116,500部発行
2022年4月1日
通巻第307号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 節子  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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編集部のつぶやき
 今年に入り新型コロナウイルスの第6波が今までにない勢いで感染者を増やしてきましたが、それを凌駕するニュースが飛び込んできました。ロシアによるウクライナへの侵攻。第二次世界大戦以降も様々な紛争や内戦はありましたがここまで露骨な侵略戦争は無かったのでは。 先日あるラジオの番組にロシアの紛争に詳しいゲストの方が話していたのは、チェチェン紛争やクリミア半島併合の他にもあまり報道されていない色々な紛争がたくさんあった…とのこと。ソビエト連邦の崩壊から旧東側国の民主化やNATO加盟などロシアにとって都合の悪い事案には必ず何らかの紛争があったと。
 正直言ってやや平和ボケの感がある日本、いや私たち戦争を経験していない人間にとっては、この戦争もアメリカもイラクもアフガニスタンも他人事なのかもしれません。いくら北朝鮮がミサイルを発射してもそれは同じこと…。
 しかし北朝鮮や中国の脅威があるにしても、自分の利益の為に隣国に武力をもって侵攻するロシアという国の東側の隣国は領土問題を抱えている日本なんですよね…(M)

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随想 こてはし台小と桜
鎌ケ谷市・元稲毛小校長 島津幸生
 市内でこんなに桜がきれいに咲いている学校があるだろうか。はじめて校庭をながめた時の感想である。校庭のまわり一面すべてに植えられていて満開は素晴らしく新1年生を迎える用意はこれだけでも十分と思ったものだ。
34年前のこてはし台小4月1日のことだ。
 ある時中学年担任の女の先生が、その桜の花の下に敷物を広げて給食を食べさせていた。教育界の中に未だ「生活」と言う考えがない時である。
その感性に感動したものだ。ただし桜は、だけではないが管理が必要でそれは私の仕事となった。そのひとつにてんぐす病(樹枝の一部に病菌が侵入してその部分に小枝が密生し鳥の巣のようになる)にかかっている枝はないかをさがしその部分を切除したり、アメリカシロヒトリ(戦後日本に侵入した害虫で年2回発生、果樹街路樹に大害を与える蛾の一種の幼虫)の発生はないか、発生していればすぐ市の方に連絡して消毒してもらわなければならない。
 桜はそめい吉野(江戸後期江戸染井村から吉野桜の名前で広まったもので花付きが良く生育も早いことから明治期になり全国的に植栽され日本を象徴する品種・学研日本の桜)が有名で、こてはし台小の桜はそのそめい吉野である。桜は日本種・外国種・栽培品種に分けられそめい吉野、河津桜は栽培品種である。
 1月に入ると旅行会社何社からか桜の旅の案内が送られてくる。車のある人は満開だ行こうと言うことが出来るが私の場合は早くからの申し込みとなる。実施の日で価格もかわる、また自分の予定のこともあり、これまでの大部分が満開にあたっていない。10年前のことだが、花ざかり春彩越後月岡温泉と言うツアー(4月17日)だったがつぼみに色すらついていなかった。
 日本三大桜と言うのがあるそうで、福島県の三春滝桜(推定樹齢千年超とのこと)山梨県の山高神代桜・岐阜県の根尾谷淡墨桜がそうだ。山高神代桜だけは満開だったが、三春、根尾谷は三分咲きだった。これらは天然記念物だが特別天然記念物の桜というのが東京の大島・静岡富士宮にあるそうだ。
 日本の国花が桜であることは知っていると思うがそれがやまざくらであることは知られていない。

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短編小説 モノレールストーリー
初恋の二人  作・吉成 庸子
 あの頃から光太はモノレールが好きで良く乗っていた。春に入ったばかりの、水色の空がどこか優しく目の下に咲く櫻の花が美しい。光太は自分の気持ちがいつになくふんわり、おだやかになっていくのを感じていた。当時の光太は大学2年生。千葉市に住んでいるので子供の時からモノレールにはちょくちょく乗っていた。
 光太には兄と姉がいる。父は弁護士をしている。兄も弁護士だ。姉も間もなく弁護士試験を受けるが合格まちがいなしと言われている。末っ子の光太は勉強が苦手で、家族中からは完全な落ちこぼれ扱いされている。だから、あまりむつかしくない大学だが光太が受かった時は家中で大喜びだった。
 のんきで明るい光太は、皆から好かれていたが心の中にはどこか何をやっても駄目なんだという劣等感が常にあった。でもそれじゃいけない少し自分を変えなければと思い立ち、自分の時間はたっぷりあるのでアルバイトをしようと考えたのだった。「光ちゃん、アルバイトなんかしなくていいから、留年しない様しっかり勉強して頂戴」と言ったけど、光太は「大学も絶対休まず通うから」と約束して、バイトを許してもらったのだった。
 バイトを始めて良い事が一つあった。初めてガールフレンドが出来た。女子大の一年生で元気な女の子だった。小柄だが、丸い瞳が可愛いい。名前は奈奈ちゃんと言う。バイトとしては先輩になる彼女は、光太を一生懸命指導してくれた。奈奈ちゃんのおかげで、光太のアルバイト生活も楽しくスタートして行った。今までウエイターなんかやったことなかったので、最初は緊張したがすぐ慣れた。奈奈ちゃんとは休み時間によくしゃべった。
 彼女は四街道市から通って来ているそうだ。「私、母子家庭なんだ。父とは私の小さい時離婚したんだって。母は1人で私を育ててくれてんの。希望通り大学も通わせてもらっている。
私ネ、社会人になったら、いっぱい母孝行するんだ」。彼女の言葉に、光太は、「えらいなあ、僕親に尽くすなんて一度も考えた事ないもの」光太がそう言うと、「それはダメだよ。親ってさホントに子供の幸せだけを願ってくれているんだよ」まじめな顔で奈奈ちゃんが言った。その夜光太は母に和菓子をおみやげに買って帰った。母は「どうしたのオ」とびっくりした。光太は「バイトのお金が入ったからさ」と少し照れて言った。珍しく早く帰っていた父が、「光太もなかなかいい所があるじゃないか」とほめた。光太は生まれて初めて、父にほめられて心がおどった。 その夜、光太のおみやげを囲んで父母兄姉皆一緒で楽しい時間が流れたのだった。光太は優秀な兄や姉に対して持ってした自分のコンプレックスが消えていくのがわかった。そして、奈奈ちゃんとの会話がきっかけでおみやげを買ったと思うと、
彼女に感謝しなければと思うのだった。
 光太は奈奈を食事に誘った。女の子と2人で食事をするなんて初めてのことだ。どこにしたらいいか悩んだ結果、ネットで調べてイタリアンの店を見つけ2人でそこに行った。奈奈も大喜び。それをきっかけに、2人は気が付いたら恋人同士になっていた。何処へ行っても奈奈は「私初めて来た」と言って喜ぶ、その反面、「こんな高い所でなくていいの。光ちゃんと一緒ならどんなところでも嬉しいから」と言う。そんな奈奈を一層いじらしくも、好ましくも思う光太なのだ。
 その日は土曜日、シフトの関係で2人揃って午後4時にバイトを終わった2人は連れだって店を出て、午後の中央公園まで歩いた。中央公園へ2人で来たのは初めて。ヘレンケラーの銅像の前に立った時だ。はるか向こうにカラフルなモノレールが走って行くのが目に入った。「あっモノレールだ。乗ってみたいなあ!」と奈奈が叫んだ。「えっ?モノレールに乗ったことないの?」少しおどろいて光太は聞いた。「うん、私一度乗りたいと思いながら、
一度も乗ってないの。機会も時間もなかったから」「そうかあ、じゃ、これから乗りにいこう」と光太が言った。「ホントいいの?」彼女がはずんだ声をあげた。「よし、すぐ行こう」2人手をつないで駅へ向かった。
 初めて乗ったモノレールに奈奈は大喜び。うす紅いろに染まり始めた空に目の下を流れゆく千葉の街に奈奈は大声をあげて喜んでいる。そんな彼女に対して光太は、僕がもっともっと彼女を幸せにしてあげなくちゃと思うのだった。
 あれから2年余りが過ぎ無事光太は卒業も出来た。そして奈奈に会うため、今日もモノレールに乗っているのだ。2人の仲は一層むつまじい。

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市民ガイド
◎美浜文化ホール
「ドラマティック・リーディング 林芙美子『夜猿』と画家・青木繁」
「夜猿」は画家・青木繁の死の直前の日々を描いています。青木の生涯も会のメンバーの朗読で紹介し、ゲストのお二人による「夜猿」のドラマティック・リーディングをお楽しみください。ゲスト:山川建夫さん(フリーアナウンサー)・にゃん原律多さん(しんだだんごむし主宰)
▽日時:2022年4月25日(月)14:00〜16:00(受付開始13:30)▽場所:美浜文化ホール・2F音楽ホール(千葉市美浜区真砂5-15-2)▽入場料:1,000円(大人・中学生以上)▽定員:150名(先着順・要予約※車椅子2名)▽申込方法:下記のメールか電話で(1)夜猿(2)お名前(3)電話番号をお伝えください▽メールアドレス:yomiyomi0010@gmail.com▽事務局Tel090-3501-7103(10時〜18時)※4日経っても返信メールがない場合はお電話ください。▽主催:よみよみの会/後援:千葉市※状況により定員変更や催事が延期になる場合がございます。

◎千葉市美術館
(1)「生誕100年 清水九兵衞/六兵衞」
生誕100年を記念して、彫刻と陶芸という二つの表現領域で活躍した清水九兵衞/六兵衞(1922-2006)の初めてとなる回顧展を開催します。
▽会期:2022年4月13日(水)〜 7月3日(日)[前期]4月13日(水)〜 5月22日(日)[後期]5月24日(火)〜 7月3日(日)▽休館日:5月2日(月)・6月6日(月)▽休室日:5月23日(月)、6月20日(月)▽観覧料:一般1,200円(960円)大学生700円(560円)・小中学生、高校生無料
※( )内は前売券、および市内在住65歳以上の料金。※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料▽前売券:ミュージアムショップ・ローソンチケット[Lコード:32529]・セブンイレブン[セブンチケット]および千葉都市モノレール「千葉みなと駅」「千葉駅」「都賀駅」「千城台駅」の窓口にて2022年4月12日まで販売(4月13日以降は当日券販売)。▽リピーター割引:チケット(有料)半券のご提示で2回目以降の観覧料半額。▽ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料半額。※本展チケットで5階常設展示室「千葉市美術館コレクション選」もご覧いただけます。※割引併用は不可。

(2)「つくりかけラボ07」
植本一子 あの日のことおぼえてる?
つくりかけラボは、「五感でたのしむ」「素材にふれる」「コミュニケーションがはじまる」いずれかのテーマに沿った公開制作やワークショップを通して空間を作り上げていく、参加・体験型のアーティストプロジェクトです。いつでも誰でも、空間が変化し続けるクリエイティブな「つくりかけ」を楽しみ、アートに関わることができる表現の場です。
▽会期2022年4月13日(水)〜7月3日(日)▽休館日・休室日:5月2日(月)、6月6日(月)▽観覧料:無料▽主催:千葉市美術館▽会場:4階子どもアトリエ▽問合せ先:千葉市美術館 Tel043-221-2311

◎BOOK PARK ちばぎんざ 内覧会
本に囲まれた屋内公園「BOOK PARK ちばぎんざ」。簡単な会員登録で誰でも無料で本が借りられるほか、24時間営業や貸切利用のサービスもあり。内覧会では無人蔵書販売システム、非接触型端末等のデモンストレーション、シェアスペース運営実績をご紹介。
▽日時:2022年4月21日(木)・23日(土)13時〜17時※時間内入退出自由▽場所:千葉市中央区中央3丁目3-9MF9ビル2階(旧ちばぎんざ図書館)

◎ギャラリー古島
「山本早苗 版画展」
4月8日(金)〜4月18日(月)※4/14(木)休廊
「―天然藍 灰汁醗酵建て―
壺草苑のしごと展」
4月22日(金)〜5月4日(水)※4/28(木)休廊
▽千葉市中央区春日2-25-11古島籐家具店2階(JR西千葉駅西友側徒歩1分)
Tel043-243-3313/FAX043-241-3041

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今月の人
オリジナルプリントウエアの企画販売 グッティー株式会社 
代表取締役 伊藤 公則さん(53)千葉市花見川区区在住
地域活動で深まる仲間との絆
 名前やロゴ入りのTシャツなどオリジナルプリントウエアの企画販売を行うグッティー株式会社は2006年の創業以来、地元の学校や企業、サークル、スポーツチームなどから注文を受けてきた。
 代表の伊藤公則さんは「お揃いのウエアはチームの結束を高め、思い出として残る大切なもの」という気持ちから、お客さんが納得できるまでとことん対応。メーカーで13年間積み上げた経験を生かして、生地やプリントに関してプロとしてのアドバイスも。 そんな伊藤さんの真摯な姿勢と商品の質が好評でリピーターが多く、新規客は紹介がほとんどだとか。しかし、ここ2年ほどは新型コロナウイルス感染拡大により大きな影響を受けた。「マラソン大会や文化祭などイベントの自粛で、Tシャツをつくる機会がなくなり売り上げも落ち込みました。補助金でなんとか継続してきましたが、今年こそ日常が戻るといいですね」とコロナ収束に期待を寄せた。
 グッティーの商品は全国からLINEやネットで発注可能。一方、ネット注文が心配という方には直接会って対応してくれるので安心だ。「お客様と会って打ち合わせしていると、趣味のアウトドアの話で打ち解けたり、共通の知人がいたり…。みなさん、どこかでつながっているんですよね」と笑顔。プロとしての経験値だけでなく気さくな人柄や、一つ一つのご縁を大切にしてきたことでもファンを増やしてきたのだろう。「何年か後、またオリジナルウエアをつくるときに思い出してもらえる存在になりたいですね」と語った。
 創業当時から地域活動にも一生懸命な伊藤さん。会社員時代に転勤を経験したことから、結婚後は子どものために「地元」をつくりたかったと話す。千葉市に根を降ろしてからはお祭りをはじめ、町内会活動に積極的に参加するほか、息子さんのサッカーチームでもご縁を広げてきた。
 その後、2017年には地元の消防団の立ち上げにも協力。子守神社のお祭りを盛り上げてきた町内会の仲間と共に、千葉市花見川区幕張本郷地区第4分団7部を立ち上げ、消防団がなかった地域に新たな防災拠点が誕生した。
「出初め式に参加したり、町内会からの依頼で防災訓練をサポートしたり、台風後には落下物や倒れた木の撤去を行っています。火の用心の夜回りでは細い道を歩くことで暗い場所や危険個所を細かく把握できるようになり、地域を見直す新たな気づきにもなりました。地域の防災力を上げるために、今後は公園などで啓蒙活動を行いたいと考えています」。
 町内会で共に活動してきた仲間との絆は、消防団の活動によってさらに深まっているという。伊藤さんにとって彼らはビジネスでもプライベートでも助け合える信頼できる存在。このような地域の結びつきが安心安全かつ魅力的なまちづくりの土台となっていくのだろうと頼もしさを感じた。
◇グッティー株式会社
◇千葉市花見川区幕張本郷3-11-1-1410
◇Tel0120-99-3690

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随筆 河津櫻の咲く頃

吉成 庸子さん
 河津櫻の花が美しい。予科練にいた儀ちゃんは櫻の花が好きだった。「七つボタンは桜に錨…」という歌からの思いかもしれない。無理して、庭にしだれ櫻、ぼたん櫻等、櫻の木を揃えている。
 河津櫻が咲き始めると、春が近づいているとなんとなく心が弾んでくる私なのだ。だけど必ず思い出してしまう事もある。
あれは何年前になるのだろうか? 朝から陽の光が、やさしくふりそそいでくる日曜日だった。
 儀ちゃんは6時に起床。朝食もそこそこに庭に出て植木の枝を切ったり、肥料を根元にやったりと忙しく働き出している。
 滅多に無い休日位、ゆっくりすればいいのにと、私は考えるのだけど、聞く耳持たない人だからほっとく。お昼御飯は「月見うどん」を作る。「御飯だよオ」と呼んでもなかなか来ない。やっと家に入って来た時にはうどんはすっかり伸びて丼からあふれるばかり。
 儀ちゃんは、「またお母さんはこんなに作って。俺は馬じゃないぞ。少し頭を使ってよ」とまず一文句言う。私はビールをグラスについであげてから「あのねえ、すぐ食べにこないから、のびちゃったのよ」と言ってやる。
 戦争経験のある儀ちゃんは、どんなに食事の時おかずの品数が少なくてもあまり文句は言わない。むしろたくさんおかずが並ぶ方が嫌がる。その点私は楽だなと思っている。
 そして食べ物はほんとに残さない。これは見習うべきだと感心していたけれど。まあ、その日も伸びきったうどんは平らげてグラスに残っていたビールを飲み干すとすぐまた、庭に出て行く様子。
「あのねえ、今日はお天気がよいせいかどんどん気温が上がっているわ。何をするのか知らないけれどせめて少し休んだら」と私は言った。「うるさい、藤の木の枝おろしをせにゃならん。俺がやらなきゃ、誰がやるんだ」。そう怒鳴りつけて、彼はまた庭に出て行ってしまった。
 そして3時間後位した後だった。ドサリという大きな音がしたので出てみると廊下で儀ちゃんが、倒れていた。金魚みたいに口をパクパクさせて「水、水」と叫んでいた。
 私が台所から急いで持って来た水を一気に飲み干して一息ついたらしい儀ちゃんはさすがに「もう、今日は庭仕事をやめて休んだ方がいいよ」と私が言ったら、「そうするか」と珍しく素直だった。
 その後冷たいビールを1本飲んで、グウグウ寝てしまい八時過ぎまで起きなかった。
 仕事も趣味も一生懸命やるのが唯一彼のよいところだったのだけど…けっこう付いていくのは大変だったなあと思っている私だ。なつかしさも感じながらね。

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櫻井俊雄物語(22) 他国の攻撃から日本をどう守るか
千葉の近代史を創った男の話 武田 弥太郎

櫻井俊雄氏
 ロシアがウクライナに攻め込んだ。ロシアなりに屁理屈にもならないうそを重ねるばかりか、ウクライナが残虐な行為を働いているとか、自国民を攻撃しているとか、国家規模の壮大なフェイクニュースを次から次に連発してロシア国民を欺き続けている。自国民に正確な情報を伝えない点で、年配の方々の中には、我が国の戦前の「大本営発表」を思い起こしている方も多いのではないだろうか。ロシアの人々にはプーチン大統領のいうことを信じ、大統領を支持している人が多いというから始末に負えないと俊雄は嘆いている。
 世界に誇る日本国憲法第9条は断固守るべきだと、声高に主張している人々がいる。ロシアがウクライナに侵攻したことで、日本を守るためには一定の軍事力が必要だとの声が出始めたことから、駅頭で護憲の主張が頻繁に展開されるようになってきているが、どうやって日本を守るかの視点が欠けているのではないかと俊雄は不安視している。
 戦力の保持や交戦権を否定している日本国憲法第9条は、日本が海外を侵略することの抑止にはつながるが、海外からの侵略者の抑止には何の効果もない。むしろ、自衛隊も駐留米軍もなければ中国は尖閣や沖縄を奪い、北方領土に飽き足らず、ロシアが北海道に上陸するのを防げないのではないだろうか。
 護憲運動の人たちに駅でその点を聞いてみると、「平和憲法は守るべきです。外国が攻めてこないようにするために、普段からよく話し合いをしておくことです」という。「実際に攻めてきた場合は?」と返すと「攻めてこないような関係を構築することが大事です」としか返ってこない。「核兵器の共有は絶対反対」どころか「日本は侵略されないから大丈夫です」とすら言うから、話にならないと俊雄は対話をあきらめたという。
 ロシアがウクライナに侵攻したことで、我が国ではタブー視されがちな安保論議が巻き起こり始めた。
決して声は大きくないが、「自衛手段」を考え始めた人々が多いことは肌身に感じるという。核兵器を放棄したウクライナが侵略されたことで、核兵器は抑止力だと主張している北朝鮮を勢いづかせることになったし、北方領土にロシア軍が展開を始めたことにも注意を向けなければならないだろうと俊雄は語っている。
 ただ、もっとも問題なのは私たち自身の心ではないか。これだけ連日ウクライナ情勢が報じられているのに、私たちは「ウクライナはどうなるんだろう」と他人事のような見方をしていないか。「日本はこれからどうしていくべきか」と、自分自身のこととして問題をとらえるべきではないかと俊雄は主張している。決して遠い外国の紛争なのではなく、我が国に直接累が及びかねないきわめて大きな問題だと自覚しなければならないともいう。
 戦争抑止のために憲法を守るべきとの護憲派の主張と、戦争抑止のために憲法を改正しようとの改憲派の主張は対立しているように見えて、実はいずれの立場も「戦争反対」、「戦争回避」である点は同じだ。「日本を守る」という一点で議論が進むことを期待したいと俊雄は願っている。

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