130,000部発行
2017年12月8日
通巻第255号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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論壇 三匹の子豚の教訓を変えるな
成田市 上田 真弓
 11月6日の産経新聞に次のような中学生の投書が載っていた。
 『学校の公民の授業で「昔話法廷」というテレビ番組の「三匹のこぶた裁判」を見た。「三匹のこぶた」の物語を元にして、裁判員裁判が開かれるのだ。狼を殺害した罪に問われた子豚を被告人として裁判が進められる。簡単ではあるが裁判の仕組みがわかるようになった。別の時間には死刑について学んだ。ヨーロッパ諸国など多くの国が廃止している死刑制度の良い点と悪い点が挙げられ、クラスメートと意見交換した。自分と違った観点からの意見はとても参考になった』。
 なかなか立派な意見だが、問題は授業で見たという番組だ。狼を殺した子豚を裁判にかけるという発想が間違っている。
 ネットで確認すると、これはNHKのEテレで放送された番組だ。
 「三匹の子豚」は、狼がやってきて一番上の子豚のワラの家を吹き飛ばし、二番目の子豚の木の家も吹き飛ばし、一番目と二番目の子豚が狼に食べられる話と三番目の家に逃げる話がある。
 三番目がレンガで造った家は頑丈で、狼は言葉巧みに子豚を外に誘い出そうとするが騙されず、逆に知恵を働かせて、煙突から忍び込んだ狼を煮えたぎった熱湯の中に落として殺してしまうという話だ。
 日頃からの備えが大事で、三番目の子豚のように賢くなりなさいという教訓的な話だが、その三番目の子豚を裁判にかけるというのだ。
 なぜこんな発想が生まれるのか、思い当たることがある。実は今では日本版「三匹の子豚」もあるのだ。 一番目と二番目の子豚が三番目の家に逃げ込んだ後、狼がレンガの家を爪をたてたり、かじったりするが歯が立たないので諦めて帰る。それを見ていた三匹の子豚たちが「狼さんはきっとおなかが空いていたからあんな乱暴なことをしたんだ。かわいそうだから助けてあげよう」と言って狼を家の中に入れ、傷の手当をしてあげ、暖かいスープを飲ませる。
 それから三匹の子豚と狼は仲良く暮らしましたという物語に作り変えられているのだ。そんなことをしたら三匹とも食べられて全滅だが、どんな人たちがこんな話に作り変えて広めようとしているのか推測できる。
 憲法九条さえ守っていれば日本は安全で、こちらが何もしなければ相手も何もしないと考えている人たちだ。
 しっかり自分を守る三番目の子豚のようになりなさいという教えなのに、三番目の子豚のしていることは危険で間違っていると考えるのだ。そこから三番目の子豚を裁くという発想になる。このテレビ番組を学校の授業で使うのは間違っている。

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