116,500部発行
2022年4月1日
通巻第307号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 節子  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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発見!チバカツカンパニー 千葉の活躍企業訪問記
株式会社 人と古民家(千葉市稲毛区小仲台)
  今回、小誌編集部記者・稲しん子が好奇心を掻き立てつつ突撃したのは、稲毛駅に程近い立地にある「人と古民家」さん。古民家宿泊施設を運営する設計事務所とはどういうことか? ぜひお話を聞きたいと、古い集合住宅をリノベーションした事務所に代表取締役の牧野嶋彩子さんをお訪ねしました。

稲しん子(以下・稲)こちらの事務所はモダンですね。とても古い集合住宅だったとは思えません。
牧野嶋さん(以下・牧)私たちには、築年数の古い建物をデザインの力で活かして、地域に貢献できるようなものにするという考えが根底にあります。この建物は築40年くらいでしたか、扉はツタに覆われ、窓ガラスも割れたままの状態でした。どうしたものかなというオーナーさんからの相談を受けてリノベーションさせてもらったのです。1階に当社が入居して、2階の4部屋をシェアオフィスとして貸し出す構想なんですけれど、ただのシェアオフィスではなくて、女性の起業を応援する場所にしたいなと。
稲・コンセプトが「女性向け」ですか?
牧・そうなんです。私の事務所スタッフは全員女性ですし、それならいっそ、女性のための施設にしてしまおうと思いました。だから2階のシェアオフィス4部屋のうち、
一部にシェアキッチンを併設して、製造業や飲食店業の免許を取得しておくつもり。例えばお菓子を作って売りたい奥様がいたとして、自宅では許可が降りなくても、
ここでなら可能になります。実際にオープンしてみないとどうなるかわかりませんけれど、ビジネスしたい女性を支援する形で人と人の交流を生み出し、地域に貢献できればと思っています。
稲・最終的な目標は地域に貢献することなのですね。
牧・「人と古民家」と会社名に「人」という字を入れたのは、建物を使う人や、人同士の交流などのソフトの部分がすごく重要だと思っているからなんです。
稲・では、「古民家」の方のお話を伺います。大多喜の古民家宿泊施設「まるがやつ」はどのような思いでリノベーションされましたか。
牧・「まるがやつ」も、そこでどんな交流を育むか、そのために必要な設計はどうあるべきかを最初から考えて取り組みました。
古民家は寒くて暗くて使い勝手が悪いということで時代から取り残された面もあるので、そのあたりのデメリットは現代のテクノロジーや工法を取り入れて解消を図っています。床下や天井に断熱材を入れ、窓はすべてペアガラスに替えましたし、キッチンの使い勝手も高めています。照明で明るくしたり、浴室も2ヵ所設け、トイレはもちろん洋式です。泊まりに来てくれたご家族のうち、奥様やお嬢様が「きれいな古民家だったね、また来ようね」と仰ってくれるような空間づくりを目指したんですよ。
稲・古民家から、建築家として刺激を受けた点はありますか?
牧・古民家って、あらかじめ再利用を考えて作っているんです。
釘が一本も使われていないので、解体してもまた組み立てられる。どの古民家も、資源を大切にリサイクルしていく考え方が根付いています。柱や梁も、実際に必要な寸法より少し長く作ってあって、移築したとき加工しやすいように考えられていた。SDGsの先駆けのようなことを昔の日本人はやっていたわけで、そういう知恵はすごいなと思います。
稲・話は変わりますが、牧野嶋さんは、女性の視点を活かした設計を提案されていると伺いました。具体的にはどういったプランなのでしょうか。

大多喜の古民家宿泊施設「まるがやつ」
牧・私たちが提案しているのは、家事が楽、収納が楽、子育てが楽の、3つの楽を実現する設計。毎日の暮らしで女性が感じるストレスを軽減して、楽をしながら心地良く暮らしましょうと謳っているんです。具体的なプランとしては、シューズクロークやコートクロークなど玄関エリアの収納と、オープンキッチンにするならその横にパントリー、これらは必ず設けるようにしています。
稲・モノが多くて乱雑になりがちだから、来客の目に入りやすい場所には収納が重要ということですね。
牧・それと、洗濯機はだいたいお風呂場の隣の洗面室にありますが、それを分けましょうと言います。招いたお客様が手を洗いたいというときに、洗濯機のある場所に通すのがすごく嫌で。洗濯室、脱衣室、洗面室を分けるプランは、新築に限らず、リフォームでも必ず提案するようにしています。
稲・スッキリしそう。お話を聞くだけで、清々しい気持ちになってきました。
牧・私たちが提唱するデザインコンセプトがもう一つあって、それが「リゾートに暮らそう」です。光や風を豊かに取り入れ、外とつながる空間を作りましょうということ。
例えば中庭に対して思い切り開いた住空間にする。あるいは吹き抜けを設けて上から光が落ちてくる仕組みにするなど、リゾートで暮らしているような感覚を形にするデザインの提案をしています。そのためには空間がきれいである必要があるし、だから家事導線とか収納計画が大切になるというわけなんです。
稲・そんなお家に暮らしたいと心から思いますし、古民家にも泊まってみたいです。ありがとうございました。

【株式会社 人と古民家 千葉市稲毛区小仲台】
 千葉県出身の一級建築士・牧野嶋さんが2016年に設立。築200年になるという大多喜の古民家を再生した宿泊施設「まるがやつ」を運営する。また「ヒトコミデザイン」として新築の設計事業も展開するほか、リノベーション物件によるシェアオフィス事業も構想中。

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