Jリーグ ジェフ千葉の本拠地
千葉市に待望の国際基準の公式戦ができるサッカー場がオープンすることになった。その名称は「フクダ電子アリーナ」。医療機器専業メーカーのフクダ電子株式会社(本社・東京都文京区本郷=福田孝太郎取締役社長)が8月25日、命名権を取得、千葉市と正式に調印し、今後は「千葉市蘇我球技場」の正式名称が「フクダ電子アリーナ」(略称・フクアリ)として、千葉市の新名所となる。
10月7日に竣工式が行なわれ、同16日にオープンのこけら落しの試合として、ジェフユナイテッド市原・千葉対横浜F・マリノス戦が行われる。
県営スタジアムが頓挫して生まれた競技場
これまでにジェフユナイテッド市原・千葉がホームスタジアムとしてきた市原臨海競技場は、地方都市の陸上競技場を無理やりJリーグの開催基準に合わせたものであり、「試合が見づらい」「施設が不備」「交通が不便」という批判を余儀なくされてきた。とくに、交通については最寄り駅となるJR内房線五井駅から徒歩で30分もかかり、シャトルバスでは10分程度だが、試合終了後は観客がバス乗り場に集中するためバスに乗り込むのにかなり待たされるなど、アクセスの面からも評判がよくなかった。
Jリーグ開幕直後からサポーターの間では、市原臨海競技場に代わる新しいホームスタジアムを待望する意見が寄せられ、千葉県ではワールドカップ2002年大会に合わせて市原市八幡地区に5万人程度が収容できる県営スタジアムの建設計画した。しかし、2002年大会は日韓共催とされ、日本国内の開催回数が削減されたため、千葉県営スタジアム計画は頓挫した。
一方、ほぼ同時期に、千葉市は川崎製鉄(現在はJFE)が千葉東工場の縮小計画を知り、跡地利用について話し合いを始めた。
これによって策定されたのが千葉市による蘇我特定地区整備計画である。
当初は、商業地区、居住地区、公園地区、運動施設地区を盛り込むことは決められていたが、運動施設地区に、Jリーグクラブがホームスタジアムとして使用可能なスタジアムを建設する計画は盛り込まれていなかった。
しかし、千葉市側でも恒常的に蘇我に集客できる施設を設置したいと言う意図があり、Jリーグクラブがホームスタジアムとして使用可能な施設を建設した場合、ここをホームスタジアムとして使用してくれるかという打診をジェフユナイテッド市原、及び市原市に対して行われた。この提案はジェフユナイテッド市原にとっては渡りに舟≠ナあったが、市原市にとってはジェフユナイテッド市原のホームタウンを千葉市に取られるのではないかという危惧があった。
しかし、サポーターはこれまで市原臨海競技場以上の施設を提供できなかった市原市に対して強い不信感を持っているものも多く、蘇我への全面移転を叫ぶ声も出始めた。このため、千葉市は蘇我臨海地域に新スタジアム建設することに自信を持ち、市原市と交渉し、ジェフユナイテッド市原・千葉のホームタウンとすることを前提に建設に踏み切った。
こうして蘇我特定地域の総合競技場は2003年12月に着工。このたびようやく完成するに至った。
千葉市はサッカー場の運営に関して、財政的に命名権の導入を検討。2004年から命名権を購入する企業の募集を始めた。
しかし、当初千葉市が提示していた条件として当初は年間に1億2千万円以上、契約期間5年という案で命名権の売込みをかけたが、実際に応募企業が現れず、今年の4月に命名権の販売を「電通」に委託、改めて引き受け企業の募集を開始した。その結果、
7月20日に医療機器メーカーのフクダ電子が名乗りをあげ、命名権買収に基本合意に達した。
契約金額は5年半で4億5千万円〜5億3千万円で合意。8月25日に命名権による名称決定が行われ「フクダ電子アリーナ」(略称・フクアリ)と決定した。
市長挨拶
「蘇我スポーツ公園」の中核施設 千葉市長 鶴 岡 啓 一
平成15年度から建設を進めてまいりましたフクダ電子アリーナ(蘇我球技場)がこのたび竣工し、10月16日に、こけら落としとなるJリーグ公式戦「ジェフユナイテッド千葉対横浜F・マリノス戦」を行う運びとなりました。
当アリーナは、「スポーツ振興の拠点」と「防災の拠点」の機能を併せ持つ「蘇我スポーツ公園」の中核施設であり、市民が気軽に集い、利用することができる市民球技場であるとともに、ジェフユナイテッド千葉の本市のホームスタジアムとなるものであります。
施設の特徴は、選手と観客との一体感と臨場感を楽しんでいただくため、ピッチとスタンドの距離を最短8メートルと非常に近くするとともに、1万8千500席のスタンドの約9割を屋根で覆うなど、プレーする人にとっても、観る人にとっても利用しやすい球技場となるよう配慮いたしております。
また、管理運営は、指定管理者に委託することにより、民間のノウハウを十分活用し、利用者へのサービス向上と経費の節減等を図ることといたしております。
私は、当アリーナが、本市のサッカー・スポーツ文化の発信地になるよう期待いたしており、多くの皆様にご利用・ご来場いただきますことを心から願っております。
おわりに、このたびの建設にあたり格別のご理解・ご協力を賜りました地元の皆様をはじめ関係各位に心より感謝申しあげ、ご挨拶といたします。
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