155,000部発行
2006年7月7日
通巻第118号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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星霜録
先月、東京代々木の日本青年館で、ミュージカルふるさとキャラバンが演ずる「地震、雷、火事、オヤジ」の公演を観させていただいた。追って詳しく紹介するが、10月に千葉市でも公演される。このミュージカルの公開はNHKの首都圏ネットワークでも紹介され、総勢50人以上の男女で演ずる舞台は圧巻であった▼ストリーは、ある田舎の消防団団長を主人公に、火事はもちろん消防演習、村で起こる様々な出来事や人間模様を面白く演じ、オヤジ役の消防団長のもつ、指導力や統率力、権威を改めて考えさせられた▼昔から怖いものの例えに「地震、雷、火事、オヤジ」という順番があり、オヤジは4番目に怖い存在だった。現代は「地震、雷、火事、女」だとある人が言ったが、オヤジより女の方が怖い存在である。女性が強くなったのか男性が弱くなったのか分からないが、オヤジが怖い存在でなくなったことは確かである▼最近テレビで「カミナリオヤジ」を捜し歩いている番組があったが、ほとんどの人は「今時、雷オヤジはいない」「雷オヤジの元では今の若い人は働かない」と答えていた▼日本古来のものづくり文化や家庭の躾は怖いオヤジの存在があったから守られてきたともいえる。今の子どもたちはオヤジより、母親が怖いという統計もある。家庭、地域、国を守るのは男の仕事でありオヤジの力である。平和で男の存在が薄れている。これも「DV法」という表現を規制した法律の影響なのか。(正)

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稲毛新聞報道10周年企画 【新連載】
報道されなかった事件の真相の裏側
当選したのに、もらえなかった5千万円の宝クジ賞金 1
 よく記事は「足で書け」と言われますが、まさに、そのとおりで思いがけないこと≠ェきっかけで天下を揺るがす°L事が生まれることがあります。それが、また読者に喜んでいただけると思うと書く方も喜びが大きいものです。
 稲毛新聞は9月で創刊満10周年を迎えますが、新企画シリーズとして特ダネ≠ェ生まれた裏側、記事にできなかった特ダネ≠ネどをご紹介します。
 とくに、稲毛新聞だけでなく、広く日刊紙の記者たちからそっと℃謐゙した、興味津々の裏話も連載します。ご愛読いただければ幸いです。

平成13年4月、日本中の新聞・テレビなどに報道され、大反響を巻き起こした稲毛新聞の特ダネ「5千万円宝クジ事件」の真相を紹介してみたい。
 平成13年2月のある日の夜、筆者は友人と待ち合わせるため、行きつけの飲み屋で飲んでいた。
 ふと、近くで2人の男の交わす会話が、聞くともなく耳に入った。
「そう言えば、俺、えらい損をしちゃったよ。高額の宝クジがたっていたのに、もらえなかったんだ」
「どういうことなんだ?それは…大事件じゃないか」
さらに偶然なことに、この愚痴?をこぼしていた山川さん(仮名)は、日ごろお世話になっている知人でもあった。 
 さっそく山川さんの席に移って「山川さん、今の話、どういうことなの。本当に宝くじが当たっていて、その高額当選金が不明のままもらえなかったっていうなら大事件じゃないか」「もう、済んだことだから諦めたよ」と、彼は話すのを渋っていたが、「高額当選券のレシートが証拠としてあるんだから、コンピュータに記録が残っている筈だ。私が第一勧銀に取材してみます」という姿勢に、山川さんは取材協力を約束、高額当選のレシートのコピーを渡してくれた。
 早速、東京大手町の第一勧銀本店を訪ね、レシートの日付や時間番号をもとに、高額当選とは一体いくらなのか調査して欲しいと依頼した。
 「金額は調べれば分かるが、第三者のあなたに教えるわけにはいかない」と第一勧銀の冷たい反応。
 「それじゃ直接、山川さんに、いくらの当選金額であったか連絡してもらいたい」「ハイ、一週間くらい調査する時間が必要だが、分かれば山川さんに連絡します」「それにしても山川さんに菓子折りや8万円とどけて知らんふりしているのはおかしいではないか」
「それは存じませんが、本人から申請がない場合は原則として調査しないことになっています」
 後日、山川さんから電話が入り「五千万円当たっていた」と報告があった。
 これは大事件だと感じて、徹底的に調べた。その取材先は総務省、第一勧銀はじめ、東京都公債課など10数カ所に足を運び、約2ヶ月間取材した。そして稲毛新聞平成13年3月号に掲載する予定になっていたが、山川さんの家族から「恥ずかしいから報道しないで欲しい」といわれ、やっと説得し4月号の1面トップで「消えた5000万円ジャンボ宝くじの怪」という見出しで報道した。

 毎回購入していた
宝クジマニア≠ニ言ってもいい山川さんは、宝クジが発売されると、まとめて100枚とか200枚買うのを常にしていた。その時も発売された「サマージャンボ」を100枚まとめて買った。そのサマージャンボ宝クジの抽選は平成12年8月16日に行われたが、当り≠ノ縁遠いと決め込んでいた山川さんは、22日になって「そうだ、この前の宝クジを調べてもらうのを忘れていた」と、宝クジを買った稲毛海岸の「万葉軒チャンスハウス」に宝クジを持参して調べてもらった。
 山川さんが、ここで買った宝クジは50枚だったが、他の売り場でも50枚買っていたので、合計100枚の宝クジを持参して機械で調べてもらった、売り場の女性が調べてくれたが、この時、「今日は、いやに念入りに何回も調べているな」と思ったという。 結局100枚のうち、3300円が1枚、300円が9枚当たっているということで、合計金6000円をありがたくいただいた。売り場の女性が「外れ券はどうしますか?」と言ったので、「外れ券を持って帰っても仕方がないから、処分して…」と言い残し帰宅した。
 ところが!である。帰宅後、何気なくレシートを見ると高額当選券1枚あり≠ニ記載してあるではないか!しかも「高額当選券はお返しします」と印刷されていた。これは、えらいことだ≠ニ翌日、売り場に行き、レシートを売り場の女性に見せて「どういうことなの。当り券なんか返してもらってないよ」「あら、こんなレシートあったかしら。昨日の外れ券はゴミ箱に捨てたから、まだ残っているかも知れないわ」と言って探したが、その時はすでに、ゴミ収集車が来て、ゴミをみんな車に積み込んで持っていった後だった。
 こうして、みすみす5千万円の賞金を手に入れることができなかった。
 これが天下≠騒がせた「5千万円ジャンボ宝クジの怪事件」報道の発端である。取材を開始すると奇怪な事実が次々と判明した。まずサマージャンボ宝クジ≠フ前後賞合わせて3億円の大当りは、よりによって千葉市内から2本も出ていた。西千葉の「西友チャンスセンター」と稲毛海岸の「万葉軒チャンスハウス」。山川氏は「万葉軒チャンスハウス」で問題の宝クジを購入していた。
 宝クジ売り場の管理者は「当り券はお客様に返したと、売り場の者が言っている」と言いながら事の次第≠抗議した山川氏に8万円を届けたり、宝くじ券を配送・回収業務を請け負っている仲介業者が山川氏に「菓子折り」を届けたり、さらに本紙の取材に対しては、弁護士と称する人物から、本紙に「この件は決着済みだから取材をやめてほしい」「あなたは何が欲しくて、この取材をしつこくするのか」と、まるでこちらが悪いかのような応対に出た。この事実を稲毛新聞はありのままを報道した。
 稲毛新聞をみた千葉の共同通信の記者から問い合わせがあり、全国の地方紙が一斉に配信され報道された。毎日・読売・産経・日経・夕刊フジ、各スポーツ紙は言わずもがな、週刊誌・各テレビ局のワイド番組の中でも放映されるという一大事件≠ニなった。
 ローカルのミニコミ新聞の報道した事件が、このような大反響を起こしたのは空前絶後≠ニ言っていい。
 その後、山川氏は売り場を相手に提訴したが、残念なことに肝心の当り券≠フ行方が突き止められず、高額当選券のレシートだけでは五千万円は受け取ることができなかった。
 裁判では、売り場側の過失を認め、「ほんのわずかの慰謝料(山川氏)」で一件落着となった。
 この事件で一番損したのが売り場の「万葉軒」であろう。事件が発覚してから山川氏に8万円支払い、さらに依頼した弁護士費用、加えて、裁判で負けて慰謝料まで支払わされた。
 一番得したのは未換金が入る地方自治体である。山川氏は訴える相手を間違えたといっていい。
 5千万円の未換金は国や千葉市に入る。都道府県知事や政令市長が運営する「宝くじ協議会」と宝くじ券を卸している中間業者を訴えるべきであった。中間業者は小額当たり券や、外れ券を回収しているが、なぜ「菓子折り」を届けたのかを疑問視すべきである。
 万葉軒の売り場は経験が浅く、この事件が発覚してから、中間業者にいろいろ相談したという。当たり券の機械管理は業者が行っているが、高額当選券が出ないように、どのようにも操作することも可能だ。これを筆者は重視している。うがった見方をすれば、もし、この事件が表沙汰にならなければ、その当たり券がどこかで期限までに換金されていたかも知れない。
 この「宝クジ事件」、スッキリしないまま終着を見てしまった。筆者にとって一生忘れないであろう特ダネ記事であった。 【佐藤 正成】
※ 次回は「三越の千葉進出の裏話」を紹介します。

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学校物語 100 千葉市立小中台中学校
体験学習で本物に触れる楽しさを味わう
 稲毛区小仲台の閑静な住宅街にある「千葉市立小中台中学校」は、昭和22年に創立した伝統校。学校教育目標に「自ら考え、正しく判断できる生徒の育成」を掲げ、「他を思いやり行動できる生徒」・「最後まであきらめない生徒」の育成に努めている。全校生徒648人が学んでいる。
 5年ほど前から、総合的な体験学習として「水後(すいご)タイム」を開催している。水曜日の午後の2時間、教師たちが中心になって企画をした様々な講座を生徒たちが自主的に選択をして受講するシステム。日常的に体験できないワクワクするような体験を、教師をはじめ、保護者や地域の人たちの協力で実践している。「水後タイム」の講座は、1年間で約300講座を実施。千葉マリンスタジアムで開催する「プロ野球観戦」や、両国国技館での「大相撲観戦」、アクアリンクちばでの「アイススケート体験」「谷津バラ園見学」「千葉市動物園見学」「近隣の寺社を訪ねて古いものを見つける旅」「地震体験車での体験」「茶道」「フラワーアレンジメント」「陶芸」「和菓子づくり」「そば打ち」「竹で炊くごはんづくり」「健康気功」など、外に出かけて活動する講座も多く、生徒たちは積極的に参加した。
 6月には、千葉大学に出かけて授業に参加して大学生と討論をしたり、学食で試食するなどの「千葉大キャンパスライフ体験」、千葉地方裁判所見学、ヨット講座、ギター講座、スペイン語講座、テレビ局のプロデューサーによる出前授業など、日頃は体験できない様々な体験学習に挑戦した他、保護者会企画のサマーコンサートでは、コーラスのコンサートを聴いた。本物に触れる体験学習「水後タイム」の講座は単位制で、年間15単位取得を目標に、生徒たちはいきいきと熱心に取組んでいる。同校では今後も、生徒たちの自主性や判断力を育て個性を伸ばすためにも「水後タイム」の企画・実践に力を入れたいとしている。毎年10月に開催している文化祭「オクトーバーフェスト」では、生徒たちの合唱コンクールを行い、保護者や地域の人たちから好評を得ている。部活では、野球部や陸上部、バスケット部、女子ソフトボール部、女子テニス部などが県大会に出場するなど活躍をしている。【取材・浦野美智子】

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市民ガイド
千葉市美術館
●第13回「世界こども図画コンテスト」展。62の国と地域から寄せられた51,000点を超える作品の中から入選作品を展示▼会場/千葉市美術館・市民ギャラリー▼会期/7月18日(火)〜23日(日)10:00〜18:00(金・土曜日は20:00、最終日は17:30まで。入館は閉館の30分前まで)▼入場無料▼主催・社団法人 家の光協会 読書・文化振興部 国井 TEL03-3266-9037 FAX03-3266-9337 E-mailmy.kunii@ienohikari.or.jp●イギリスの美しい本展。イギリスの本の歴史の紹介と、現代ブックデザインを展示▼会期/7月22日(土)〜8月27日(日)10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで。8月7日休館)▼観覧料/一般800円(640)高大生560円(450)カッコ内30名以上の団体。●スターよ永遠に「追善浮世絵展」江戸時代後半から明治時代の名優達を死絵と役者絵で紹介▼会期/7月22日(土)〜8月27日(日)10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで。8月7日休館)▼観覧料/一般200円(160)高大生150円(120)小中生無料。カッコ内30名以上の団体。同時開催の「イギリスの美しい本展」入場券持参者無料。▼問い合せ/千葉市美術館 TEL221-2311

2代目高橋竹山三味線演奏会
女性ならではの感性で昇華させた津軽三味線の演奏会▼7月16日(日)14:00〜▼会場/青葉の森公園芸術文化ホール▼3,000円(全席指定)▼問い合せ/青葉の森公園芸術文化ホール TEL266-3511

拉致問題の現状と解決への道
〜年内奪還に向かって!〜
▼日時・7月22日(土)13時30分▼会場・市民会館地下小ホール(中央区要町1-1TEL224-2481)▼会費・1000円(自由席、定員300名)▼講師・家族会事務局長 増元照明先生▼パネリスト・救う会事務局長 平田隆太郎先生▼総合司会・救う会千葉代表中村実先生(船橋市議)▼主催・千葉建国塾

日本語教師の話を聞こう!
第1弾はオーストラリアで日本語教師活動を経て、現在は国内最前線で活躍中の日本語教師が、勉強中のエピソード、オーストラリアでの体験、現在の活動などを語ります。要予約▼会場/EII教育情報研究所 千葉県支所▼7月17日(月・祝)14:00〜16:00▼参加費/500円(税込)▼予約・問い合せ/全国日本語教師会 TEL213-6066

第2回上級カウンセリング講座
(発達障害の理解中級)
自閉症・発達障害のサポーター養成講座▼日程・第1回7月8日(土)-第2回7月22日(土)-第3回8月12日(土)-第4回8月26日(土)-第5回9月9日(土)全5回講座▼開催場所・千葉市民会館(千葉駅より7分)▼費用1回3000円×5回計15000円▼問い合せ・NPO法人セカンドスペースTEL047・322・1257(成瀬)

看護職合同就職説明会
県内の病院に就職を希望している看護職有資格者を対象に、看護師などを募集している県内の病院が一堂に会し、就職説明会を開催▼7月22日(土)14:00〜16:00▼会場/JR千葉駅ビル6階ペリエホール▼参加費無料、当日参加可▼申込・問い合せ/県ナースセンター TEL247-6371

愛の血液助け合い運動
毎年7月〜8月は献血者が減り、血液が不足しがちになります。献血へのご理解とご協力をお願いします。▼問合せ・県薬務課 TEL223-2614
血液センターTEL047-457-0711

親と子の楽しいパソコン教室
パソコンを使って、オリジナル゛ジグソーパズル゛の制作▼日時:7月30日(日)13:00〜15:30▼対象:小学生とその保護者15組(受講料・無料)▼場所:国際理工専門学校▼申込方法:フリーダイヤルにて先着順に受け付けます。0120-498-593(稲毛区穴川3-8-11 国際理工専門学校)
ギャラリー古島
『増田泰子展-平面・立体-』(油彩)作家が各地の旅で心に残った風景をベースにした作品展▼7月7日(金)〜12日(水)問い合せ・TEL243-3313

ランチタイム・コンサート
▼日時・7月14日(金)12時お食事12時半開演★2500円(お食事・お茶付)▼演奏・アンサンブルリグラー(木管5重奏)ピアノ福田修、トランペット酒井清志♪曲目・美しき青きドナウ他▼問い合せ・TEL271-0002(花光)

カルチャーセンター稲毛 生徒・教室利用者も募集!
会議・研修会にもどうぞ。ステンドグラス、マミフラワーデザイン、トールペイント、英会話、油絵、書道、ろう造花、手書き染め等。問合せはC244・3989【無料建築相談】初めての家づくりプランニングから業者選び、資金計画まで▼日時・7月22日(土)午後1時〜3時▼問い合せ・アイム設計C244・3989


イベント案内
認知症介護のケアとキュア(講演会)
▼ 日時・7月16日(日)10時〜12時▼会場・稲毛サティ4階会議室(JR稲毛駅2分)▼テーマ・「認知症を介護するポイント」▼講師・総泉病院院長高野喜久雄氏▼入場無料▼問い合わせ・NPO法人グループホーム事業支援センターTEL228・3288(渡辺)。

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今月の人
第67代千葉市議会議長に就任した緑区選出
三須 和夫さん(57歳)
スピーディーで温もりのある開かれた議会を
  第67代千葉市市議会議長に就任した三須和夫市議を訪ね、議長就任の意気込みを聞いてみた。
三須氏は就任したばかりの6月の議会では滞納税額過少公表問題などの難題を抱え、かなりの紛糾も予想されたが原案通り33の議案を可決した。
また、議員発議では、貸金業について国に貸金業規制法改正を求める意見書を全会一致で可決し閉会。就任早々の初議会の議長職務を無事執り仕切ったばかりの三須議長に議長としての抱負を伺うと『人と人をつなぎ人としての心を持ち、人をとらえること。そして、市民に対し温もりがあり常に開かれた議会であること。またその議決はスピーディーでなければならない』と。
また、この度の就任について伺うと、『市議会議員になって3期11年。諸先輩を差し置いてのこの人事には自分自身驚いています』と話す。 氏の今までの行動力をよく知る地元誉田の方々は複雑な思いもあるのでは。と話を向けると『私は、私を支え育ててくれた地元誉田の皆様の生活の向上のために、議会活動のすべてを捧げて参りました。そして、その考えは就任後の今も変わりません。誉田の三須から緑区の三須になり、もっと視野を広くして千葉市民の生活の向上を考える三須になるための機会を与えてもらったのかも知れない。千葉市のためにもっと働けということでしょう』と応じた。さらに氏は『私は結構幸運に恵まれている人間なのかもしれない。今回の人事もそうだが、もうすぐ完成するJR誉田駅の駅舎橋上化についてもとうてい不可能と当時思われていた、この構想も「街づくり支援事業法」が国により設置され、その補助金の交付こぎつけ千葉市議会で「誉田駅橋上化整備」が決定され今日にいたっている』と当時を振り返った。
氏が政治家をめざした原点は誉田駅橋上化と誉田駅周辺の再開発にあったという。そして、その駅舎の橋上化が完成するその時に千葉市議会議長への就任。きっと氏の今までの功績に対する神様からのプレゼントなのだろう。   【取材・ 中 村 孝】

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花の道  川島 正仁
第2部 サチコとの新しい生活 4
私達の結婚式は実におごそかに行われた。アルベルトの子供とクラウディアがサチコのウエディングヴェールの端を持ってくれた。 彼女はまだ言葉がよく理解できないこともあって、ことの他緊張していた。私も落ちついてはいたものの、何とも表現できない気分だった。私にとってはまるで映画でしか見たことのない世界だったので、まったく何をしていいかわからなかったが、アルベルトはそこは政治家、彼の秘書を私のそばにつけてすべての段取りを手際よく導いてくれた。このおかげで儀式は大成功に終わった。特に最後の場面でのグアダラハラの少年聖歌隊のすばらしい歌声は今でも耳に残るほど印象的だった。
 グアダラハラで最高級のカミノレアホテルに宿泊し翌日はハネムーンだ。私が選んだコースは太平洋岸を北に上っていくコースだった。ロスモチス、クリアカンにはやはり日本でガイドをしている時、知り合ったチャベス兄弟がいた。連絡をすると彼らは喜んで、さっそく現地のホテルをとってくれた。しかし彼らの紹介で我々が最初に訪れた場所はツスパンの安達さんの家であった。グアダラハラからバスで5時間の場所にある小さな町である。安達さんは終戦直後にメキシコに渡り、小さな金物屋を始めたが今では町でも有数の店となり、この町で安達さんの名前を知らない者はいないほどの名士だ。
 ここはエビで有名なところで、毎日カゴにいっぱい獲れたばかりのエビを入れてセニョーラが売りに来る。グラムでは売ってくれない。毎日毎日エビをおどりで食べたり、わざわざ私たちのために天ぷらにしてくれた。ここでは日本食はなかなか手に入らないのですこぶる貴重だ。奥さんは生粋のメキシコ人なので子供は日本語を話さない。どうしても言葉は母親の影響が大きい。しかしとてもまじめな青年で、親の仕事を立派に引き継いでいた。翌日はカモ猟に誘ってくれた。長男のホルへが連れていってくれる。朝5時に起きて外はまだ暗い。ワゴン車に彼の友人2人と乗り込む。暗い道の中をどんどん山側に走っていく。30分少し走っただろうか、空が何となく白んできた。「さあ、ここだ。ここで降りよう」ワゴン車を降りて、あとは畑の小道を歩いていく。そこはトウモロコシ畑だった。すでに実は刈り取られている。その時ザーザーと空がうるさくなってきた。
バヘ ラ カベサ シーゲ デ ノソトロス「頭を下げて、我々の後ろについてきて」ホルへはこう言いながら、エスコペタ(散弾銃)を片手に持ちながらひざをついてその音のする方向へと向かう。するとどうだろう、真上の空が急に暗くなったかと思うと、数千、いや数万羽のカモがトウモロコシ畑に舞い降りてくるではないか! (つづく)

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