150,000部発行
2016年10月7日
通巻第241号
年間郵送購読料3,000円
発行責任者/佐藤 正成
発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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県浄化槽検査センターの背信行為
県民から前払代金1762万9千円受け取り検査せず放置
未検査浄化槽数は1752基
千葉市中央区にある千葉県浄化槽検査センター
千葉県浄化槽検査センター(石井健嗣理事長、千葉市中央区)の内部事情に詳しい者から、同検査センターは顧客から検査料金を受け取りながら「検査を実施しないまま放置している」という告発があり、先月号で報道した。その結果、9月21日付けで同検査センターの西川順二事務局長から「一部に不正確な記述がある」という文書で訂正を求める一方、誤り部分は受け取り金額や件数、社労士との内部工作はなかったという内容であった。しかし、その他の記述については、ほぼ正しい報道であることが確認された。本紙の取材によれば、浄化槽法施行規則に定める期間に実施していない検査が6月までに1752基、 前払いで受領した料金が1762万9千円にものぼることが確認された。これに対し県は、「重大な背信行為であり、法定検査制度に対する信頼を損なう許しがたい行為」であるとし、検査機関の指定取消も辞さない構えを見せている。
指定業者としてのセンターの能力に問題
県浄化センターは、今年8月9日に浄化槽法に基づく県の立入検査を受けたが、11月までに検査遅滞の改善を求める県の指導に従う姿勢を見せておらず、県としてこのままでは検査機関の指定を取消すという厳しい文書を送付した。
これに対し同センターは、県の指定する11月までの是正は相手があることで不可能であるとし、県の指導に応じる姿勢をみせていない。また、検査できない浄化槽の代金は返還するとしているが、水質保全のため、法定の浄化槽検査を所定の期間内に実施するのが指定検査機関の責務であるから、代金返却で済む問題ではない。
電話でのお詫びが済んでいない1000件以上に対する文書発送すらできていないことについては、「県に反論できなかった」という程度の認識であるばかりか、検査遅延が解消されれば遅延解消チームは解散すべきとの県の意向を「言いがかりである」と拒否する始末であり、法定検査を遅滞させた責任を自覚している様子すらうかがえない。
また県は、9月27日に同検査センターに県の水質保全課職員が直接訪問し、知事名の正式文書で、「検査遅延発生原因、検査遅延解消措置再発防止策、今後の検査実施計画」について詳細に指導している。その具体的な対応策として、遅延解消チームの設置と進行管理者、総括責任者の指定、一日当たりの検査件数の設定とその根拠、土日も検査を行う体制づくりと職員の勤務表、連絡の取れない相手方に対する臨戸調査の実施とその記録、検査件数や文書通知、臨戸調査の件数の記録と報告など、実に細かく指導するとともに、内部検査体制の強化と外部監査の導入を求めた。これは、事情聴取に対するセンターの回答があまりにずさんであることに県が業を煮やしていることを物語っており、県がセンターに最後通牒を突きつけたにひとしい。
検査員の退職
内部告発によれば、検査員が上司にパワハラを受けノイローゼになり配置転換された。頼みの嘱託社員も1名も退職、さらに補充した検査員も1名で1500基から1900基の検査をしなければならず精神的な負担が多くこの10月に退職した。同じく女性事務員も退職に追い込まれたといわれる。検査員が不足して検査能力がないから県の要請には応じられないだろうと話している。
公益法人も取消か
平成23年には別の不祥事が発生したこともあり、県のセンターに対する心証は実に厳しいものがあるが、一方のセンターには県の指導に真摯に応じる姿勢がみられず、このままでは浄化槽検査機関の指定が取消されるものと見込まれている。指定が取消されれば市民・県民に少なからず影響が及ぶものと思われるが、そうなるとセンターの公益法人の認可自体が取消されることも視野に入ってこよう。責任の所在をはっきりさせ、検査体制の抜本的見直しと強化を図らない限り、水質保全面での良好な住民サービスを維持することはできないだろう。
浄化槽の法定検査
浄化槽は、下水道が整備されていない地域などで水洗トイレを使用する場合に一般家庭や事業所などに設置される排水処理装置。
トイレの排水や台所・風呂などからの排水が浄化槽で処理された後、放流水は道路側溝や水路などを経て川や沼海に流れる。浄化槽の設置や使用・管理に問題がある場合は、浄化槽の正常な機能が発揮されず、汚れたまま排水が放流されたり周辺に悪臭を生じるなど水質汚濁や生活環境への悪影響の原因となる。
このため浄化槽法では、浄化槽を所有し使用する方(浄化槽管理者)に、都道府県知事が指定する検査機関が行う水質に関する検査(法定検査)を受けることを義務付けている。
県内の下水道普及率は約70%で未整備地区は30%。 法定検査では、浄化槽の設置工事や日常の維持管理・使用方法が適正かどうか、浄化槽の機能が正常に発揮されているかなどについて、資格を有する検査員が検査を行い、問題がある場合は必要な改善措置などが指導される。浄化槽の適正な管理を徹底し、快適な生活と身近な水環境を保全するため、法定検査を必ず受けなければならない。法定検査は浄化槽設置業者の依頼により有料で実施される。検査を受けない場合には、浄化槽法に基づき、行政機関から指導・勧告や命令を受ける。また、命令に違反した場合には30万円以下の罰則(過料)も規定されている。
【佐藤 正成記】
投資詐欺の二次被害に注意
悪徳探偵業者が言葉巧みに語りかける
投資詐欺にあった被害者の相談を受けた探偵業者が、「被害を取り返せます」と言葉巧みに語りかけ、被害者からさらに金銭を得る二次被害が発生している。
被害者は、連絡のつかなくなった詐欺グループの居所調査を依頼するが、詐欺の中心メンバーの居所が見つかることはまずない。名目だけの代表取締役や詐欺とは知らずに名前を貸した関係者の居所しか判明しないケースが大半だ。
悪徳の探偵業者は、さも主犯を見つけたかのように説明し、回収交渉に及ぶ場合が多い。その際に調査料名目で金銭を要求するのが手口だ。
正当な探偵業者ではないこれらの探偵業者は、投資グループ内の、被害者の直接の上部会員を相手に違法な勧誘を行ったとして弁済を求めるパターンが多く、うまくいかない場合は裁判に訴えることさえある。それも、被害者から弁済請求権の債権譲渡を受けたことにして、当事者として訴えを起こすものだ。
勝訴して回収できたときは、その中から、また報酬を受けるのが狙いだ。
債権譲渡を仮装して裁判に及んでも、弁護士法違反は免れないし、裁判に勝ったらその中から報酬を得るというのは、訴訟信託に該当し、法が禁じている。
中部地方のある弁護士会は、近くある悪徳探偵業者を弁護士法違反で地検に刑事告発する最終段階にきており、摘発も近いものと見込まれる。
被害者の、少しでも取り返したい、老後の貯えだったのにという、切実な思いにつけこむ卑劣な犯罪だ。
これらの悪質探偵業者に共通しているのは、住民登録地には居住していないという事実だ。
投資詐欺の加害者と同じで、責任追及を逃れるためであろう。
被害の相談は、弁護士等の公的資格者、公的相談機関、警察などに行うべきであり、調査をするなら確かな探偵業者や興信所に依頼するのが無難だ。いつ、どんな被害にあうかはわからないが、万一のときに、二次被害にあわないよう心掛けたいものだ。
稲毛新聞創刊20周年記念イベント
熊本震災チャリティ演奏&講演
キムタクの母、方子さんの講演に500人集う
木村方子さん
稲毛新聞創刊20周年を記念して、去る9月23日(金)午後2時から京葉銀行文化プラザ大ホールで「熊本震災チャリティ講演会&演奏会」を開催。千葉市内はもとより東京、横浜、遠くは京都府からの観客約5百人余り出席し、大盛会だった。
最初に本紙代表取締役佐藤正成が「今日は多数参加していただき誠に有難うございます。稲毛新聞は日本一小さな新聞ですが、スポンサー及び読者の皆様のご支援のお蔭で創刊20周年を迎えることができ、厚く御礼を申し上げます。7月に熊本で全国地域新聞の会合があり参加してきましたが、熊本は震災の爪あとがあり、まだまだ大変な状況でした。本日の収益金の一部を熊本震災義捐金とさせていただきます。本日は、人気歌手キムタク(木村拓哉)のお母さんの木村方子さんが講演を行います。前座に津軽三味線と千葉アコーディオンサークル、私もメンバーの一人として演奏を行います。どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください」と挨拶した。
前座は津軽三味線とアコーディオン演奏
千葉アコーディオンサークル
第一部の前座ではライブキッチンちゃ太郎所属の村松大とその弟子による津軽民謡や津軽じょんがら節が披露され大喝采を浴びた。
続いて、、稲毛区の穴川コミュニティセンターで毎週土曜日に練習を重ねている「千葉アコーディオンサークル」のメンバーが指導にあたっている森陽介先生の指揮でタンゴの名曲「ラ・クンパルシータ」と映画音楽より「サウンドオブミュージックメドレー」を演奏。引き続きアンサンブルで「愛の挨拶」「ジュピター」を演奏。神山サークル会長が挨拶した。最後に「真珠取りのタンゴ」と「日本民謡メドレー」など全6曲を演奏した。
第二部の講演会は人気アイドルSMAPの木村拓哉さんのお母さん・木村方子さんが「愛について」というテーマで講演した。
木村さんは、東日本大震災の語り部として全国各地を周り活躍しているが、絵本「お母さん大好きだよ」を読み上げたり、観客に様々な質問をしたりしながら「自分を愛することの大切さ」を強調した。
「昨年の高校生の生活と意識に関する調査では自分はダメな人間だと思うことがあるか?≠ニいう質問に対しそう思う≠ニいう答えがアメリカで約45%、中国で約56%、日本では約72%。自尊心や自己肯定感を持てない人が多い。今生きている命を活かすものは呼吸=B呼吸をしないと生きていけない。今、呼吸をしていろいろな事に向き合って精一杯生きている自分は素晴らしい存在だと気付くことが大切。偉かったね・辛抱してきたね≠ニ自分に声をかけて褒めよう。朝起きたらおはよう≠ニ自分に声をかけよう。鏡に向かい笑ってみよう。笑顔でいると脳が幸せ≠ニ勘違いしてくれる。着替えて鏡を見たら素敵、似合っている≠ニ褒めよう。うきうきした気分で行ってまいります≠ニ言って出かけよう。これは必ず無事に家に戻ります≠ニいう意味の言葉。行ってらっしゃい≠ヘ、必ず家に戻って下さい≠ニいう祈りの言葉。友人に会い素敵ね≠ニ言われたら有難う≠ニ言おう。そういう言葉を言える自分を褒めよう。自分を褒めることで自分を認めて自信が付き、自分を信頼できる素敵な自分になれる。自分で自分をハグし、自分の名前を呼び大好き≠ニ言ってみよう。自分はかけがえのない存在だと気付こう。自分を愛し家族を愛し友人を愛し、縁を大切にして生きよう」と語った。 【取材・浦野美智子】
※当日熊本震災募金にご協力いただいた金額4万8千695円はそのまま日本赤十字社を通じて、寄付させていただきました。
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