130,000部発行
2017年8月4日
通巻第251号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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星霜録
 北朝鮮がミサイルを発射するたびに安倍首相は厳重抗議声明を発表する。いくら抗議しても全く無視して、あざ笑うように毎回発射実験を繰り返す北朝鮮。日本の抗議声明は中国にある北朝鮮大使館を通じて発信するというから直接北朝鮮に届いているかどうかも定かではない▼北朝鮮のミサイル技術はますます性能も向上し、いつどこからでも発射できるという。これに核弾頭を取り付けて米国本土を直接狙う大陸間弾道弾(ICBM)にしようと躍起になっている。日本の抗議などどこ吹く風である▼にもかかわらず安倍内閣は相変わらず「米韓中と協力して北朝鮮に対して圧力と制裁を強化する」のパターン。北朝鮮の軍事力増強には歯止めがかからない。アメリカに対して宣戦布告を仕掛けているようなものだから止めろと同盟国の日本が騒いでも聞く耳を持たないのは当然であろう▼以前にもこの欄で述べたことがあるが、拉致問題を解決する唯一の方法は北朝鮮と仲良くすることである。小泉元首相が対話の道を開き、数人の拉致被害者を救った実績がある。その経験を生かすことがなぜ出来ないのか不思議だ▼政府抜きで再度小泉純一郎を北朝鮮特使として和平交渉に当たらせるのも一つの手段ではないだろうか。支持率低下の安倍内閣。拉致家族救済を反故にしないためにも今こそ決断して欲しい。 (正)

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連載シリーズ 「ありがとう」で病気は治る 21
介護老人保健施設たいよう医師 大 國 義 弘
同僚の悪口で原因不明の心身症 (1)
 デパートの化粧品売り場のA子さん。超がつく真面目人間で、仕事が大好き。全身全霊を仕事にささげてきました。お客様の受けもよく、誇りを持って仕事をしていたところ、ある時、同僚に食事に誘われました。同僚によれば、友人と思っていたB子さんがA子さんの悪口を言っているというのです。
 自分の前では靴や洋服の選び方、仕事でもある化粧のセンスなど、事あるごとに褒めてくれていたB子さんが、そんな裏表の行動を取るなんて。
 彼女は支持者で味方だと当然のように思っていただけに、裏切られたという思いが強烈で、天国とは言わないまでも、快適だったはずの職場から奈落の底に突き落とされたような感覚に陥りました。
 それからは毎日が針のむしろ。特に翌日はB子さんも自分も同じシフトという日は、前の晩から気分が暗くなりました。
 睡眠は取れるものの、夜の9時になるとそわそわし始める。根拠の無い恐怖感、手の震えが現れた。
 コップを持つと、こぼれないようにするのが大変で、仕事でたまにパソコン画面をマウスでクリックするにも手が震えて目的のボタンに矢印が定まらず、出勤前も身体が震えて、自宅の階段から落ちそうになりました。実際に踏み外して落ちてしまい長い勤務の中で初めて、欠勤したこともありました。
 手の震えのひどさは車の運転の時も同じで、滅多に乗らない高速道路の運転は危なくて全く出来なくなり、以来遠出をするにも一般道だけを使うようになりました。
 朝夕の通勤時も、一人になれば、暗い思いがズシンと身体にのしかかり、なおさら震えがひどくなり、気持ちがさらに重くなる、の悪循環で、これが、うつなのかなと思うようになりました。
 笑顔も消えました。口数も少なくなりました。桜の木として生まれて来たらよかった、と思うまでになり、朝、目覚めた時、生きてなかった方がいいなと、と思うことすらありました。
 無性に泣きたくなることも多くなりました。こんな状態が一年以上と、あまりにも長く続くもので、A子さんはしみじみと入社以来のB子さんとの関係を振り返ったそうです。
 今までずっと一緒に仕事をしてきた。新人歓迎会の出し物を一緒に練習、夏の社員旅行も、冬の忘年会も、個人的なクリスマスパーティも、共に楽しんできたはずなのに。困った時は、互いにグチを聞きあって、いい仲間と思ってきたのになんで…?
 悶々としていたある日、たまたま筆者と会う機会があり、相談をして下さいました。
 筆者は話を聞いて、考えました。運転に支障が出るほど、手が震えてしまう。さらには、階段から落ちてしまうなど、症状が激しいわりには、お元気そうで、長い経過にも関わらず、進行している様子もなく、普段は症状が明らかではない。それどころか大丈夫の時は全くの無症状。意識が無くなることもない。
 顔がゆがんだり、手や足が動きにくい、というような麻痺もない。明らかに、脳卒中や髄膜炎などの急性の病気はあり得ない。
 脳腫瘍のように徐々に大きくなる病気でもなければ、変性疾患という細胞がゆっくりと死んでいく進行性の病気でもなさそうだ。神経内科の専門医なら、このような症状を呈し得る疾患を10個も20個も挙げることが出来たかも知れません。
 しかし幸か不幸か、筆者には知識が無くてこれ以上の病気は考え付きませんでした。
 筆者とA子さんは昔からの知り合いということもあって、これは恐らくはストレスによるものであろうと推測しました。
 そして、あまりにも時間が経っているので、まずは、ありがとう療法を試してもバチは当たるまいと思い、会社勤めと書いて、理不尽と読め、なんて格言を思い出しつつ、そして、女の職場は大変だな、と同情しつつA子さんにお願いしました。
 腹が立つB子さんに向かって、ありがとうございます、と言って下さい。
 面と向かっては、到底言えないでしょうから、心の中で唱えて下さい。周囲に人がいなければ、声に出して。(次号に続く)

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主張 辞任はつらいよ
稲毛新聞論説委員 今村敏昭
 稲田防衛大臣と蓮舫民進党代表が辞任した。
 私たちは報道でしか情報を得られないから、問題発覚から辞任まで、真実どのような経過があり、なぜ時間をおいての辞任になったのか、辞任するにしても追い込まれての辞任を避けるすべはなかったのか、早い時点で辞任していればこうまでこじれなかったのかどうかなど、たらればの推測がかまびすしい。今村前復興大臣の迅速な更迭と比べ、稲田防衛大臣の引張りようは「お友達」優先との批判の格好の攻撃材料になったし、野田幹事長の辞任より先に蓮舫代表が辞めるべきだったという見方もある。
 稲田防衛大臣が森友の代理人弁護士をしていたことがあったが、そのこと自体はなんら不当なものではない。なのに、それが大臣の職務にどう影響するのか明らかにしない
まま野党が追及を続けたから、決め手を欠いた。
 都議選の応援演説で決定的な失言が出たことが大臣を追い詰めたが、大臣としての立ち居振る舞いにも批判があったし、PKOの日誌の隠蔽問題は事務次官や幕僚長の引責辞任にも類が及んだ。これだけ不祥事が重なれば辞任もやむを得まい。 辞任が遅れた分、大臣が受けた傷も大きくなった。
 蓮舫代表に最も問われたのは都議選の大惨敗の責任だが、もとはといえば、自身の二重国籍問題にあった。
 アルベルト・フジモリ元ペルー大統領が参議院議員選挙に立候補したときは二重国籍は問題にならなかったが、最初から二重国籍が明らかだったフジモリと、明らかになっていなかった蓮舫議員とでは違いがあった。
 フジモリのルーツはもともと日本人であることも蓮舫議員のケースとは事情が異なると国民は受止めたのだろう。
合法な立候補手続を経ているのに、蓮舫議員の説明が二転三転したこともあって話が泥沼化した。公党の代表である以上は、一議員よりも明確な立場表明が求められるのかもしれないが、そこをはっきりさせなかったところに、多くの国民が嫌悪感を抱いた。
ただ、論調はさしずめ「蓮舫いじめ」の様相を呈していた。代表辞任や議員辞職に追込むような姿勢を見せていたマスコミが、いざ辞任の会見では「総理を目指さないのか」
という趣旨の質の悪い質問をぶつけた。レベルの低い取材姿勢だった。 
 テレビも新聞も多くの国民の関心を得る取材をし、それを報道することは理解できる。しかし限度を超えてはならない。正確な報道から逸脱してしまいかねないからだ。為政者の側の不祥事を追及しているのではなく、本質から離れた取材と報道を繰り返していては「報道の自由」が泣く。
 ことの真相をわかりやすく伝える使命をもう一度思い起こしてほしい。私も真実を知りたい。ただ、公職にあるものは多くをさらけ出さなければならないし、多くの批判にさらされることを覚悟しておかなければならない。ときに理不尽な扱いを受けることもある。
 しかし、それを甘受しなければならない立場であることを考えると、「辞任はつらいよ」と感じるようでは政治家は務まるまい。

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市民ガイド
千葉市美術館 いま/むかし「うらがわ」
目に見えないものをさす「うら」という言葉にかけて、この世の「うら」を描いた怪談ものや、表に見えないひとの「心(うら)」を印象深くとらえたもの、美術作品を裏に表に支える知られざるテクニック、スケッチなどを紹介▼会期・8月5日(土)〜27日(日)開館時間・10時〜18時(金土曜日は20時まで)▼観覧料・一般200円(160円)大学生150円(120)()内は団体料金。高校生以下、市内在住の65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料▼問い合わせTel043-221-2311(代)千葉市美術館(中央区中央3-10-8)

千葉県立美術館 立体造形の現在・過去・未来
THEフィギュアINチバ(平成29年度特別展)国内外で評価を受けるフィギュアの世界。今日では世界に誇る日本文化の一つとしてその造形表現が高く評価されています。本展では海洋堂のフィギュア3,000点を公開、その魅力を紹介します▼期間9月24日(日)まで(休館日月曜)▼開館時間・9時〜16時30分▼入場料・一般800円(640円)高校・大学生400円(320円)カッコ内は団体料金▼問い合わせ・Tel043-242-8311
(千葉県立美術館)

千葉県生涯大学校公開講座
「千葉県史講座」千葉県がどのような変遷をたどって現在のような郷土になったか、一流の歴史学者がわかりやすく講義してくれます。この講座は今年度実施予定の千葉県の「県史検定」の受験に役立ちます。▼日程(4日間)・8月21日(月)『近世』・8月23日(水)『古代』・8月28日(月)『中世』・8月30日(水)『近現代』▼場所・千葉県生涯大学校京葉学園▼受講料は無料、但し資料代として1,000円▼申込方法・受講希望者の住所、氏名、電話番号を記載(1)葉書【送付先】〒260-0801千葉市中央区仁戸名町666-2千葉県生涯大学校事務局(2)ファックス・043-266-4943(3)メール・メールアドレス「j.hoshi@shogai-chiba.ac.jp」(4)直接窓口▼申し込み期限・8月15日(火)お問い合わせ・電話043-266-4705千葉県生涯大学校

第7回千葉市ことぶき大学校 美術学科卒業生合同展
▼日時9月5日(火)〜9月10日(日)10時〜18時*10日は16時終了▼会場・千葉市美術館9階市民ギャラリー(入場無料)▼出展者・ことぶき大学校美術学科卒業生から今春卒業の17期生まで21グループが出展。230名260点を予定。▼問い合わせ090-6128-6080(彌吉吉紀・14期生)▼後援・千葉市教育委員会

第14回なの花書道展
日時・8月8日(火)〜13日(日)午前9時〜午後4時30分まで*11日(金・祝日)12時から席書き実演▼会場・千葉県美術館(千葉市中央区中央港1-10-1)▼問い合わせ・事務局・勝浦市串浜1311-1・Tel0470-73-3557(なのはな書道会・渡辺)

ちば県民合唱団セミナー
「合唱における呼吸法、共鳴について」▼日時8月29日(火)14時〜16時▼会場・千葉県文化会館小ホール▼講師・黒川和伸(千葉県合唱連盟理事)参加費500円*事前申し込みは不要です。直接会場へ▼問い合わせ電話・043-222-0077

放送大学千葉学習センター
公開講演会「第九に至る声楽曲の壮大な歩み」▼日時・9月3日(日)14時〜16時30分▼会場・美浜文化ホールメインホール☆プログラム♪第1部・講演「歌の歩みに寄り添って−中世から古典派時代まで−」講師・茂木一衛♪合唱・グレゴリア聖歌、オーブレヒトのモテット、今こそ五月(イギリスのマドリガル)、インスブルックよさようなら、コラール主よ人の喜びよ、アヴェヴェルムコルプス。♪第二部・講演「楽聖ベートーヴェンを語る」講師・山本純ノ介♪合唱・交響曲第九第四楽章「歓喜の歌」▼申し込み・往復ハガキに、住所、氏名、電話番号を明記のうえ8月16日(水)までに、美浜区若葉2-11「放送大学千葉学習センター」送付。TEL043-298-4367

秋山宏基・河原美奈子 〜先生と教え子の二人展〜
県立高校の美術教員である秋山と、その教え子で、独学で油絵を描き続けてきた河原が20年ぶりに再開して行う展覧会です。▼会期・8月10日(木)〜8月15日(火)11時〜18時*15日は17時まで▼会場・画廊ジュライ(きぼーる2階)*無料▼お問い合わせ・Tel043-232-8797

こころの経営こころの授業
▼日時・8月27日(日)12時30分〜16時30分▼会場・鎌取コミュニティセンター会費1,000円(前売り)1,500円(当日)▼内容☆第一部講演・講師 河野誠一郎(元オランダ家顧問)中野敏治(現役中学校校長)☆第2部・トークセッション 梅岡隼子(仕遊館代表)、河野誠一郎(元オランダ家顧問)、中野敏治(現役中学校校長)、水元富美子(オフィス水元)▼Tel090-1433-9879(梅岡)

ギャラリー古島
7月25日(火)〜8月31日(木)は夏季休廊となります。9月以降のご来館お待ち申し上げております▼お問い合わせ・TEL 043-243-3313ギャラリー古島(JR西千葉駅徒歩1分)

多田屋稲毛店8月のお話会
お詫び。今月のお話会は夏休みのためありません。大変申し訳ございません。なお9月のお話会は9月1日(第1金曜)と9月15日(第3金曜)です☆書籍、雑誌のご用命は多田屋稲毛店へ、Tポイントカードご利用になれます。電話043-253-8145

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今月の人
あやめ台幼稚園長 神野 茂美さん 64歳
努力家・尽きない学問への探求心
保育教育専門家であり、経営者であり、学びを続ける

 義務教育は9年。今はほとんどの人が高校、大学または専門学校へすすみ、これで多くのひとは終了だ。少数だが大学院へ進む人も、また大学を出てから専門学校へ入る人もいる。神野茂美さんは親の幼稚園を引き継ぐために保育の専門家になるべく千葉大学教育学部幼稚園教員養成課程を出て、幼稚園の先生の免許をとり、埼玉県の幼稚園に就職する。かたわら埼玉大学経済短期大学(二部)で経済学を学び親の幼稚園に戻り、実務としての簿記を2年間千葉県立商業高校定時制経理コースで勉強している。31歳より四国にある鳴門教育大学大学院学校教育研究科幼児教育コースへすすみ教育学修士。33歳で大学院を終了後、36歳で園長に就任した。探究心はここからがすごい。
 何と58歳より聖徳大学通信教育部人文学部英米文化学科で、中学校、高等学校の英語教諭1種免をとっている。通信教育というのはよっぽど強い意志がないと続かない。
 62歳(平成27年10月)で同じく聖徳大通信教育部で学芸員の資格取得をめざして勉強、あとは夏休み期間に実習をするのみ、いやはや頭が下がる思いだ。今後は、高校の公民の免許状を取得したいとのこと。神野さんは鳴門教育大学を終了後、英語を使ったボランティア、千葉市の姉妹都市ノースバンクーバー(カナダ)の高校生のホームステイ受入、文科省、県、市の幼児教育に関する委託研究のほか、指導資料の作成も担当し、今も活躍している。
 平成10年(45歳)にはデンマークのコペンハーゲンで開催された世界幼児教育機構(OMEP)の学会で、英語で「幼稚園における自然体験の方法」と題する発表をした。また、現在は千葉市立あやめ台小学校・宮野木小学校の学校評議員でもある。経営者、保育教育専門家としての他、千葉明徳短期大学や植草学園大学で非常勤講師を勤めており、またこれまで16年以上、母校千葉大学教育学部の幼稚園教員養成課程の学制に実習事後指導をしている。
 神野さんは、これまで幼稚園教諭、小学校教諭、養護(特別支援)学校教諭、保育士資格、中学校、高等学校教諭(いずれも英語)、実用英語技能検定(準1級)こども環境管理士などの免許、資格を取得、今年度中には、学芸員資格を取得する見込みだ。
 幸いなことに神野さんには、そこで得た知識を経営に生かせる環境がある。2千8百坪の幼稚園の敷地がそれを物語っている。園舎、遊具はもちろん、竹の子や梅を収穫できる園地、四街道には栗が実る畑もある。現在、園児たちは、これらを利用し様々な体験を生かし学びを深めている。
 今後も、神野さんが学んだことを生かして、地域の幼児教育の充実・発展のために活躍されることを期待している。 【取材・川村文彦】

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随筆 梅雨明け間近い夕方
 あの日は、空がブルーからあかね色に変わった頃、儀ちゃんが銀行から帰宅した。
 「おかえんなさい」玄関まで出迎えた私は「少し早いかもしれないけど、お風呂がわいているわよ」と言う。「風呂?冗談じゃない。こんなに明るいうちに入れるか!それより今日俺はめし前にやってしまわなければならない重大な仕事があるんだ」「重大な仕事?書類持って帰ったの?」 「いちいちうるさいなあ。重大な仕事といえば重大の仕事だ」
 儀ちゃんはさっさと着替えに入った。そして、脱いだ背広に丁寧に丁寧に羽毛のブラシを使う。ほこりをぬぐうためだ。
 ズボンは何度もたたみ直し線を揃えてからズボンプレッシャーにはさむ。私はつっ立ったまま儀ちゃんの作業を見ていた。そして心そこ感心しながらこう言った。
 「何をやってもお父さんは、手際がいいねえ」「このバカ、どれもこれも全部女房の仕事だぞ、あんたねえ、一日働いて疲れて帰ってきた亭主に申し訳ないと思わないのかねえ」。
 「思わない」私はそう答えた。「何にィー。お母さん、あんたそれが本当に言ってんだったら頭がおかしいよ」「私は正常です。アイロンだって洗濯だって上手な方がやればいいんだよ。お父さんだって線が3本もあるズボンはいて歩けるかって、いつか私にどなったじゃない」
 儀ちゃんは私の顔をにらみつけながら「当たり前だそんなみっともないズボン俺ははけない。センターにしっかり1本くっきりの筋。それが常識だ」
 「それがさあ、私できないんだから仕方ないよ、まあ家事オンチなんだよね私はさ」
 儀ちゃんは頭を振り振り足音を荒げて部屋を出て隣の食卓のイスに座った。私も彼の向かいに座る。「下手だとわかったら、少しでも上手になるよう努力するのが人間だろ。あんたには、その気持ちがまったくない。何が家事オンチだ」私はそんな文句は聞き流すだけ。即座に冷蔵庫にむかい、冷えたビールを取り出して来て、コップを彼の前に置く。
「おとうさん、まあまあ言いたい事は心にしまってまず一杯、ビールで一日の疲れをとりましょ、私もご相伴するからさ」二つのコップにビールを注いで「ハイ乾杯」。グラスの触れた小気味よい音が台所に響いた。儀ちゃんはぐっと一気にビールを飲み干してから「お母さん、ハラはたつけど家で飲むビールは格別だ。もう一パイ」と言った。「お父さん、家の事何にもできなくてもさ、お酒の相手してあげるんだもの。私けっこういい女房と思うんだけどなあ」私の言葉に儀ちゃんは良いとも悪いとも返事をしなかった。だけど…黙ったままビールグラス片手に夕空を眺めていた二人の間にとても平和な時間が流れていたことは、まちがいない気が今でもしている。

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今月の運勢
☆一白水星 ◎発展運
 努力が花開く飛躍のチャンス。堅実に進めていたことは大いに成果が期待できます。手を抜かず完成度を高める努力を。活躍の場も増えるが、意思は明確に伝えること。遠方取引、販路開拓も期待できるとき。金運良好 成果に見合った報酬得られる。

☆二黒土星 △自重運
 安定性欠く時。従来の方針を変えることなく、手がけていることに専念し相応の成果は得られます。先々の不安に対応すべく危機管理体制の整備も必要。一応のめどがついたら深追いせず、入念にチェックし内容の充実を図ろう。現状把握が大切。必要経費試算、現状と照らし合わせ、整合などチェックも良い。

☆三碧木星 ○旺盛運
 活気に満ち行動力も増す時。堅実に積み上げた実践で周囲の期待も大きい。認めてほしいといった顕示欲が強まり、闘争心や自信が沸いてきます。支援者への感謝を忘れぬこと。目上とトラブル注意。どんぶり勘定なりがち。収入バランス保ち金運を落とさぬ心がけ大切。

☆四緑木星 ○順調運
 穏やかな運気でおおむね順調。社交運が活性で、新たな出会いがチャンスをもたらし、連携、協調が進展を生みます。言葉の行き違い、早合点からトラブルが生じやすい、配慮が必要。凡ミス、約束忘れ等のないよう気を引き締めて。楽な方に流れやすい自分に渇凡費注意。

☆五黄土星 △変化運
 月破帯同。変化を求め悪い結果を招いたり、余計なことを始めると苦労を背負い込むことになります。当面は方針を変えず現状を守り、何をどう変えるべきかよく考え、臨機応変な対応を心がけましょう。改善を目指し改悪とならぬよう、意見を参考。合わせるべき時は合わせよう。急な出費の備え必要。新規事不可。

☆六白金星 ○波乱運
 五黄殺同会。運気活性でも、トラブル要素を内包。日頃のリスク管理が大切、ミスは迅速に対応する用意を備える。感情にまかせた行動は損。目上の離反注意。判断ミスのないよう再三の確認を。契約書等押印に気を付ける。金運不安定。急転直下のトラブル視野に。

☆七赤金星 ●低迷運
 暗剣殺同会。運気低迷し不調。物事停滞し、内に抱えた問題で悩みが尽きないとき。下手に動くより受身に撤し、冷静にリスクを最小限に抑えることを最優先に考えよう。余計なことせず考えず、目前に集中し今できること、すべきことに専念。金運絶不調。必要経費見直し、地道に乗り切る。無駄な出費抑えよう。健康留意。

☆八白土星 ●停滞運
 暗剣殺帯同。安易な妥協は良くないが、目先にとらわれると、大事に悪影響を及す。大局的展望持ち、地味な努力を積み重ね運を開け。凡ミスを徹底してなくし、確実な歩みを。部下のミス、準備不足注意。金運不安定。消耗品は個別使用から保管箱設等に戻す共同使用に換える等、引き締めを。

☆九紫火星 ○上昇運
 歳破同会。新規計画を伸ばそうとし支障にぶつかり困難することあり。行動的なのはいいが、勢いづきマイナスに作用しやすいとき。早合点と独りよがり言動注意、自重必要。専門分野のチャレンジもいいでしょう。目標定め、計画的に行動する姿勢が不可欠。即決控え、要不要を確かめ長期使用できるものを購入する。
※問い合わせは090・3475・9671(大河原)

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