員も鈍感力≠ェ抜群のようだ▼市議会には年間1人1700万円も報酬を貰う輩が56人もいるというのに誰も問題にしなかった。月に30万円もらう政務調査費はこのような調査に使うべきだ。「市民オンブズ千葉」は無報酬で活動している。市会議員不要論が出るのも不思議ではない▼「市民オンブズ千葉」のお陰で、千葉市に予想もしない収入が入ることになる。大きな無駄を発見し市民に貢献した市民オンブズ千葉に「ご苦労さん、ありがとう」といって、報奨金を出して貰いたい気持ちだ▼財政が厳しい千葉市は増税はもとより、下水道やゴミの回収料金、保険料などを値上げし、市民に負担を求めるばかりだが、税金の無駄使いを再点検して欲しい(正)。

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稲毛新聞報道10周年企画 【事件の裏側・連載シリーズ】
「下山事件」の取材記者の裏話(最終回)
下山事件は日本敗戦≠フ混乱期に起きた事件だった。今まで3回にわたって稲毛新聞の読者にお伝えしたのは、事件現場の凄惨さ≠ナあり、繰り返し書いたように最大のナゾ≠ナある他殺か自殺かということは、あえて触れないできた。今さら、それを細かく報道しても、今や意味がないと考えたからである。
そこで、この下山事件≠フ最後の締めくくりとして、事件で示した人間下山≠フ深い悩みのいくつかを紹介して終わりとしたい。(文中敬称略)

事件の裏に隠された人間下山≠フ深い悩み
 GHQ(アメリカ総司令部)が下山に国鉄職員4万人の首切り≠示したのは、表面的には国鉄経営の合理化が名目だったが、実は当時、日本の労働運動の中核≠ニしてリードしてきた国鉄労組の切り崩しを狙ったものであることは明らかだった。
 下山にも十分にそれが分かっており、それだけにGHQと国鉄労組の板ばさみに苦しみ抜いていた。
 まして戦時中、国鉄職員を率いてビルマ戦線で鉄道敷設のため生死をともにした職員を、単に合理化という名目だけで大量に首を切ることなど、下山の性格として耐え切ることができなかった。
 いかに下山が悩んだのか、いくつかを紹介したい。
 ある日、下山は東京駅にあった鉄道公安室に、芥川室長(後に参院事務総長)を訪れた。職員首切りの悩みを話しているうちに、下山は机の上に出されたアイスクリームの、自分の分を食べ終わった後、無意識に芥川の前にあったアイスクリームも食べてしまって、ため息をつきながら話し続けたという。芥川は、下山の死後、この話をしながら「あの時の下山さんの苦しみが、手に取るように分かった」と述懐している。
 こんな話も残っている。
下山が無惨な、れき死体で発見された五反野の1軒の小さな旅館に、下山らしき人物が、ひとりでぶらりと訪れ「ひと休みしたい」と言った。遺体となって発見される前日の夕方である。
 この宿の女主人が、興味ある話を残している。
「とても疲れた様子でした。顔色もすぐれませんでした。『立派な紳士が…』と、不審に思いましたが、とにかく部屋にお通ししました。2時間か3時間ほどお休みになったでしょうか。お帰りになる時、今でも印象に残ったことがあるのです。靴をお履きになるので、靴べらを差し上げたら『いいよ』とおっしゃって、靴ひもを1本1本丁寧にゆるめ、上の方の4・5本を穴から抜いて足を入れ、また丁寧に靴のひもを締め直すんです。随分、几帳面な方だなと思いました」。
 この靴ひもの結び方は下山氏のくせ≠セったが、家族以外に知っていた人は、まず、いなかった。
 この話は、この人物が下山総裁だったことを裏付ける、有力な証言≠セったとも考えられる。
 ただ、下山総裁の心理を別の面から踏み込んでみると、なぜ、鉄道を愛し、国鉄職員のことを考えていた下山氏が鉄路を血で汚す死≠自ら選んだのか?
 死を選ぶなら別の方法もあったのではないかという点である。これも事件発生以来、自他殺両論の焦点の1つとされてきた。
 何者かによって、自分の意志でなく、死体となって置かれたという説。愛する鉄路≠フ上で死ぬという説。両方とも理解できないことではない。
 この事件では、警視庁の事件担当警部の1人(他殺説)が、本庁勤務から東京上野警察署次長に左遷≠ウれたり、いろいろ奇妙な人事異動が行われもした。
 下山国鉄総裁のナゾの死亡事件。その真相は結局、分からないままになってしまったが、戦後日本の混乱期に頻発した奇妙な事件∞何らかの意図によって起こされた事件≠フ1つの典型的なものとして、風化させてはならない。
  (下山事件・おわり)

  事件の時代背景
下山事件が発生した1949年(昭和24年)当時、中国大陸では国共内戦における中共軍の勝利が決定的となり、朝鮮半島は、38度線を境に共産政権と親米政権が、一触即発の緊張下で対峙していた。
このような国際情勢の中、米占領軍は日本を反共の防波堤と位置付け、高インフレにあえぐ経済の立て直しを急ぎ、いわゆるドッジ・ライン≠ノ基づく緊縮財政策を実施した。
 同年6月1日には、行政機関職員定員法が施行、全公務員で約28万人、同日発足した日本国有鉄道(国鉄)に対して、GHQは約10万人近い空前絶後の人員整理を迫った。他殺とも自殺とも結論を出せないまま、1949年(昭和24年)12月31日に「下山事件特別捜査本部」は解散した。

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学校物語 108 千葉市立越智中学校
4月15日に「チューリップ祭り」を開催
緑区の東部の、緑豊かな自然に囲まれた「千葉市立越智中学校」は昭和59年に土気中学校から分離開校した。
教育目標に「生きる力の育成」を掲げ、「思いやりと奉仕の心」「健康と鍛錬」「自主自学」「自然を愛する心」の4つの姿の実現に取組んでいる。
 全校生徒201人。今年度から千葉市教育委員会の指定校として「小中学校の連携教育」の進め方について先進的に取組んでいる。
 「地域の人や保護者の協力」「児童・生徒の交流」「教職員交流」が取組みが三本柱。実践活動は地域の人や保護者の協力を得て「チューリップ祭り」を行っている。近くにある「野馬の里」に千葉市の「花いっぱい運動」の協力で約3万個の球根を植えて、地域の人や保護者、同校の生徒たち、近隣の小学生たちが協力して花を育てる活動を展開している。今回はチューリップの色を揃えて植えるなど、美しさを強調するために全体のデザインを工夫し4月15日(日)に第3回目の「チューリップ祭り」を開催する。
 また、生徒同士の交流活動として、1月に「スポーツ交流」を行った。近隣の2つの小学校を訪ねてサッカーやバスケットボールの指導を実践。小学校の球技大会に合わせ練習試合も行った。
 さらに2月には、進路先が決定した3年生の生徒たちが「算数リトルティーチャー」として小学校を訪問した(写真)。この活動は、「過去の自分」に会うことで、3年生にとって今後の進路先での自己実現に向けた布石にもなっている。同じ2月には生徒会の企画で近隣の小学生が同校を訪ねたり、同校の生徒が小学校を訪ねて学校説明会が行われた。
 昨年の9月からは出前授業を開始し、同校の教師が小学校に出かけて6年生を対象に、「鉄砲伝来の真実」「数学ってなに?」「英語で遊ぼう」「体ほぐし運動」などの授業を実践した。
 今後も、小中学校連携教育の取組みを推進し、地域の人たちや保護者に信頼される学校づくりに励みたいとしている。
 実践活動の成果や課題について、7月に発表会の開催を予定している。
【浦野美智子】

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市民ガイド
日本フラワー&ガーデンショー
「花と緑」に関する国内外の花と園芸に関する商品と情報の総合ショー▼会期・3月23日(金)〜25日(日)10:00〜17:00(最終日は16:00迄)▼日本コンベンションセンター(幕張メッセ5・6ホール)▼入場料・700円(中学生以下無料)*前売入場券500円▼主催(社)日本家庭園芸普及協会▼C03-5919-4674・FAX03-3341(事務局)

千葉市美術館
「第38回千葉市民美術展覧会」▼会期・3月3日(土)〜3月23日(金)▼開館時間・10:00〜17:00(金、土曜は20:00まで)▼休館日・第一月曜*入場無料▼作品内容・千葉市美術協会会員及び公募入選作品。日本画・洋画・彫刻・工芸・書道・グラフィックデザインの7部門▼問い合せ・C221-2311

千葉県立美術館
(1)「浅井忠・フォンタネージとバルビゾン派」3月10日(土)〜3月31日(土)(2)「富取風堂」3月10日(土)〜4月15日(日)(3)「新収蔵作品展」3月10日(土)〜5月6日(日)(4)「書の美」3月10日(土)〜5月20日(日)▼開館時間・9:00〜16:30▼入場料金・一般300円、高・大学生150円、中学生以下・65歳以上無料*休館日・月曜日(但し月曜が祝日の場合は開館し翌日休館)▼問い合わせ・C242-8311

第37回歴史講座
「人間魚雷回天と黒木博司・仁科関夫少佐」▼日時・3月11日(日)14時30分より▼会場・ちば中央コミュニティセンター▼講師・日本政策研究センター主任研究員 岡田幹彦氏▼会場・千葉中央コミュニティセンター5階51講習室*会費1,000円(学生無料)▼主催・日本の心を育む会 C241-6104(担当・金子一之)

変わりゆく気候と水資源
「渇水対策のための人工降雨・降雪に関する総合的研究」公開シンポ▼日時・3月24日(土)13時受付・13時30分〜16時40分▼会場・幕張メッセ▼主催・「人工降雨・降雪」事務局気象庁気象研究所*参加費無料・定員120名▼講演1・「日本における水資源問題」山本聡(国交省水資源調査室室長)講演2・「国内外の人口降雨・降雪の取り組み」村上正隆▼ディスカッション・「人工降雨・降雪は渇水対策の決めてになるのか?」▼問合せ先・C029・853・8536

花光ランチタイムコンサート
▼日時3月16日(金)12時お食事、12時半開演★2,500円(お食事、お茶つき)▼演奏・ソプラノ前田地香子/ピアノ笠原純子/トランペット酒井清志▼曲目♪愛の小径・君がほしい他▼問い合せ・C271-0002(花光)

日独交流音楽祭ソリスト募集
2008年にドイツで開催の「日独交流音楽祭」にソロ出演希望の才能あるヤング・ソリストを募集▼対象・10歳〜25歳のピアニストと16歳〜35歳の声楽家▼選考会07年1月〜4月上旬、会場は全国20都市。選ばれたソリストには当協会よりドイツ渡航費全額支給。▼問い合わせ・ハラヤミュージックエンタープライズC03-3587-0218まで

ギャラリー古島
▼「一枝の桜花 写真展」約40種類の桜の写真と由来を紹介します3月9日(金)〜19日(月)*3月15日休廊▼
「田岡瑛子 油彩画展」3月23日(金)〜28日(水)▼「佐野猛・曜子 ガラス展」3月30日(金)〜4月9日(月)*4月5日休廊▼問い合せ・C243-3313

かいやま由起と千葉門下生コンサート
▼日時・3月16日(金)14時開演▼会場・千葉県文化会館小ホール▼入場料・3,500円▼問い合わせ・C433-2890・携帯090-2319-5666(渡邊)

こみなと稲毛ギャラリー
▼3月6日(火)〜11日(日)「千葉二紀会春季展」絵画▼問い合せ・会場申込みTel252-4713こみなと稲毛ビル5階(JR稲毛駅徒歩1分)

話し方教室 生徒募集
▼期間・19年4月〜9月(1)昼=第1、3木曜15時〜17時(2)夜=第13火曜18時30分〜20時30分▼場所・千葉中央コミュニティセンター▼月謝・1,500円・テキスト1,000円▼お申込み・千葉話し方友の会(足利)C232-5072

UCCコーヒーフェスタ
UCCが地域の皆様に格安のサービスを▼日時・3月17日(土)10:00〜17:00雨天決行▼内容・レギュラーコーヒー・缶コーヒー・業務用食材・他洋菓子各種etc▼はがき持参の方に粗品プレゼント▼稲毛区小仲台6-8-1ユーシーシーフーズ(株)▼問い合わせC287-1000

歌謡18番塾生募集中!
アドバイザー橘みどり(キング)カラオケ練習見学・体験OK随時受付▼毎週木曜18時〜20時▼稲毛サティ文化ホール▼申込C03-3650-0555

カルチャーセンター稲毛 生徒・教室利用者も募集!
会議・研修会にもどうぞ。ステンドグラス、マミフラワーデザイン、トールペイント、英会話、油絵、書道、ろう造花、手書き染め等。問合せはC244・3989【無料建築相談会】初めての家づくりプランニングから業者選び、資金計画まで▼日時・3月31日(土)午後1時〜3時▼問い合せ・アイム設計C244・3989

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今月の人 感性のままに、良い作品を描いていきたい
画家・遠藤鋼児さん 44歳
花見川区幕張本郷にお住まいの画家・遠藤鋼児さんは長野県出身。
子どもの時から絵を描くことが好きだった遠藤さんは20代の頃に渡米。カフェテリアで描いていた似顔絵が評判になり、肖像画や静物画の絵を描く生活を続けた。帰国後、本格的に絵の勉強を開始し、独学で印象派の風景画などの研究を重ねた。風景画の他にも、抽象画など様々なジャンルに挑戦して描き続けた。
水彩画や油絵、アクリル画など、表現方法も多彩だ。10年ほど前に長野県のギャラリーで初めての個展を開催して以来、千葉や横浜や都内などで、年に数回、個展の開催を続けている。昨年は、都内の青山と阿佐ヶ谷のギャラリーで個展を開催し、好評を得た。
写真のように見える静物画や肖像画、南米を思わせるような赤・青・黄色などの鮮やかな色彩を使った風景画や抽象画、可愛い猫や犬と遊んでいるような気分になる日常の生活を描いた絵、今にも楽しい音楽が聴こえてくるような楽器を配した抽象画など、個性にあふれた絵は観る人を魅了する。
また、数年前には、都内で開催しているジャズフェスティバルのイメージに合わせたオリジナルデザインTシャツの製作にも取組み、美術と音楽の融合にも挑戦した。最近は、市内の森のような広い公園が気に入り、公園の風景や人をテーマに描くことが多いという遠藤さんは「今後も、自分の思いのままに、描きたいものを自由な気持ちで描いていきたい。見たものそのままではなく、内的な世界や精神的な世界を表現して描きたいと思う。感性のままに、自分で満足できる良い作品を描き続けていきたい」と情熱的に語った。
5月23日から28日まで、都内錦糸町の「ギャラリー山下」で個展を開催する予定。
【遠藤さんのホームページ】 http://kojiendo.com/ 
【取材・浦野美智子】

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花の道  川島 正仁
第4部 逃げていく仕事 飛び込んでくる仕事(1)
 そんなある日、昔のガイド仲間だったYから電話があった。
「川島君、今エクアドルでイカ釣りの仕事をしているのだが、ひとつ仲間に加わらないか」早速エクアドル友好協会に赴いた。
 この財団法人の名誉会長には、さる中堅の代議士がなっていた。そしてE事務局長に会った。なかなか頭の切れる人だ。イカは海産物の中でも日本人にとつて最も好まれる産物の一つだ。その需要は多い。
 日本においては魚介類の中で、一番消費されているのがイカだ。ましてや日本の近海でとれるのは、その需要の何分の1にも満たない。当然外国からの輸入、あるいは遠洋漁業に頼るしかない。
 現在ニュージーランド産がかなり入荷されているが、その漁獲の許可を取るために政府に払う税金がハネあがって採算が合わないという。したがって大型イカ釣り協会では他の漁場の獲得に力を入れているという。そこで同協会がエクアドルの政府と接近し、ようやくエクアドル近海でのイカの漁獲量調査に成功したというのだ。今度第2回目の調査船を派遣し、これによって正式に協会からの船団を送るという。話としては実におもしろい。
 私は早速ガイド業を一時中止して、協会の職員となった。私の仕事は書類の翻訳が主であった。
 現地の新聞の日本語訳、そしてこちらからのエクアドル宛ての手紙の作成であった。
 エクアドル政府と常時コンタクトを維持するためにT氏、K氏の両名が首都キト市のアパートを借りていた。そこから最新の情報を送ってくるのだ。いずれもY氏の友人である。イカ釣りの協会からも融資金が出て、あとは調査船の出航を待つだけだ。その時キトから連絡が入った。
 クーデターの勃発だった。大統領は亡命した。我々はまったく新しい大統領とはコンタクトがなかった。彼らは何をやっていたのか?今頃になってこんな情報を。もっともっと接近していれば事前にわかったのに。T君はスペイン語を話すのだが、会話程度のものだし、K氏はほとんど話さない。彼はもともとイカ釣りの船員だった。
 その経験が買われたわけである。E事務長は私にこう言った。
「川島君、君に全責任を与えるから、私の代りにエクアドルへ行ってくれ。そして政府の高官と会ってなんとかこの話をまとめてくれ」急にこんなことを言われても私の力ではどうしようもないだろう。まさに神頼みだ。私もエクアドルは初めてだ。しかし捨てるものは何もない。いい経験にもなるだろう。
 出張経費は本人が負担するしかないが、協会にはもう何も残っていなかった。キトのアパート代も滞っているという。  (つづく)

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