130,000部発行
2020年8月7日
通巻第287号
年間郵送購読料3,000円
発行責任者/佐藤 正成
発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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姉妹の遺産を狙う妹の夫
通帳・印鑑を持出し、貸金庫を解約
公正証書遺言により資産家の長姉の遺産を相続した次姉を囲い込み、その財産を狙った静岡県在住の男が、遺言執行者である若葉区内の男性に自分たちの取分があるはずだと迫り、相続手続きの状況を知らせるよう迫ったり、遺言執行者の代理人として金融機関での手続きを行った行政書士の男性に対しても威圧的な電話をかけたり、守秘義務のある行政書士が事情を明かさないとみるや、行政書士会に理不尽な苦情を申し立てたりしていたことが、本紙の取材で明らかになった。長姉が健在の時は長姉を無理やりに銀行に連れて行って強引に貸金庫を解約して内容物を隠匿したり、相続した次姉を言葉巧みにだまして遺言執行者と連絡させないようにするなどの悪質さだ。男は弁護士を立てて遺言執行者と行政書士に圧力をかけたものの、弁護士が行政書士からの情報提供で異変に気付いたことから、女性の財産は守られる見通しとなった。
財産を隠し、弁護士を担ぎ出す
遺言執行者の男性は姉妹の親戚筋にあたるが、亡くなった長姉は晩年施設に入所していたおり、二番目の妹の夫である男をまったく信用しておらず、通帳や印鑑を自宅に置いておくのは男が持ち出す危険があるとして、信頼するこの男性にすべてを預けていた。
通帳や印鑑がないと財産を把握できないことから、男は男性に対し「なぜ通帳と印鑑を預かっているのか、引き渡せ」と、再三にわたり要求していた。
結局、長姉の財産は全部を次姉に相続させるとの内容の公正証書遺言を作成して遺言執行を男性に託し、昨年亡くなった。遺言執行者の男性から手続きを依頼された行政書士が調査したところ、遺言に記載のある生命保険が関係者に知らされないまま解約されていたり、多額の預金が引き出されてどこかに送金されていたりと、不自然な状況が次々と明らかになってきた。
男性と行政書士は相続財産が男の手に渡ることを恐れ、男に把握させないために次姉名義の新たな銀行口座を開設し、現金をそこに入金する手段をとったところ、手続きは終わっているのに男の手元にある次姉名義の通帳には一向に入金の記帳がされないことから、男は行政書士に問い合わせたものの、守秘義務を理由に事情を知らされることはなかった。
次に男は次姉自身に行政書士に電話させたものの、そばに男がいることに感づいた行政書士は次姉にも事情を話すことはなかったという。次姉は男を完全に信用していたわけではなかったことから、新しく口座を作ったことを男には知らせてはいなかった経緯がある。
男とその家族は行政書士会に事情を教えてもらえないと苦情を申し立てたが、相手にされるはずもなかったことで、こんどは次姉に無理に弁護士を立てさせ、行政書士に事情を明かすよう連絡させるに及んだ。次姉の財産を守るために行動している遺言執行者の男性と行政書士に、次姉の代理人の弁護士が事情を聞くという奇妙な構図が生まれた。ところが、次姉の立場に立つ弁護士は行政書士から事情を明かされたことで男の言動に不信感を持ち始めた。
遺言執行者が相続手続を開始したのを知りながら、解約された貸金庫に入っていたはずの亡くなった長姉名義の不動産の登記済権利証や銀行口座の通帳を隠匿し続け、あとから弁護士に提出したこともあって、弁護士は男を警戒するようになったものと思われる。行政書士の調査はまもなく終了する見込みであり、男の様々な悪行の証拠が出てくるものと思われるが、この弁護士が次姉の財産を管理する方向で調整している。
男は財産が次姉のもとにさえくれば、そのあといいようにする腹づもりでいたところ、次姉を守る立場の弁護士が財産を管理することになることで、完全に思惑が外れることになった。調査の結果次第では、この弁護士が男に対して法的手段を講じる見込みである。
大手製鉄関連会社でコロナ隠し?
超過勤務手当不支給も常態化
県内西部の市にある大手製鉄会社の関連子会社が数社同居している職場で、従業員に新型コロナ感染症陽性者が出たにも関わらず、十分な対応をとらないままでいることが明らかになった。
一棟の建物の中に複数の会社が入居しているというよりも、同じ会社の異なる部署が入っているとの表現が適切な間仕切り状況の中で、陽性者が出た会社内のエリアのみに注意喚起を求める張り紙をしただけで、他の会社には通知しないままでいるばかりか、保健所から「マスクをしていれば濃厚接触者に該当しない」と指導があったとして、自宅待機や全員のPCR検査などの積極的感染防止対策を、自社の従業員に対してすら行なっていない。同一建物や同一敷地内の他社への通知や来客への周知を行なっておらず、およそコロナ対策を行なっているとはいいがたい極めて無責任な状況だ。
そのような状況の中、親会社の代表者が視察に来る予定があったことから、本紙が千代田区の本社に照会したところ、「役員の動向は外部に発表していない、お話の向きは把握していない。」との回答であった。
また、雇用契約内容を従業員に配布しておらず、就業規則や賃金規定を定めていないか従業員に示していないし、残業代や夜勤手当がまったく支払われていなかったり、在籍出向者の賃金が理由も示さずカットされたり、コロナ休業についても有給休暇の取得を求めるばかりで、断る従業員には「雇用調整助成金を申請する予定はないから、有給を使わないのであれば給与を6割しか払わない」と脅してくる始末だという。有名大企業の関連子会社であるのに労働組合がないことについて、組合結成に動かないタイプの従業員しか採用しない方針であるらしいというから、事実なら「ブラック」も甚だしいとしか、言いようがないだろう。
本紙への相談者は、何らかの手を打つとしているから、今後の推移を見守っていきたい。
台湾の元李登輝総統の死を悼む
故・元台湾総統李登輝氏
「台湾民主化の父」と呼ばれる李登輝元総統が7月30日に97歳で死去した。日本統治時代の1923年に台北県生まれた。日本時代は岩里政男という名前で京都帝国大に学び、学徒出陣も経験した。
1971年に国民党入党。台北市長、台湾省主席などを経て、1988年に総統に就任。戦前から台湾に住む「本省人」としては最初の総統に就任した。
以後、本格的な民主化に着手。43年間続いた戒厳体制を最終的に終わらせ、憲法改正や終身議員の退職、立法院(議会)改選、総統の住民直接選挙の導入など、次々に改革を進めた。
外交面では「中華民国(台湾)は中国全土の正統政権」という建前から転換し「現実外交」を展開した。 台湾と中国を特殊な国と国の関係とした「二国論」を提起。中国は李氏を「台湾独立派」の中心人物とみなし、さまざまな圧力をかけた。とりわけ1996年に住民直接選挙となった総統選に勝利した。
李登輝学校で大変お世になった李登輝氏のご冥福をお祈りするとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。稲毛新聞・佐藤正成。
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