150,000部発行
2005年10月6日
通巻第109号
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稲毛新聞
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主張・モノレール延伸と財政赤字
宮野木町 藤 本  豊
 千葉市はすでに1兆数千億円もの借金があるのに、モノレール延伸工事に巨額の税金を投入するという。モノレール会社への出資金26億円と貸付金102億円の債権放棄。新たな工事費に2百数十億円投入する。
 乗客は当初見込み14万人の3分の1の4万人台。延伸による乗客を市は8千800人と見ているというが、朝日新聞が関係者から取材した話によると、多く見積もっても3千人弱だという。工事に巨額を投入し、その後の経営管理に、また大きな赤字を生ずる事は目に見えている。
 土地開発公社も住宅公社も、その他の外郭団体事業もみんな失敗の大赤字。市の担当者は「モノレールは交通機関としてだけでなく、街づくりの核になる存在。高齢化社会での福祉向上のためだと理解してほしい」と話したそうだが、何でモノレールが街づくりの核なのか。何で高齢化社会の福祉向上のためになるのか。蘇我副都心とか扇屋跡地やセンプラ跡地、更に千葉駅西口の再開発と称して、超高層オフィスビルの建築を進めており、これらには数千億円の資金が投入される。『巨額の借金財政をどこまで続けるか』が問題である。そのうち景気が良くなれば何とかなる、などという甘い考えでは、取り返しのつかないことになる。目前に迫っている所得税・消費税の大増税。介護や医療の大幅自己負担増。介護施設入居には、食費と居住費月約10万円は必要。医療でも同じようなことが検討されている。年金制度も将来は破綻しかねない。その背景には国の借金1千兆円という重石がのしかかっているからだ。
 1千兆円をチャラにするためのハイパーインフレとか、風船のように膨らんだ国債の暴落などが巷間囁かれている。そういう事態になれば消費力は激減し、景気は落ち込み、借金大国の悲惨な生活を強いられることになる。モノレール延伸などという絵空事を考えている市当局は、国全体の将来や、市の将来をどう考えているのか。いくら借金を積み上げても心配ない、そういう見通しがあるならば、それを市民に説明すべきだろう。

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