130,000部発行
2018年12月7日
通巻第267号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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星霜録
 私ごとながら昨年11月に大腸がんが見つかり、千葉大学病院に入院し、手術は成功し大腸がんは克服した。しかし、今年11月に担当医からがんは肝臓に転移していると告げられ、再度入院し治療を受けることになった▼千葉大学病院は一日に約4千人の患者さんが訪れて様々な診療を受ける大規模総合病院である。最新の医療器も豊富に整い、医師団から看護師まで実に行き届いたサービスが受けられるシステムになっている▼私は抗がん剤治療を受けることになったが、その抗がん剤の副作用で逆に酷い状況になった。そこで医師に相談し、抗がん剤を一時中止して頂き、稲毛新聞12月号の編集作業のため退院させていただいた。その間、稲毛病院で治療させていただくことにし千葉大の主治医の了解をいただいた▼実は稲毛新聞11月号は論説委員の今村敏昭氏がいろいろ苦労して完成してお届けすることができた。今月号も1面の対談企画や主張、その他様々な記事を提供していただいている。無料報酬でお手伝いしてくれる力づよい味方で心から感謝している▼今村氏との出会いは今から約17年前だった。当時、千葉市長選挙に出たいと言っていきなり鶴岡市長を相手の立候補で、稲毛駅前での演説が初対面。その後市議を一期務めたが、現在は行政書士として活躍する傍ら、稲毛新聞のよき協力者となっている。  (正)

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連載シリーズ(14) 間違いだらけの痛み対策
疼痛の心理学的特徴 都賀治療院 院長 藤 城  博
 重症のぎっくり腰や椎間板ヘルニアの急性期では、最適な治療と、自宅にて一番痛みの少ない姿勢をひたすら維持し続ければ、必ず良くなります。
 その際食事も横たわったまま摂る。トイレは、し瓶で、風呂は中止しひたすら痛みを出さないで暮らせば最短期間で治ります。痛みのあるところ必ず炎症があり、炎症は安静で必ず消褪して行きます。
 ここで一つ頑固な坐骨神経痛の症例を挙げ、治らない原因と治るための考え方と具体的な対策を示します。千葉県旭市在住の74歳男性、腰から右臀部〜下肢全体にかけての激痛で、動けない状態の患者さんから、知人の紹介で電話相談がありました。
 某病院で変形性脊椎症と脊柱管狭窄症の合併症という診断でした。治療は神経ブロック注射と痛み止めの薬を服用していましたが、全く軽快する兆しがなく困り果てていました(これは治療の不適が原因ではなく、「痛いことをしない」という重要な生活指導がされないことが問題でした。
 車に乗れず通院も無理という状況でしたので、往診に行きました。痛みで歩行困難、仰向けに寝ると激痛が走り、斜めに寝ていましたが、それでも痛みが続いていて夜もろくに眠れないということでした。いろいろ聞いているうちに、奥様が夫は歳だから、このまま寝たきりになってはいけないと思い、トイレや風呂、食事など、その都度、激痛を押して引っ張り起こして歩かせていたとのことでした。 そこで私は痛みのメカニズムを丁寧に説明し、痛みを治すハリ治療と、具体的なヒーリングポジション(治るための姿勢)と生活指導を致しました。その際、本人、家族の根強くある「安静による寝たきりの不安」を払拭するのは容易ではありません。そんな時、私は先ず三日間、言う通り安静にしてみて下さいと言い残して帰ります。三日後に治療以前の痛みの大きさを10として、今いくつですかと尋ねます。すると大抵の方は8とか7とか、場合によっては5とか答えます。これでもう決まりです。
 患者さんと家族に治る希望が出ますので、あとは痛まない姿勢や生活を徹底するようになりますから、確実に治って行きます。
 この症例では私は二度往診に行っただけで、あとは、日に日に軽快して3週間でほぼ完治しました。その間、痛いことはしないで安静に徹しました。しかしその安静で歩けなくなるどころか、痛みがない分、普通に歩けますから、寝たきりの不安は、取り越し苦労だった訳です。私の40年の臨床経験では、痛みが出る以前まで歩けていた方が、治療に必要な安静をした結果、それがきっかけで歩けなくなった人は一人もいませんでした。もちろん、そのまま、ずっと長期間安静のままではなく、痛みが消えたらなるべく早く痛みを出さない範囲内のリハビリを開始するわけですが。つまり寝たきりの不安は事実ではなく、大脳が作り上げた妄想なのです。事実、不安の8割は実際には起こらないという統計があります。
この方はよくよく懲りたと見えて、無理をする癖を止めて、仕事や生活の中で痛みを出さないコツを会得しましたから、今のところ二年過ぎても順調です。
 運動器疾患は沢山挙げられますがその原因を大まかに分類してみます
 (1)スポーツや怪我による受傷(急性と慢性があります)(2)職業病(長年同じ動作の繰り返しで特定の組織が損傷)(3)日常生活のくせ(ライフスタイル)から長年かかって発生するもの(4)老化現象から発生するもの(5)文明化による退化病(主に筋力低下)(6)栄養不足による骨・筋や関連組織の退化。
 次に各論として日常多く発生する運動器疾患から順に症例報告致します
【変形性膝関節症】
T.変形性膝関節症とは
(1)膝の変形と痛みのメカニズム 膝関節は構造や、機能的、力学的に人体中最も複雑な間節である。他の関節には無い膝のお皿と言われる膝蓋骨(種子骨)、半月板、十字靭帯がありこれらが膝の関節を複雑にしている。膝関節は屈曲の角度が深いので負担が大きく、大腿骨も下腿骨も長管骨の為180度伸展位を超える際に強大なモーメントが発生し、障害されます。
 また左右の動きに関しては内・外の側副靭帯で固定されていて殆ど動かない訳ですが、やはり長官骨のため左右の折れ曲がりのモーメントが他の関節より顕著に大きく、内側・外側の側副靭帯や関節包に負荷がかかり、周辺に炎症が起きて骨が増殖し、痛みと変形が発生してきます。
 足関節なども同じように体重を支えていて衝撃もある訳ですが、足関節の変形性関節症はあまり発生しません。  (以下次号に続く)

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主張 カルロス・ゴーン
稲毛新聞論説委員 今村敏昭
 いやあ、驚いた。あの、カリスマ経営者が金融商品取引法違反で逮捕された。将来もらう報酬を決めていたのに、それを公表しなかった罪だという。
すでにもらった報酬を過少に公表していたともいう。家族の報酬や、諸外国に点在する会社名義で購入した住居は個人の収入だと判断できるともいわれている。結果的に税を逃れた疑いも出てきており、捜査は長引いても、いずれ全容が明らかになるだろう。
 この6月、わが国にも「司法取引」が導入された。アメリカの司法取引は「自分の罪を認めるかわりに自分の罪を軽くしてもらう」ところにあるが、日本の司法取引は「他人の罪を申告する代わりに自分の罪を軽くしてもらう」点で、まったく意味が異なっている。
 日本の「司法取引」は「告げ口すれば許される」側面があることが、制度導入の際、大きな論点になった。いま、彼だけに批判が向いているが、「告げ口しなければ同罪」だった役員がほかにいることを忘れてはいけないだろう。
 彼が有罪なら、それに加担したり黙認した人がいたということだ。
 欧米では、日本の捜査手法や容疑者の処遇に批判が高まっている。
 我が国の刑事収容施設(拘置所や刑務所)は軍隊的規則に縛られ、収容者の処遇が劣悪だと批判されることは多い。批判が正当かどうかは別として、彼が人間らしくないひどい扱いを受けているというのが欧米マスコミの論調だ。
 家族にも会えない、面会は日本語でなければならない、裸にしての身体検査は屈辱的だと酷評だ。
 筆頭株主が仏政府であるルノーはフランス国営も同然だ。ルノーを通し、日産が事実上仏政府の支配下に置かれることを嫌悪した日本政府と日産自身が仕掛けた「クーデター」だとの見方さえあるくらいだ。
 それより気になるのは我が国のマスコミの論調だ。逮捕容疑は、報酬を正しく公表しなかったという金融商品取引法違反であるのに、ワイドショーは巨額の報酬を得ていることばかり強調している。
 金融商品取引法違反だといわれてもピンとこないが、何十億円も報酬をもらって隠していたといった報道には即座に「ズルいっ!」という感情がわくから、視聴率を気にしてそこばかり報じている。欧米と日本では金銭感覚も判断基準も違うとも報じているが、どちらが正しくどちらが悪いというわけでもない。肝心なのは彼が何をして何に違反したか、事実をを明らかにすることではないか。その上で文化の違いについて論じなければ、議論の整理がつかない。
 逮捕や家宅捜索は犯人だから行うだけではなく、犯人かもしれないという段階で行うケースのほうが多い。本来、無罪推定であるはずなのに、有罪確定のような報道ばかりであるのも気に入らない。
 インパクトの強い事件であるし、国際的にも高い関心を呼んでいるから、徹底的に捜査して、彼のしたことのすべてを明らかにしてほしいが、決して「ケッ、何十億も何百億ももらいやがって、フン、いい気味だ」という世論の構成を導くような報道姿勢だけは取らないでほしいと願っている。

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短編小説 モノレールストーリー
モノレールは母の味 作・吉成 庸子
 せっかくの休日なのに、早くから目が覚めてしまった。
 窓を開けると冷気を含んだ風が、良美の頬をなでて吹き抜けていった。 でも空は明るい。
 「ああ、今日は上天気になるんだわ。嬉しい。」 そう独り言を言ってから、良美は台所へ入った。 見合い結婚して、一人男の子を授かったのだが、その子純矢が五歳になった時、夫とは離婚してしまった。
 埼玉県の代々続く和菓子店の、一人息子として育った夫は、両親になにひとつ逆らえない男だった。早くに両親と死に別れ、千葉の親戚に引き取られ、良美は短大を卒業した。
 親戚のその家も和菓子店をしていた。だから学校から帰ると店番や、お菓子作りをよく手伝っていた。
 そんな縁で結婚したのだったが、夫の両親と何故か初めからしっくりいかなかった。
 嫁入り先でも、朝から晩まで店を手伝っていた。近所の人や店のお客様からは、「いいお嫁さんが来て、これから先も安泰だねぇ」等と良美が褒められるのが、姑が気に入らなかったのかもしれない。
 お菓子作りに執念をかけている姑は、仕事場に入りっぱなしで無口な人だったが、姑に家の中も店も任せている。
 だから、些細なことで良美が姑から叱られていても、知らん振りだった。夫も同じだったので、良美は愚痴を言う人がいなかった。純矢が産まれた時は、さすがに喜んでくれたが、その後がいけなかった。「この子は家の大切な跡取りだから、あんたには育てさせられないわ」と姑が言い出し、良美は、自分の子供なのに乳を与える事さえ出来なかった。でも、ひとつ家の中に入ればそこは親子だ。  時折純矢が、「ママ」と言って、飛びついて来たりした。だが、店と別の住居を借りて、純矢を連れて姑は越してしまった。 姑と夫の世話をしながら店で働く毎日。良美は家を出て、千葉へ戻った。親戚の人が見かねて弁護士さんを頼んでくれ、離婚が成立した。
 純矢に年二回会わせてもらう事だけを条件に。部屋を借りて職についた。純矢は、母を忘れていなかった。
 初めて再会した時、モノレールに乗った。期待以上の喜びようだった。今日もモノレールに乗ろう。そして動物公園に行って私の作ったお弁当を食べよう。純矢にお袋の味を憶えてもらうためにも。良美の胸は弾んだ。

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市民ガイド
そごう千葉店
「チャールズ・ファジーノ3Dアート展」躍動感あふれる、色鮮やかで楽しい飛び出す3Dアート!大人から子どもまで楽しめる立体アートで元気をお届けします。ニューヨーク在住のチャールズ・ファジーノは30年以上の間3Dアートの第一人者としてグローバルに活躍中。シドニーから平壌オリンピックまで10大会連続のUSオリンピック委員会公式アーティスト!2020年東京オリンピックの公式作品も制作予定です。▼会期・12月18日(火)〜24日(月・祝)▼会場・そごう千葉店7階=美術画廊(入場無料)▼企画に関する問い合わせ先・ファジーノ日本総代理店ハイスピリッツ&&ユウ(株)Tel06-6541-5417 担当田中
千城台高校校外芸術祭
まぼろしフェスタ2018▼日時・12月18日(火)〜22日(土)5日間。『展示発表』美術部/マンガ・イラスト・アニメーション部/写真部。会場には「プラ板とレジンで作るおしゃれなブローチ」の無料体験コーナーを設置▼9時〜17時(最終日は16時まで)会場・若葉区千城台コミュニティセンター(若葉区千城台西2-1-1)
ステージ発表
★音楽部・クリスマスソング、映画音楽、ディズニーソングなど(13時30分開演)☆演劇部・オリジナルの脚本で大人から子供まで楽しめるお芝居(14時25分開演)★吹奏楽部・アニメメドレー、懐メロ、クリスマスメロデーなど(15時15分開演)☆終演16時30分の予定、会場・若葉区千城台コミュニティセンター▼問い合わせ・県立千城台高等学校、担当鬼澤宰(教頭)Tel043-236-0161
朝日ヶ丘混声合唱団
▼日時・12月11日(火)14時開演▼会場・千葉市美浜文化ホールメインホール(美浜区真砂5-15-2)入場無料☆内容・♪混声合唱・斎太郎節、モルダウ他♪女性合唱・「となりのトトロ」より、小さい秋みつけた他♪男声合唱・月の砂漠、上を向いて歩こう他♪テノール独唱・帰れソレントへ、アマポーラ▼お問い合わせ・043-257-3034(代表・小嶋)
ギャラリー古島
「大野晶平・平川真理子二人展」−陶芸とつまみ細工-12月14日(金)〜12月19日(水)来年もよろしくお願い申し上げます。良いお年をお迎えくださいませ電話043-243-3313
Fax043-5241-3041(JR西千葉駅西友側徒歩2分)
千葉市郷土博物館
千葉寺地区の遺跡展-地中の歴史をさぐる-区画整理事業に伴い千葉寺周辺から発掘された貴重な資料を展示、飛鳥時代から平安時代に焦点を絞り、墨書土器や珍しい金鈴など豊富な出土品から歴史をさぐります▼日時・12月16日▼開催時間・9時〜17時(入場料無料)千葉市郷土博物館(中央区亥鼻1-8-1 Tel043-222-8231)
ホキ美術館
「人・ひと・人人って面白い」初公開される野田弘志の大作「崇高なるもの」を含む写実的人物画が結集、同時に国内外から応募された274点から選ばれた「第一回ホキ美術館プラチナ大賞」受賞作品も1月14日まで展示される▼開催日時・11月23日〜2019年5月12日(日)10時〜17時30分*火曜日休館▼入場料・一般1,800円、高大学生・65歳以上1,300円、中学生900円▼ホキ美術館(緑区あすみが丘東3-15)
Tel043-205-1500)
多田屋稲毛店12月のお話会
12月のお話会(絵本の読み聞かせ・手遊び・紙芝居)は12月14日(第2金曜日)11時からとなります☆書籍・雑誌のご用命は多田屋稲毛店へ。1931年の県民手帳(表紙、黄色紺)入荷しました。*Tポインがご利用になれます。ご自分で探索出来るタブレット設置しました。
ハンドメイドクリスマスフェア(inまちスポ稲毛)
(稲毛区長沼原町731−17)フレスポ稲毛内▼12/14(金)・15(土)・16(日)14日(11:00〜15:30)・15日・16日(10:00〜15:30) 宮城県からすてきなハンドメイドアーティストがまちスポに大集合!!ワークショップももりだくさん♪ワクワク・ドキドキの3日間♪お気に入りの逸品に出会えるかも!
KOMAYUH企画・090-6456-0654(小松)

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今月の人
西千葉駅前の古島家具店 古島 一良 さん(71歳)
本物にこだわり続ける 籐工芸家
 JR西千葉駅の前にある古島家具店は創業83年になるが、古島さんは、創業者である父の定男さんのあとを継いだ2代目ということになる。
 古島さんは昭和22年生まれの71歳。高校を卒業後デザイン学校でインテリアデザインを学び20歳で父に弟子入りした。息子だからあとをつがなくてはと仕方なくではなく、すんなりと弟子入りしたという。父の定男さんは籐工芸一筋に腕を磨いた名工で、千葉県家具振興会で知事賞を2度受賞、「千葉県指定伝統的工芸品」の指定を受けている。
 弟子入りして長い年月父から月厳しく技術の指導を受けただけではなく、本物を作って残したいという職人魂を受け継いでいる。
 よい作品はよい材料から生まれる。材料の籐はインドネシアからら輸入しているが、籐にも色々の種類がある。古島籐家具では最高級の本物の籐だけを選んで買い付ける。
 本物の材料を使って本物の作品を残したいからだ。籐製品は原産地で加工された劣った製品が輸入され安く売られているため本物を作る職人が年々減って今では国内に数軒ほどしかないという。
 古島籐家具店は大小の家具やインテリア、アクセサリーなど洗練された見事な作品が並んでいるが、一番のこだわりの製品は父定男さんと同じ籐椅子のようだ。注文品を作る時は注文した人と納得のいくまで打ち合わせてから制作する。
 椅子は材料を揃えてから大体出来上がるまでに1週間はかかるそうだ。自分でも満足するものができてお客様から「とてもすわり心地がいい」と喜ばれた時が籐工芸家になってよかったと思う瞬間だという。
 そのほか店内には籐製のベットがあるが、使った人からとても寝心地が良いと好評で、父も私の作ったベツトに寝ていましたと語る。
 ちなみにお値段は33万円とか。厳しい父定男さんから長年薫陶を受けた名工の古島さんは千葉県卓越技能賞を受賞、県の伝統的工芸会会長としても活躍している。
 【取材・佐藤 節子】

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随筆 けやきの思い出

吉成 庸子さん
 十一月三日、今年も山王町の青木さんにお招き頂き「けやき会」に出席させて頂いた。青木さんのお庭のけやきはそれは見事だ。
 大人が十人位手をつないで木の幹を取り巻いても、まだたらないだろう。毎年、五月と十一月にけやきの下に集まって、飲んだり、心のこもった手料理を食べながら楽しく野外宴会に心も身体もゆったりさせる。野外宴会なんて、近頃じゃめったにないもの、青木さんは何日も前から材料を用意されるとか…。
 市長さん始めいろんな方々が集まるのも楽しい。五月は緑いっぱいのけやきの葉が頭上にまで枝を延ばし、時折吹いてくる五月の風にさやさや葉がゆれるたびにかぐわしい香りが会場に流れてくる気がする。十一月は枯葉がヒラリ・ヒラリと目の前に舞い降りる。
 それを眺めながらお酒を飲むなんてなんとも言えない風情だ。
 そんな大木ではなかったのだが、我が家の庭にもけやきの木が一本あった。
 ところが落葉の季節になると塀を越えて道路に大分葉が落ちた。そこで儀ちゃんは考えたらしい。
 枝を全部切ってしまおうと思ったのだ休日の午後、めったに使わない高ばしごを持って来て、けやきの木に登りだした。手には鋸を持って、腰に縄を何重にも巻いていた。はしごから木に登りつくと、木にも縄を巻いた。そして枝に向かって手を延ばしたとたんに儀ちゃんは地上に落下した。
 私はビックリして裸足で儀ちゃんの側に駆け寄った。
 すると儀ちゃんは「俺はどこもケガしてない。落ちる途中で受け身の体勢をとったからな」なんて負け惜しみを言う。
 どこもケガしてないらしいのでホッとしたのだが、その夜布団にはいってから「腰が痛い」と儀ちやんが言い出す。
 「ちょっと見てくれ」というのでパジャマを脱がしてみて驚いた。
 腰一面がものすごいアザだ。お医者様もやっていない。仕方なく柔道の先生をしている弟に電話した。
 弟は「今夜一晩冷やして明日医者に行くように」と言った。うなり声をあげている儀ちゃんの腰を私は一晩中冷やし続けた。
 翌日私が手を貸したが儀ちゃんは起き上がれた。十五分かけて背広にネクタイを着け「銀行へ行く」と前こごみの姿勢で玄関に向かう。
 「病院へいってネ」と声をかける私に「ウルサイ。俺はそんなやわい男じゃない」とどなった。
 そのまま直ってしまったのは事実だけどネ。少しも眠らず冷やし続けた私に感謝の心はないのかね?

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