116,500部発行
2022年5月6日
通巻第308号
年間郵送購読料3,000円
発行責任者/佐藤 節子
発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
編集部のつぶやき
櫻井俊雄物語(23)
随想 島津幸生
随筆 吉成庸子
市民ガイド
今月の人
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編集部のつぶやき
4月7日は故佐藤正成社長の一周忌でした。新型コロナウイルス感染症もまだまだ予断を許さないこともあり、法要は行わず弊社スタッフで成田までお墓参りに行ってきました。
お墓の掃除を済ませたあと、お線香はまず向こう三軒両隣のお墓にあげてから佐藤社長のお墓に。これは佐藤家の墓参りマナーだそうで、私たちも守っていきたいと思っています。
私の実家のお墓は父の墓石のほかにも明治や大正時代のものと思われる墓石が敷地内に5つあります。もう誰のお墓かわからないほど劣化し岩のような状態です。
複数の墓石があると特に暑い季節は周囲の掃除や草むしりが大変で、母が以前、「古い墓石を撤去して一つにまとめたい」と石屋さんに相談したところ、数百万円かかると言われ断念したそうです。お墓が狭い階段を登った高い場所にあるため、一つ一つ人力で降ろさなければならないので、その分費用がかさむとのことでした。
私のあとは誰がこのお墓を守ってくれるのでしょうか。離れて暮らす子どもたちと話し合っておかなければならないことの一つです。(真)
随想 対馬丸と言う名の船
鎌ケ谷市・元稲毛小校長 島津幸生
人に名前がついているように船にも名がついている。タイタニック号の船の名と事件は知っていても対馬丸の船の名を知っている人は少ないのではないだろうか。
昨年終戦75年NHKスペシャル・綾瀬はるかの「戦争を聞く|疎開児を乗せた対馬丸の悲劇|」。また一昨年の8月、ニュースウオッチ9で「父の最後をたどって|対馬丸の真実|」が放映されており記憶の中にとどめている人もいるかもしれない。
昭和19年8月21日早朝から那覇港の埠頭に集められた子どもたちはぎらぎらと照りつける真夏の太陽のもと、身を隠す場所もなくひたすら乗船を待った。そして小型の船から建造30年もたった老朽貨物船対馬丸にのりこんでいる。
昭和16年12月ハワイの真珠湾攻撃3年後にはサイパン島が占領され、軍の要請で政府は奄美大島、徳之島、沖縄の年寄り、子ども、女性を島外に疎開させる命令をだしている。
実はアメリカ海軍省は真珠湾攻撃から数時間後に自国の潜水艦に日本の貨物船に対し軍艦とおなじように無差別攻撃をしてよいと通達をだしている。海上封鎖である。
その中にあって昭和19年8月22日、沖縄から九州へ対馬丸で疎開する学童775人を含む1418人がアメリカ海軍の潜水艦「ボーフィン号」ニックネーム真珠湾の復讐者による魚雷攻撃で死んでいる。この潜水艦は日本の船を44隻沈めたとされハワイ真珠湾のボーフィン記念公園内に実物が展示されていると言う。
私が初めて対馬丸の名を知ったのは大学時代(58年前)当時アメリカの占領下にあつた沖縄の子どもたちに附属一小の協力(この時学部、千葉県政財界市商店街の人達にも)で本を届けたとき、沖縄で購入した一冊の本に大城立裕著疎開船学童死のドキュメント悪石島があったからだ。
今年は戦後アメリカにあった沖縄の施政権が日本に変換(5月15日)されて50年になる。
コロナ禍で那覇市にある対馬丸記念館事務局長枝川健治氏に資料提供の協力をいただいた。
対馬丸、日本人としておぼえておかなければならない船の名前である。
市民ガイド
◎千葉市美術館
こっとん来夢パッチワーク教室第16回作品展★千葉カザグルマグループ第5回作品展(同時開催:中村直美30周年記念個展)
▼期日:5月31日(火)〜6月5日(日)10:00〜18:00(最終日16時半迄)▼場所:千葉市美術館9F市民ギャラリー1・2・3(千葉市中央区中央3-10-8)▼アクセス:JR千葉駅より徒歩15分/千葉都市モノレール葭川公園駅より徒歩5分▼問合せ:こっとん来夢 Tel:043-243-3050
◎千葉県立美術館
令和4年度 コレクション展
第1期「名品1/絵で見る房総の景色/詩歌と書」▼会期:現在開催中〜5月22日(日)
第2期「名品2/澤部清五郎とその周辺/春過ぎて夏来たるらし」▼会期:5月28日(土)〜7月18日(月・祝)▼場所:千葉県立美術館(千葉市中央区中央港1-10-1)▼問合せTEL043-242-8311
◎京成バラ園
春のシーズンイベント『カラーオブスプリング』開催★バラ園初アトラクション"バラのメリーゴーランド"が誕生
春バラの見頃は5月上中旬〜6月上中旬を予想しています。1600品種、10000株のバラが咲き誇る日本屈指のバラのテーマパーク「京成バラ園」では今春、1年の中で最もバラが咲き誇る「トップオブピーク」を迎えます。中でも春にしか見ることの出来ない「バラのアーチ」群は、パークを見下ろすことのできる「バラの小路」に連なっており、バラ園全体を眺めながら、無数のバラの下を通り抜けることができるこの季節ならではの楽しみです。初のライド系アトラクション、3人乗りのメリーゴーランド「ブリリアントツリー」やライブアニメーション、好評につき「光とバラのインスタレーション」は今春も開催。日本最大級のあかりのアート展を開催する「日本あかり博」とアート集団「ミラーボーラー」のコラボが楽しめます。
▼期日:現在開催中〜6月12日(日)▼場所:京成バラ園(八千代市大和田新田755)▼問合せ:Tel:047-459-0106
◎千葉いのちの電話
第34期ボランティア相談員募集
千葉いのちの電話は、自殺予防とメンタルヘルス維持向上を願い、電話相談、インターネットメール相談、対面相談、自死遺族支援の4つの相談事業を、研修を受けた無償の市民ボランティアが担っています。
▼応募資格:20歳以上、資格・経験不問、基礎研修講座と宿泊研修に出席できること。
▼研修期間:2022年10月26日〜2024年2月7日▼受講料:有料▼応募開始:2022年5月9日(月)▼申込締切:2022年9月9日(金)当日消印有効(応募用紙あり)▼応募面接:2022年10月2日(日)▼問合せ・申込先:千葉いのちの電話事務局043-222-4416(月曜日〜金曜日/9時〜17時)
◎日本赤十字社「ウクライナ人道危機救援金」の受付
千葉市では、ウクライナの方々に対する人道支援を目的として募金を受付中。
▼募金箱の設置場所:市役所本庁舎1階ロビー受付、各区役所地域振興課、ハーモニープラザ1階受付、千葉市社会福祉協議会(本部、各区事務所)、千葉市国際交流協会等
▼設置期間:5月31日(火)まで
◎ギャラリー古島
(1)高橋和惠 彫金アクセサリー展
−小さなWAKUWAKU−
たったひとつの小さなアクセサリーが元気や勇気をくれることがあります。
毎日をちょっと楽しくWAKUWAKUしたものにしてくれるアクセサリーを是非お手に取ってご覧いただければ幸いです。
▼会期:5月20日(金)〜5月25日(水)10:30〜18:30(最終日のみ17:00まで)
(2)墨の樹 書作展
▼会期:5月27日(金)〜5月30日(月)
(3)白亜会 千葉支部展(絵画)
▼会期:6月3日(金)〜6月7日(火)
ギャラリー古島
千葉市中央区春日2-25-11古島籐家具店2階(JR西千葉駅西友側徒歩1分)
Tel043-243-3313/FAX043-241-3041
今月の人
石戸珠算学園 千葉中央教室
教室長 小林 八重子さん (60)千葉市緑区在住
自分で考えて決めて行動できる人になってほしい
6年前、新宿小学校の向かいに開校した「石戸珠算学園千葉中央教室」は、そろばん競技大会で上位に入賞する優秀な生徒を育てていると評判だ。その教室長を務める小林八重子さんは、東京都江東区生まれ。江戸っ子気質のハキハキとした女性で、そろばん教室を運営する(株)イシドで働くようになって13年目というベテラン先生のひとり。
(株)イシドと小林さんの出会いは1枚の求人チラシだった。小学2年生から中学3年生までそろばんを習っていたことや、高校時代、そろばん教室でのアルバイトで子どもに教えるのが楽しかったことを思い出し応募したという。
最初はパートタイマーとして「おゆみ野中央教室」で先生補佐となり、約3年後には社員登用され、新規開校の「おゆみ野南教室」の教室長に抜擢された。その4年後に立ち上げを任されたのが現在の「千葉中央教室」。物件探しから始まり、まさにゼロからの開拓だったと振り返った。(株)イシドと言えば、そろばん教育を通じて子どもたちの力を伸ばす教育メソッド「いしど式」を開発し幼児教育に定評があるものの、他の地域と比べると千葉市中央区ではネームバリューの効果がそれほど期待できず、開校当時は苦労したと話す。「開校が3月でしたが、桜が咲いているのに気づかず5月になっていました(笑)。当時の私は入会者を集めるのに必死すぎて負のオーラが出ていたのかもしれません。『今はジャンプする前に低くかがんでいる状態なんだ』と自分に言い聞かせ続け、なんとか吹っ切れたのが6月。そのころからお母さんたちの口コミのおかげで徐々に生徒が集まるようになりました」。今では200人を超える生徒が在籍し、小林さんは子どもたちから慕われるだけでなく、子育てや人生の先輩として母親たちからも信頼を寄せられている。
「いしど式そろばん」の特徴は自分で物事を考えられるようになること。「最初は簡単ですが徐々に難易度が上がり、今までの方法では超えられない壁がやってきます。それに対していくつかのやり方をアドバイスしますが、最終的には自分で考えて決めた方法で挑戦してもらいます。この繰り返しが子どもの自主性、自立性、自律性を高め、社会でも求められる人間力を養います。人に流されず自分で決める。そして自分の言葉や行動に責任を持つ。そんな人になってほしいです」。
元気いっぱいの生徒さんたちから日々、パワーをもらっているという小林さん。「子ども時代に、親や学校の先生以外の大人と接する機会は大切ですから、貴重な時間を共有できることに感謝しています。たまに憎まれ口を言う子もいますが(笑)、基本的にはみんな素直でいい子ばかり。子どもたちと接している時間が幸せです」と優しい笑顔を見せた。生徒さんたちにとってこの教室は、何でも話せる第3の居場所にもなっているのだろう。
石戸珠算学園 千葉中央教室
千葉市中央区新田町6-10柄本ビル
Tel:050-3188-9201
随筆 三つの映画
吉成 庸子さん
櫻の花の季節がアッという間にすんだと思ったらもう目の前はゴールデンウィーク。でも完全にコロナが終わったわけじゃないので、どうなるのかなあ…?と複雑な気持ちになっている。
私の店「夢子」の方はようやく営業は始めたが、お客様の方はさっぱりだ。まだお酒を飲む気持ちにはならないのだろうと思うものの、やはり淋しいし、営業的にも心配になってしまう。
でもさ、やるっきゃないんだから、がんばろうと自分を叱りつけている。時々儀ちゃんの写真に向かって、「お父さん応援してね」なんて呼びかけているが、余りご利益はないだろうなあともしっかりわかっている私だ。まあ仕方ない、ゴールデンウィークはゆっくり読みたい本を読んで、観たい映画を観ようと考えている。
そういえば儀ちゃんと暮らした長い生活三十年余りの中で私は二人で映画を何回観たかしら?と数えてみた、3回だけだった。初めて観たのは「ミッドウェイ」という洋画だった。ところが日本が戦争で負けだしたら急に帰ると言い出して映画館を出た。
二本目は「風と共に去りぬ」だった。これはテレビで観たのだが、かなり感動したらしく最後まで、おとなしく観ていたものだ。女心なんてまるでわからない人だったし、恋愛小説なんて読まなくても、気持ちが悪くなってしまうと言う人だもの。何故「風と共に去りぬ」をあんなに熱心に観たのか不思議でならないが、やはり戦争とスケールの大きさと、やはりロマンが彼の気づかないままに心を打ったのだろうと私は信じている。
そして3本目に観たのが「ホタル」という映画だった。これは友人に誘われてぜひ観ていらっしゃいとすすめられ、珍しく儀ちゃんから誘われて千葉の映画館へ行った。
特攻隊がメインになっている映画だった。高倉健さんが主演をやってらしたが他の出演者の方々も全員熱演だった。儀ちゃんはかなり熱心に画面を眺めていた様子。映画が終わってすぐ立ち上がらなかった。せっかちな儀ちゃんにしては珍しい現象だ。
やがて映画館を出ると珍しく、「珈琲を飲んで帰ろう」という。へえー珍しいことを言うなあと思ったが近くにあったお店に入った。
珈琲を目の前にしても儀ちゃんは何故か無口だった。私が「良い映画だったね」と話しかけた。すると彼は、ウンと言ったがその後で「本当の特攻隊はあんなもんじゃなかった。もっときびしく、もっとせつない事がたくさんあった」とだけ話した。
その後は、何一つ語らなかった。あの日の事は二度と何の話題にもならなかったけど、予科練から特攻隊員となり、役目はたせず生きて帰ってきた儀ちゃんの心の中には先に飛び立っていった先輩や同僚に対する思いがいつまでも、つまっていたのだろう。
そしていつも言っていた。戦争は絶対にあってはならない事だと。
櫻井俊雄物語(23) 「石ころを踏んだ、は通らないけれど」
千葉の近代史を創った男の話 武田 弥太郎
櫻井俊雄氏
先月、稲毛区内の道路でひき逃げ死亡事故があった。雨が降る午前2時ころ、片側二車線の道路の走行車線と追い越し車線の境目の白線上に横になっていた女性が乗用車にひかれ、しばらくして後続のトラックにひかれたという。
最初の乗用車の運転をしていた会社経営者とトラックドライバーの2人が逮捕されたが、最初にひいた会社経営者の場合、経営する会社の外観がテレビで放映されたから、相当の影響があったものと推察されるという。
俊雄は、警察発表をうのみにして報道するマスコミの姿勢に大いに疑問を感じている。会社経営者の「石ころを踏んだとしか思わなかった」というのはひき逃げ犯の常套文句であって通用しないというのは当然だ。石ころであったとしても、走行中に異常を感じた場合は車を停めて確認をすべきだったからだ。俊雄がつかんだ情報では、会社経営者は足を引いた事実は動かしがたいが、トラックにひかれたことが致命傷につながった可能性が高いという。現に会社経営者だけが釈放されているが、そのことは報じられない。雨天の深夜であったこともあり、乗用車のドライブレコーダーの記録によれば横たわっている女性の姿を確認できなかったというからなおさらだ。ただ、俊雄は言う。「会社経営者が車を停めて確認していれば、
女性が後続のトラックにひかれることはなかっただろう。死ぬことはなかったはずだ」と。
ところがここにきて新たな情報があるという。監視カメラの記録によると、事故が発生する前に現場の横断歩道上で言い争っている男女がいて、その片方が亡くなった女性だというから驚きだ。その際のトラブルで女性が路上に倒れた疑いが浮上してきている。女性が道路上に横たわっていた事情を解明する必要がある。
もし、男女のトラブルがもとで、事故発生の前に女性が亡くなっていたとしたらどうなるのだろうか。俊雄の知り合いの弁護士によれば、「ひき逃げは存命の人をひいた場合に成立するのであるから、すでに亡くなっている女性をひいた場合はひき逃げが成立せず、誤認逮捕の可能性が出てくる」というから驚きだ。
警察は、この男の特定を急いでいるはずだと俊雄は確信している。この男が殴り倒して殺害した女性を車にひかれたように見せかけるために路上に放置した疑いがぬぐえないからだ。ひき逃げ死亡事故が、実は殺人事件だった可能性が出てきているという。刑事ドラマのような事件が現実に発生した可能性があると俊雄は指摘している。
「石ころを踏んだ」と思ったと言い訳していたひき逃げ犯が、ドライブレコーダーの記録などから少なくとも「いいわけではなかった」ことが証明されつつあり、それどころか別の重大事件が潜んでいるかもしれないのだ。「事実は小説より奇なり」というが、だとしたら拘留が続いているトラックドライバーの人権はどうなるのだろうか。
ひき逃げ死亡事故の犯人だったはずが、交通反則通告で済んでしまうかもしれないのだ。
真実は警察の捜査を待つしかないが、真実が明らかになったとき、マスコミはこの人たちの「名誉回復」をどう行うのだろうか、俊雄は注目をしたいと語るとともに、亡くなった女性の冥福を祈っている。
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