150,000部発行
2005年5月10日
通巻第104号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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市長選立候補者独占インタビュー 1
島田行信氏が市政運営のビジョンを語る
任期満了に伴う千葉市長選挙は来る6月19日に投開票が行なわれる。3月28日に正式に出馬表明した元千葉市助役の島田ゆきのぶ氏(昭和16年1月1日生・64歳)は、無所属新人として組織票の基盤が全くないまま、真っ向から政党間の代理選挙≠ノ挑戦している。その島田氏が、他の候補者に先駆けて「市民版マニフェスト」を5月12日に公開することを本紙は単独スクープした。島田氏の千葉市政に挑む展望とビジョンはいかなるものかインタビューを試みた。【主幹・佐藤正成】

市民版マニフェスト′開
女性の元気を市政に反映したい!
 主幹・本紙では度々島田さんの千葉市政に精通したキャリアや6月の千葉市長選への出馬声明とその重点政策についてとりあげてきました。読者からの関心も高く、本紙も千葉市政に、もっと一般市民の参加を呼びかけて参りたいと考えております。そこで、5月12日に他候補に先駆けて「市民版マニフェスト」を公開されるとお聞きしました。本紙も読者へ最新の情報を提供したいと思い、インタビューにご協力願いました。まず、「市民版マニフェスト」というタイトルがユニークだと思います。何か意味があるのでしょうか?
 島田・読者の皆さんもご存知の通り、政党推薦候補のほとんどのマニフェストは、国政に関する政党政策を反映しなければならず、私たちの千葉市のような地方自治体には不向きなものが多いという点で、親近感を覚えません。何か、絵空事のようなうそっぽい感じがぬぐえないのです。この度のマニフェストは「私たち市民が作成したマニフェスト」だという事実をそのままタイトルに反映させた無所属候補でなければ提案できない≠烽フという点に重要な意味があります。
 主幹・確かにマニフェストには官僚出身者にお任せで作成したものとか、政党政策方針に縛られている独善的なものとか、複数政党から推薦を受けた場合、折角のユニークな施策が妥協案になってしまうとか色々と問題があるようですね。

 広聴が市政の基本
 島田・この「市民版マニフェスト」を策定する上で、重要な根本理念の一つに「広聴行政」という考え方があります。これは「公聴」ではなく、一歩進んで「広く市民の声を市政に反映しなければならならない(広聴)」という絶対原則のようなものですね。政党政策に縛られず、私の45年の行政経験と千葉市民の声をこれからの千葉市のビジョンに多角的にまとめることが、まず地方行政の長としてのスタートだという信念に基づいています。
 主幹・5月12日に公開される「市民版マニフェスト」は、どのような構成になっていますか?
 島田・マニフェスト策定の基本方針として、できるだけ難しい表現は避け、市民の身近な生活視点でまとめています。主に 1.市政情報の公開と共有(わかりやすい市政) 2.千葉市の元気ブランドの創出(元気な千葉市) 3.安全・安心な生活環境づくり(笑顔を増やそう)の3点に絞り込んでいます。さらに具体的な重点政策として9つの分野(スリムな財政・商店街の活性化・子育て支援・教育環境の整備・千葉市のブランドづくり・自然資源の利活用・地元の底力の活用・女性が元気に活躍できる場づくり・クリーンな環境づくり)について具体的に明記しています。

 女性助役の公募
主幹・女性が元気に活躍の中で、非常に好評な施策として女性助役の登用を約束されていますが、その背景をお聞かせ下さい。
島田・私が千葉市助役になって勤めた4年間のうち後半は福祉・文化・市民生活とするソフト面で市民と接触する仕事をしていました。そこで感じたのは、例えば女性の子育て相談などには理解するのに時間がかかる。そのような諸々の女性にまつわる問題は、女性の助役に聞いてもらった方が話す方も話しやすいと感じたのがきっかけです。女性のライフデザイン、女性なりの情報の収集の仕方があるわけで、女性の生活環境に対する政策の部署には、やはり専門家である女性を適材適所で管理職として配置していくのが道理です。必ず、実現していきたいと思います。現在、千葉市の助役の枠は3名あり、そのうち1名を女性助役として公募により登用します。助役のみでなく、市の職員の幹部クラスにいたるまで女性を登用していきます。これからは、市役所も女性がずっと永く働ける環境づくりに取り組んでいくべきでしょう。

千葉市で国際花火大会を
  女性の起業家を支援したい
主幹・その他に女性が元気に活躍できる場作りとしてプランはいかがですか?
島田・私は千葉市産業振興財団の理事長を3年やっていました。市の持っているスペースをベンチャー企業など、やる気のある人たちに提供するという事業をやった経験があります。驚くことに、公募したところ、応募者の多くは女性経営者でした。千葉市の女性の起業意識の高さは十分認識しています。しかし、女性だけの起業優遇制度等女性に特化する制度を設けることは、行政上、男女差別に該当し実現できません。女性に限定せず起業の支援を行うことが重要です。それでも現実的に女性の起業にはまだ多くの偏見があることは否定できません。私は、女性向けの開業相談窓口を開設し、セミナーや講演会のイベントや起業関連の情報提供サービスで支援していくことができると思います。ここでも、女性の市職員を積極的に登用していきたいと思っています。
 主幹・読者からも要望の多いこどもセンターに関する改善策はありますか?
 島田・子育て中のお母さんが悩みを相談する、あるいは小学低学年の放課後留守家庭児童(鍵っ子)を学校でルームを設けて預かるということを千葉市でも実施しています。(厚生労働省の管轄)低学年でなく余裕があれば高学年までに拡大しようという動きはありますが、私は幼稚園児の家庭にまで広げたいと考えています。子供センターは、各区に作るのか市で一本化するかの大議論があり、私は現場の声から各区に作るべきと主張してきました。現実問題として、中心部に作っても、遠距離の児童が交通機関を使って、わざわざ時間をかけて来られるのかということです。現市長は、6つの各区に作るのは後の課題として、まず中心部に一つのセンターを作るという構想で固まっています。最終的にはそのようなコントロールセンターが必要とは思いますが、順序が逆で、現実離れしており、子供たちの動線≠ノそぐわない。政策のポーズとして中心部に立派な施設を作るより、実効性ある機能を考慮するというのが筋道だと思いませんか? もっと女性の現場の意見を尊重していれば、このような考え方にはならないはずです。また、子育て支援の一環として、相談窓口による母子のケアと、子供の一時預かりというタイムシェアを核とした各区レベルのケアセンターを設置していくことが必要です。できれば新規の施設でなく学校の空き教室を活用すれば時間とコストをかけずに速やかに実現できると考えます。地域密着性を考え、親と子供の動線≠考えてケアできる最小単位の範囲を小学校区とし、きめ細かなサービスに育てることが大事なのです。

 国際イベントで活性化
 主幹・9つの重点政策の「千葉市のブランドづくり」はどんな内容ですか?
 島田・例えば「これは、千葉市だ!」という名産品のことですね。現在、焼ハマとピーナッツが有名だと言われていますが、さらに全国発信できるようなものがほしいと思います。食べ物に限らず、幅広く千葉市のイメージアップにつながるようなものが「ブランド」です。衣食住から教育、情報に至るまで広いカテゴリーで千葉市の特産化(商品、サービス、人材、イベントなど)を推進していきたいのです。これを全国発信することによって千葉市の活性化にもつながるわけです。千葉市のブランディング戦略としていろいろなアイディアを市民に求めていきたいと思います。
 主幹・千葉市の活性化のために、もっと具体的なプランを教えて下さい。
 島田・全国的なブランドや国際的なブランドに育成する方針で魅力的なプランがあります。特に、千葉市の商店街の活性化に役立てるには、大型イベントの定期開催が即時に効果的であると考えています。代表的な企画としては、 1.千葉市山間部から中心部をルートとする「公式国際フルマラソン」の開催 2.千葉市民花火大会を拡大した「千葉市国際花火大会」(Art of the Fire flower Show in Chiba)の開催 3.商店街の活性化が急務な栄町に公営健康温泉ランド「栄えの湯」の開設など、市民からの要望を含めて実現可能なアイディアがいっぱいあります。マニフェストにその基本的な指針を示しています。今後はさらに公募形式で市民参加による詳細な実施プランづくりを推進していきます。
 主幹・稲毛海岸で国際花火大会は大賛成です。千葉市の活性化に非常に具体的なレベルまで検討しておられますが、基本指針となる「市民版マニフェスト」はどこで入手できますか?
 島田・5月12日より私の後援会事務所で配布します。またホームページ(http://www.shimada2005.jp)でも5月13日からダウンロードが可能です。読者の皆さんも是非ご意見をお寄せください。そして、これからの千葉市のプランづくりにご参加ください。

 笑顔が増える市政を!
 主幹・最後に、4月8日の事務所開きには約1400人の支持者が集まり、とくに女性支援者が目立ちました。この選挙戦をどうのように戦うご決意ですか?
 島田・組織基盤を背景にすると、そこから利害関係を生み、清潔な市政を実現することが阻害されてしまう。私は、組織票を一切もたない非常に不利な状況から出馬を表明しました。当然、最初から背水の陣で臨んでいます。組織票と関係のない千葉市民の支援がなければ私には全く勝ち目はありません。これまで以上の千葉市民に立ち上がっていただき、多くの賛同を得られるように毎日街頭に立って「市政を変える。笑顔が増える!さぁ、バトンタッチ!」と元気に訴えて参ります。
 主幹・今回の市長選挙は、千葉市民にとって、ご自身の生活環境の行政リーダーを、推薦政党で選ぶか、千葉市政に精通した人物・能力本位で選ぶかの選択ですね。まさに政令都市である千葉市民の良識が全国的に試される機会だと思います。これからの頑張りと多くの支援者が結集されますことを切に期待します。貴重なお時間をご協力いただき、本当にありがとうございました。    (終)

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税免除・談合問題など活動報告
市民オンブズ千葉第7回総会開く
 市民の税金を無駄に使っていないかどうかを監視してくれる我々の味方「市民オンブズ千葉(漆原勉・村越啓雄代表幹事)」では4月29日(金)に千葉市文化センターで第7回総会を開催。04年度の活動報告、並びに05年度の活動方針を協議、原案通り可決、役員・監査の選出についても全員留任することを決めた。
 活動報告では、花沢前県議への税免除問題に取り組み、外部による個別監査請求が署名運動により盛り上がり、議会で採択されたことは大きな成果であった。
 また、02年に公正取引委員会から指摘された、千葉市内の建設業者81社による談合によって損害を受けた課徴金24億4千万円について、千葉市は損害賠償請求権を行使していなかったが、我々が監査請求を行なったことにより千葉市及び都市整備公社が動き、業者の弁済が実現した。しかし、この弁済方法については10年間の分割払いを認め、支払遅延期間の利息を金利1・6%に減免するという、業者に極めて甘い措置となっている。談合という違法な行為によって高止まりした工事費の損害を千葉市に返還しなさいというのは当然、業者に請求すべきであり、実質的にまけるに等しい長期分割払い、遅延利息の減免は認められない。この建設業者の談合問題については今年度も引き続き情報公開を求め調査を継続していくとしている。
 その他、市民オンブズ千葉は昨年4月から今年3月までに千葉市に情報公開を求めた件数は市長交際費、市会議員の政務調査費等を含め37件だったが、無駄な税金が使われている実態がまだまだたくさんある。少ないメンバーであるが今後も市政の監視を続けていきたいとしている。【佐藤】

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市長選は4人の激戦か?

結城房江氏

奥野総一郎氏
 6月19日に投開票が行なわれる千葉市長選挙に、千葉県民主党は総務省郵政局総務課調査官を務める奥野総一郎氏(40歳)を市長候補として擁立した。
 奥野氏は、4月30日、民主党の田島要国会議員や加賀谷健県会議員らとともに稲毛駅前で街頭演説を行い市長選挙に立候補した理由について「千葉市は人口100万に満たない全国最下位の政令市だ。恵まれた立地条件にありながら、税の免除や情報漏洩事件などが起こる市政に魅力がないからである。私は千葉市に住んで鶴岡市政に疑問を感じ、ズルを許さない、市民と向かい合う公正な市政と、市役所改革を実現するために決意した」と述べた。
 奥野氏は神戸市出身、東大法学部卒、郵政省に入り31歳で奈良県の下市郵便局長、横浜市企画局課長などを歴任、この3月まで郵政局総務課調査官を務めた。
一方、日本共産党は独自候補擁立に努力していたが4月30日、元市議会議員結城房江氏(61歳)を市長候補に推薦すると発表した。
 共産党は前回の市長選に千葉通子氏を擁立、鶴岡市長に次ぐ高得票を獲得した実績があり、6月の市長選では「あたらしい千葉・みんなの会」の市民団体を組織し、長い間の官僚支配市政の転換や大型開発事業に無駄な税金を見直す政策などを訴えている。
 結城房江氏は千葉県栄町生まれ。県立佐倉高校を卒業後東京電力(株)千葉支店に入社、1975年4月に美浜区から千葉市議会議員に初当選、以後連続7期28年間市議会議員を務めた。2003年4月の県議選挙(美浜区)に立候補した。
 奥野氏と結城氏の出馬により、千葉市長選立候補者は鶴岡啓一氏、島田行信氏の4人となり、激戦になることが予想される。

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