130,000部発行
2019年7月5日
通巻第274号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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論壇 ノートルダム・ド・パリ
成田市 上田 真弓
 四月にパリのノートルダム大聖堂が火事で尖塔や屋根が崩れ落ちたニュースを見て、学生時代に読んだヴィクトル・ユーゴーの『ノートルダム・ド・パリ』を思い出した。
 私は読んだ本はすべて読み始めた日と読み終えた日を一冊のノートに記録している。また日記帳に感想を書いている。
 記録によるとこの小説を読んだのは1981年で、本棚の古い日記帳を読み返してみた。感想は数行の時もあれば数ページ書くこともあり、この小説については読んでいる途中から約7ページも書いていた。それほど感動したのだ。「結末があまりにも悲劇的なので愕然とした。まさかエスメラルダが死んでしまうとは思わなかった。カジモドがエスメラルダに抱きついて死んでいたという最後の場面は、なんとも悲しく印象的だ。クロード司教補佐が塔の上から突き落とされるのは悲惨だが、ひどいことをしてきた彼にふさわしい最期だろう」などと書いている。
 日記によれば、私が読んだのは神田の古本屋で買った潮文庫の『ノートル=ダム・ド・パリ』で、ノートルとダムの間に=が入っている。上下二冊で作者名はヴィクトル・ユゴー(ユーゴ―ではなくユゴー)となっている。翻訳者は辻昶(とおる)・松下和則の二人と書いてある。なぜ翻訳者の名前まで記録してあるかというと、この日本語訳が非常に素晴らしく、「言葉のひとつひとつが美しい詩のようだ」と書いている。
 ニュースによると、ノートルダム大聖堂はこの小説によって有名になったそうだ。火事で焼けたことは残念だが、多くの人がこの小説を読むきっかけになってほしいと願う。さて、ヴィクトル・ユーゴーといえば、何と言っても代表作は『レ・ミゼラブル』だ。私がこれまでに読んだ文学作品の中で一番好きな小説だ。
 記録によると1976年に読んでいる。16歳の時だ。日記帳を見ると約15ページも感想を書いていた。誰かに感動を伝えたくて、私は母に何度も話していたようだ。「お母さん、ジャン・ヴァルジャンって本当にいい人なんだよ」「コゼットはかわいそうなんだよ。テナルディエって奴は本当に悪い奴だ」「コゼットがジャン・ヴァルジャンに助けられたよ」「コゼットに恋人ができたよ」「ジャン・ヴァルジャンが死んじゃったよ」などと興奮して話している。母は「へえ、よかったね」「世の中には本当に悪い人がいるんだよ」「えっ、死んじゃったの?」と、いつもちゃんと話を聞いて答えてくれていた。すっかり忘れていたが、日記を読み返して「ああ、そんなことがあったなあ」と、母のことを懐かしく思い出した。

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