130,000部発行
2020年5月1日
通巻第284号
年間郵送購読料3,000円
発行責任者/佐藤 正成
発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
想い出の人
李元総統の教え(7)
主張 入野守雄
今月の4コマ漫画
随筆
きさってぃ
市民ガイド
今月の人
読者アンケート
読者の声
投稿はこちらへ
過去の記事検索
会社案内
購読申し込み
お問い合わせ
最新の千葉市のニュース・話題・オトクな情報満載の携帯サイトはこちらからどうぞ!
想い出の人
昭和37年頃、小生は農林省の農業祭パレード専門委員をしていた。農業祭に協力していただきたく、新宿駅近くの中島商店を訪問した。食卓でおなじみの「キューピーマヨネーズ」の本社である。創業者は中島董一郎氏だ。その時、受付に立っておられたのが中島社長であった▼普通の会社であれば、社長が受付で対応するということはあり得なく、女子社員か別の人が応対するのが普通と思っていた。ところが、社長が受付で、用件を聞くなり、担当者のところへ自ら親切丁寧に案内してくれたのである。若かった小生は偉く感動し、今でも忘れられない想い出深い人になっている▼中島社長は大正12年に「美味しく栄養のあるマヨネーズを、生活必需品となるまで広く普及させて、日本人の体格と健康の向上に貢献したい」という思いで、卵黄タイプで栄養価の高い「キユーピー マヨネーズ」を発売したという▼新宿駅近くに事務所を構えていたのは西口再開発で、止む無くプレハブの仮事務所であったらしいが、それにしても社長自ら受付に立って会社を支え陣頭指揮を取っていることは社員から敬愛され、事業が発展していく基礎になっているんだなぁと納得したものだ▼1919年創業以来、キユーピーは昨年100周年を迎えた。創始者が「お客様の健康を願う想い」を大切にし、次の100年に向けて継続するとともに、成長と新しい挑戦をし続けられる企業をめざして頂きたいと願っている。(正)
連載シリーズ(7) 台湾李登輝元総統の教え
稲毛新聞主幹 佐藤 正成
台湾の李登輝元総統
戦後、1951年9月8日、アメリカ合衆国サンフランシスコで講和会議が開かれ、サンフランシスコ平和条約が調印された。この条約で日本は台湾を放棄し国際的に孤立状態に置かれた。しかし、日本は台湾の大使館を設置し台湾との友好交流を続けていた。1972年9月、日本の田中角栄が首相をしていたとき、中国の周恩来総理・姫鵬飛外相らの間で、日中共同声明が署名され、日中国交正常化とされた。これを契機に日本は政府レベルで台湾との国交断絶、台湾大使館も中国に移管した。これで台湾とは民間レベルで日台交流協会が発足した。
台湾は中国の一部ではない
李登輝氏は「サンフランシスコ条約で日本は台湾を切り捨て、どこの国に譲るとも表明しなかったので、台湾は法的な地位や主権のないまま曖昧な立場に置かれている」と語る。
事実、台湾は国際的に国連やWHOにも加入してなく、独立した国家として認められていないのだから台湾を中国の一部と解釈するのは間違いである。台湾は独立した国であるが、法的な地位が明確でないので、これを国際的に主権があると認められる証拠が必要である。
台湾と日本は民主主義国家であり、運命共同体である。台湾海峡を中国の海軍力に把握されたら、日本が一番困る。特にシーレーンは台湾が守っているから中東から石油を輸入できる。日本と台湾は政治的軍事的に強い立場を構築する必要がある。中国には強力な軍事力があるのでアメリカも手を出さない。
中国は独裁国家であり民主主義国家の台湾とは異なる国である。中国が民主化されれば台湾も一つの国家として扱われてもいいが、国家体制が異なるので一つの国と言われるのは筋違いである。
李登輝氏は「一国二制度」はあり得ないとし、覇権的・闘争的な「一つの中国」の枠組みに入れようとしているが、世界の潮流である民主・自由・均富の制度に合致しない「共産制度」は台湾は受け入れられない」としている。
その理由として全中国の民主化にとって不利であり、中国大陸同胞の民主的な生活を享受したいという願望を遠のかせることになる。また、ひとたび専制によって統一され、閉鎖的な中国となったなら必然的にアジア周辺諸国の不安を惹起し、アジアのバランスを崩しアジア太平洋地域の平和と安定に脅威を与える。さらに、自由民主制度の全面的な施行によってこそ、法治主義の構造と透明化された運営で相互信頼を増進させ、双方が確実に協議内容を遵守すれば双方の利益に結び付く。
将来は台湾と中国は一つであることが望ましいが、現在の中国は『一つの分断された中国』と言える。中華民国は1912年に成立し、1949年以降は台湾に移転しているが、中共政権の管轄権が台湾に及んだことは未だかつてない。台湾海峡両岸が二つの異なる政治実体によって統治されているのは否定できない事実である。中国の再統一は段階的に水が高きより低きに流れるごとく行い、中国大陸の民主化と両岸関係の発展が『平和統一』の進展を決定する。統一の前に台湾における中華民国の国民は、十分な自衛の権利を持つべきである。台湾の人口は2200万人だが、自由と民主主義の権利を有しており、中国の一党独裁共産思想には相容れない関係にある。
お互いに交流を拡大し敵意を解消し平等な機会を得て、ともに国際貢献しうる力となり、将来の平和統一に向けて有益な基礎を築かなければならない。
すなわち、台湾・中国は相互尊重の原則に則り、十分な意思疎通を図り、共通点を見いだし、分治された中国の現実を出発点となし、両岸の平和協定を協議・批准し、敵対状態を終結させ、協調体制を促進してアジア太平洋の安定を維持すべきである。
主張 世界大恐慌勃発!
稲毛新聞論説委員 入野守雄
令和2年4月7日、安倍首相は新型コロナ対策のため緊急事態宣言を発した。やるべきことは日本経済がデフレになるのを如何に防ぐかである。31年前の平成元年4月、消費税3%を竹下登首相が導入して同年12月平均株価3万9千円が2万円に暴落し、現在も2万円を切った状態で日本経済はデフレを続けている。この間米株は8倍に値上がりした。米国は国債を発行して各国から借金をして減税と公共投資で経済を成長させた。但し、借金大国だからドル安になった。
国連には我国を敵とする敵国条項があり、日本経済を潰すため世界一の債権大国、金持ちの我国にIMFが消費税実施を命じたので、成長が止まりデフレが続いている。米国は国債発行の借金で経済を成長させ、GDPの20%400兆円の経済対策を実行する。
しかし、ドル安となり日本から借りたドルの返済が安くなり米国は儲かる。安倍首相はGDP20%の108兆円の経済対策を唱えたが、デフレに追い込んだ消費税は廃止せず、プライマリ黒字化の国債発行の借金を否定している。債権大国で円高の日本なのに財政が破綻すると国債発行を否定するイデオロギーにヤラレテいるのが財務省であり政治家である。
中国は共産党独裁だが公共投資を実施し人民元高にしない。安倍首相の借金をしない108兆円は絵にかいた餅。30万円の現金支給も年収100万円以下の2000万人だから実質6兆円でGDPの1%に過ぎない。米国は毎週国民に5〜6万提供している。
4月7日の記者会見で30万円を国民全員に支給出来ないかの質問に、安倍首相は国会議員、公務員は所得が減っていないと説明。全員に配れば36兆円である。 債権大国日本は、コロナ対策で国民にもっと現金を支給してもいい筈だ。それなのに借金を悪とし国債発行を否定している。
昭和4年(1929)の大恐慌を解決したのがケインズのMMT理論の公共投資である。公共投資を拒否したのが左派民主党ルーズベルト32代大統領で、世界経済をデフレにし第二次世界大戦の原因となった。右派共和党31代フーバー大統領は日本を戦争に追い込んだのはルーズベルト大統領や原爆を投下した民主党トルーマン大統領であると述べている。借金すれば財政破綻すると言うイデオロギーはマッカーサーが大学にマルクス主義者を押し込み、左翼日教組に教育を牛耳させた結果である。
4千万人に支給の年金額が減っているのに、所得税を増やしているのが財務省、政治家だ。観光客激減で関連企業は倒産の危機だが観光客の消費額は2兆円である。国債発行でデフレを解消すれば解決できるのに放置する安倍首相はまともな資本主義を否定している。立憲民主党枝野幸男代表は消費増税必要と言うイデオロギーの持主。自民党髭の隊長佐藤正久参議員は立憲民主党の熊谷千葉市長の選挙事務所に応援ポスターを貼っているのは自民党が野党と同じイデオロギーの持ち主だからだ。
デフレを30年も続けているのは日本国だけである。それは自民公明政権の消費増税とプライマリ黒字化の国債発行否定が原因である。この30年間国債発行を抑制するブレーキでデフレになった事実を日本国民が認識できないのは、米民主党左派のマッカーサーのマルクスイデオロギーを正義と思い込み実行しているからである。
「きさってぃ」の自転車コーナー
コロナウイルスでどうなるか心配
自転車競技トラック中距離選手
日本写真判定株式会社 中村 妃智
皆さんこんにちは!きさってぃーの自転車コーナーです。
現在コロナウイルスが蔓延しており、規制された生活が続いていますね。海外選手やコーチもCOVIDー19に警鐘を鳴らしています。
その内容などはインスタグラムなどのSNSの投稿でよく見受けられます。
自転車競技もUCI(国際自転車組合)からレースの禁止期間が発表されていますが、期間の訂正が入り延長され続けています。
今回オリンピックにいけるかいけないか?という内容を書きたかったのですが、この数か月でオリンピックどころではない世の中になってしまいました。
数か月前、こんなことになるなんて誰も想像していなかったと思います。
自転車競技はオリンピック予選最後のレースである世界選手権は終了しています。
国の出場枠も決定しており、あとは国内での選手の発表を待っていた矢先このような事態になってしまいました。
選手発表は結局のところどうなるのか、既定のルールのままなのか、新たに選考しなおすのか、現在は連絡待ちです。
夢が叶えられる直前でのオリンピック延期、これまで様々なことを犠牲にもしてきましたし、オリンピック後の人生設計も考えていました。はじめは気持ちの整理がなかなかつきませんでしたが命には代えられません。
このまま強行していたら日本は、より手の施しようがなくなっていたと思います。
現在、私たちはコーチから遠隔でトレーニングメニューが送られてきて、トレーニングデータをコーチに送って生活しています。
自転車競技のメリットは実は家でトレーニングが出来るところです。ZWIFTというバーチャルでサイクリングが出来るアプリも登録者が激増しているかと思います。
皆さんも今を耐えて頑張りましょう!
早期の収束を心から願っております。
市民ガイド
2020千葉私立中学進学フェア
県内の個性豊かな私立中学校が大集合!自分にぴったりの志望校を探してみませんか?▼日時 6月14日(日)10時〜16時▼会場 千葉工業大学 キャンパス(JR総武線津田沼駅から徒歩1分)▼内容 県内私立中学校を紹介するガイドブックや入試関係資料の無料配布、合同説明会やセミナーの開催、部活動紹介▼問い合わせ (一社)千葉県私立中学高等学校協会 TEL043−241-7382千葉県私立中学高等学校協会で検索
5月31から禁煙週間
受動喫煙のない社会を目指しましょう。5月31日は「世界禁煙デー」。5月31日から6月6日までは禁煙週間です。たばこの煙は家族や友人など周囲の人の健康にも悪影響を及ぼします。望まない受動喫煙のない社会の実現を一緒に目指しましょう。たばこの煙に約5300種類の化学物質が含まれ、その中には発がん性物質も含まれています。たばこから直接出る「副流煙」はフィルターを通していないことなどからより多くの有害物質を含んでいます。周りの人が副流煙などを吸い込む受動喫煙は、健康に影響を及ぼすことが分かっています。特に妊娠中の方や子どもには受動喫煙を生じさせない様に配慮しましょう。街頭キャンペーン▼日程 5月31日(日)会場・そごう千葉店・京成千葉駅前広場▼問い合わせ・県健康づくり支援課 TEL043−223-2633
ミルクフェスティバル2020
6月1日は牛乳の日、6月は牛乳月間です。牛乳や乳製品のおいしさ、魅力を味わってみませんか?▼日時 6月6日(土)・7日(日)10時〜15時▼会場 千葉県立北総花の丘公園Bゾーン(北総鉄道千葉ニュータウン中央駅から徒歩10分)▼内容・搾乳模擬体験、働く車(トラクター)の展示、ポニーの乗馬コーナー、バター作り体験、牛乳料理のデモンストレーション、ジェラートなど乳製品の販売と試食、牛乳パック工作ほか▼問い合わせ・千葉県牛乳普及協会TEL043−228-7570
動物介在教育活動 ボランティア養成講座
犬との正しい触れ合い方、命の大切さなどを子どもたちに伝える活動するボランティアを養成▼日時 5月13日(水)6月10日(水)7月8日(水)10:00〜12:00全3回▼会場・動物保護指導センター▼定員先着10人▼申し込み方法・4月6日(月)から電話で日本動物病院協会へ。FAX・Eメールcapp@jaha.or.jp も可(必要事項のほか、犬を飼っている方は犬種、名前、年齢を明記)。問い合わせ:日本動物病院協会電話03・6262・5770(平日13:00〜17:00)FAX03・6262・5253
ギャラリー古島展覧会中止のお知らせ
新型コロナウイルスの感染拡大している状況を考慮して、予定しておりました下記展覧会の開催中止を決定いたしました。
2020年4月20日(金)〜5月4日(月)-天然藍灰汁醗酵建て-藍染苑のしごと展、5月15日(金)〜5月20日(水)ログゥ版画展-それぞれの時間-、5月22日(金)〜5月26日(火)墨の樹-書道-、大変残念ですが、また早く皆様とゆっくりお会いできますことを切に願っております。まだ終息の見えない状況でございますので、どうぞご自愛くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。
ギヤラリー古島
今月の人
(株)ヘルパーリンク 代表取締役 樋谷祐希さん(30歳)
高齢者にもっと寄り添ったサービスを
日常生活のお困りごとをご近所で助け合う
樋谷さんは1989年生まれ、広島県福山市出身。茨城大学教育学部を卒業後、(株)帝国データバンクで企業の信用調査、味の素(株)で栄養士としてプロスポーツ選手の栄養指導、ウェブデザイン業、広島でレモン農園の経営など、多種多様な経験を積んできた樋谷さんは、幕張や稲毛での朝市の運営や「うたせ認知症を考える会」の世話人として地域活動にも熱心に取り組んでいる。そんな樋谷さんが高齢者向けサービスを開始したのは、フィリピンで介護事業を手掛ける友人の「もっと高齢者に寄り添ったサービスを提供し人生を最後まで幸せに過ごしてもらいたい」という思いに共感したことがきっかけだったという。
2019年4月に(株)ヘルパーリンクを創業し、オンライン生活サポーターマッチングサービス「ヘルパーリンク」をスタートさせた。散歩・買い物・外食・趣味の付き添い、料理・掃除など家事サポートなど高齢者からの要望に近隣の登録サポーターが対応するシステムで、介護施設からの依頼も多い。入会金・年会費無料、1時間1,000円〜の料金体制となっている。利用希望者はウェブ・電話、またはケアマネージャー経由での申し込みが可能。依頼を引き受けるサポーターは、学生や主婦、引退後の元気なシニアなど現在約300人が登録している。
初回は地域コーディネーターが利用者宅に訪問し生活環境やニーズを伺い、その方に合ったサポーターをアレンジするなど、システムで事業を効率化しながらも"人が人をつなげる"という温かみのあるサービスが特徴で、ご近所のつながりを深めていることにも注目したい。
「サービスを必要としている方が予想以上に多かった。現在は美浜区・花見川区を中心に、先月から稲毛区でも依頼を受けており、今後は千葉市全体に拡充を図りたい」と樋谷さん。介護保険外の自費サービスとして全国的にも新しく、地域と行政のニーズに的確に応える仕組みが評価され2019年開催の「第18回ベンチャーカップ CHIBA」で優秀賞を受賞。行政だけでは行き届かないこまやかな高齢者サポートで、介護人材不足の解消にも貢献している。
5月からは新サービス「便利すぎる宅配お弁当屋さん」を開始する。栄養バランスのとれたお弁当をサポーターが配達に伺った際に電球の交換など、ちょっとした頼みごとを引き受けるという。 樋谷さんは「困ったときはヘルパーリンクに頼めば解決してくれる、そう思ってもらえるような、地域から頼りにされる存在になりたい」と語った。
http://helper-link.com
050-5359-7358 【取材・真田はる代】
随筆 ああ、初恋
花々が咲き揃い、鳥は歌い、風香る一番心ときめく季節がやって来たというのに今世の中はコロナウイルスのおかげで大変なことになっている。イベントは全て中止だしデパート始め各商店も休んでいる。私の店「ラウンジ夢子」も休業している。
出来るだけ人と会ったり集まったりもやめる様にとのことなのだ。
儀ちゃんが生きていたら何て言うだろうかと考えてしまう。早く薬が開発されるのを祈るばかりだが…儀ちゃんが健在だった当時は連休といえばいつも養老渓谷の「滝見苑」さんに行っていた。
千葉県内で自宅から近いし、宿もきれいだからと毎回この宿へ来たのだが、なんと言っても最大の理由は女将さん儀ちゃんの初恋の人とよく似ているからだった。儀ちゃんが大切にしている古いアルバムにしっかり貼られている初恋の人の写真を私は何度見せられ、思い出話を幾度聞かされたことか。セーラー服姿のその人はぽっちゃりした丸顔の可愛い人だった。でも二人っきりで会った事も無く、文通だけはひんぱんにしていたそうだ。多分儀ちゃんが一方的に熱を上げていたのかもしれない。やがて銚子商業を卒業した彼は戦争に行くことになった。出征する日村の神社で皆さんに挨拶をしたが後ろの方に彼女も来てくれていたそうだ。その後駅にも見送りに来てくれたのだと言う。
死を覚悟して戦争に行き特攻隊員として激しい訓練の日々を過ごしていた儀ちゃんだったが、飛び立つ事もないまま終戦になり、香取市山田の家に帰った。儀ちゃんのお母さんは「足があるから幽霊じゃないよねえ」と言ったそうだ。生きて帰ったものの国に捧げる命とだけ決めていたので自分の気持ちのやり場が無くそれからの一年間は近隣の若者達とケンカばかりする荒れた毎日を過ごしていたそうだ。
そんな儀ちゃんに近くに住む女の学校の先生が「儀君、このままだったら人間にならないよ」と忠告してくれた。
そんな折、初恋の人が結婚するという話が聞こえてきた。儀ちゃん自身もこんな生き方は良くないと言う気持ちも生まれていた時だった。一言も文句を言わずじぃっと温かい目で見守ってくれている両親に大学へ行きたいと話した。
両親はこころよく賛成し「大学生活の費用は一切心配せず勉学に励めよ」と笑顔でいった。すぐに受験し東京での学生生活が始まっていった。「滝見苑」さんに初めて行ったのは偶然だったが、女将さんの顔を見た瞬間儀ちゃんは固まってしまった。そして小声で初恋の人にそっくりだろうと聞く。
私は「さあ、あの写真だけじゃわからないよ」と答えたが「いや、そっくりだ」と言い張った。その後彼はゴールデンウィークは毎年滝見苑に行っていたものだ。「七十過ぎて何が初恋よ」と私は反論しながらも、心の中では儀ちゃんの若いころのたったひとつのホットな思い出をほほえましく感じたものだ。
青春時代を戦争中に迎えた儀ちゃん達年代の方々は本当にかわいそうだと思う。思う。出征する時見送りの方々の中に彼女をみつけたがその後一度も会っていないそうだ。 色どりのなかった青春時代だから、初恋の話はいつまでも胸の中で新鮮に生き続けていたのだろう。
■地元のリフォーム工事店(有)マイケン
■出雲大社千葉、正式に発足
■世界初のSDGsユニットデビュー
■論壇 今こそ日本人の民度を示せ
■「稲毛新聞」をお気に入りに登録する